学校における働き方改革は可能か㉟~学校における働き方改革が進まない原因と#教師のバトンと文科省VS自治体・教委・校長~

学校の職員と子供たち 公立高等学校入学者選抜における調査書の記載内容
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  1. 学校における働き方改革は可能か㉟~学校における働き方改革が進まない原因と#教師のバトンと文科省VS自治体・教委・校長~はじめに
    1. #教師のバトンプロジェクトにすごい勢いでツイートが集まる!!
    2. 教育政策に「エビデンス」や「PDCAサイクル」はそぐわないし、教師の多忙化に拍車をかける!
    3. 学校における働き方改革が進まない理由「文部科学省VS地方自治体・教育委員会・学校長の構図」と文部科学省の進めている解決策を知ろう!
  2. 学校における働き方改革が進まない原因①~エビデンスに基づく教育政策~/平成29年度文部科学省委託調査「教育改革の総合的推進に関する調査研究/エビデンスに基づく教育政策の在り方に関する調査研究報告書(平成30年3月/株式会社三菱総合研究所)」
    1. 平成28年度に「教職員定数の中期見通しの提示に向けた教育政策に関する実証研究」が行われた理由「教育におけるPDCAサイクルを確立する」
    2. 平成29年度に「少子化の進展や学校の諸課題に関する実証研究等を踏まえた教職員定数の中期見通しの策定に向けた教育政策に関する実証研究」が行われた理由「財務省の建議」
    3. 平成29年度「教育改革の総合的推進に関する調査研究」の結果~「エビデンスに基づく教育政策の在り方に関する調査研究報告書(平成29年3月/株式会社三菱総合研究所)」~
      1. 調査研究の目的と概要/調査研究の目的
    4. 調査結果:大阪府箕面市
      1. 大阪府箕面市の基本データ
        1. 人口
        2. 市立小学校・中学校数
        3. 市立小学校・中学校児童生徒数
      2. エビデンスの重要性に着目した経緯「貧困リスクを抱える子供を発見するシステム(子ども成長見守りシステム)を構築」
      3. 箕面市における取組例/小中9年間の成長を追跡する調査体制の構築
      4. 貧困リスクを早期発見するためのシステムの構築
      5. 「エビデンスに基づく教育政策の在り方に関する調査報告書」の箕面市の実践から、客観的な根拠を重視し、教育活動を行うことの難しさ、大変さについて考える
  3. 学校における働き方改革が進まない原因②~学校に置かれる委員会等の組織・担当者~/「学校に置かれる委員会等の組織・担当者について」平成30年5月18日学校における働き方改革特別部会(第13回)資料
    1. 学校に置かれる委員会や担当する分掌の多さが教師の業務の多忙化の一因となっている
    2. 学校に置かれる委員会等の組織・担当者の多くは、教育基本法の改正以降、通知や答申、報告書等を根拠として設置された
    3. 国、文部科学省や教育委員会などから出される文書には、法令(法律、政令、省令)、通知、答申などの区分によって強制力に違いがある!
    4. 学校に置かれる担当者と根拠となる文書(一覧)【概要】
      1. 法令において設置の必要性があるとされているもの
        1. 学習指導関係
        2. 生徒指導関係
        3. 学校運営関係
      2. 通知を根拠として設置されるもの
        1. 学習指導関係
        2. 生徒指導関係
        3. 学校運営関係
      3. 答申、報告書等を根拠として設置されるもの
        1. 学習指導関係
        2. 生徒指導関係
        3. 学校運営関係
    5. 学校に置かれる委員会等の組織と根拠となる文書(一覧)【概要】
      1. 法令において設置の必要性があるとされるもの
        1. 生徒指導関係
        2. 学校運営関係
      2. 法令を根拠として設置されるもの
        1. 学校運営関係
      3. 通知を根拠として設置されるもの
        1. 学習指導関係
        2. 生徒指導関係
        3. 学校運営関係
      4. 答申、報告書等を根拠として設置されるもの
        1. 学習指導関係
        2. 生徒指導関係
        3. 学校運営関係
    6. 学校組織図(小学校の事例、中学校の事例)
    7. 学校に置かれる委員会等の組織・担当者について考えられる対応策(「学校に置かれる委員会等の組織・担当者について」/平成29年11月6日/学校における働き方改革特別部会(第7回)配付資料)
  4. 学校における働き方改革が進まない原因③~学校への調査文書等~/「学校への調査文書等に対する事務負担軽減」(新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)【案】参考資料より)(学校における働き方改革特別部会/第9回/平成29年12月12日)
    1. 教育委員会から学校に対して行っている調査・報告依頼について
    2. 学校への調査文書等に関する事務負担軽減の実施について
    3. 教育委員会から学校宛ての調査・照会(例)
      1. 【A市】(※)平成26年度、小学校…合計/296件
        1. 依頼元:市教育委員会…208件(※1)
        2. 依頼元:県教育委員会…88件(※1)
      2. 【B市(政令市)】(※)平成28年度、小学校・中学校…合計/小307件、中289件
        1. 依頼元:市教育委員会…小270件、中253件(※1)
        2. 依頼元:県教育委員会…小37件、中36件(※1)
      3. 主な課題
      4. 主な取組
    4. 国(文部科学省)から学校宛ての定期的な調査
      1. 文部科学省が学校を対象として行う定期的な調査の件数
      2. 文部科学省が学校を対象として行う定期的な調査(一覧)
        1. 悉皆・毎年
        2. 悉皆・隔年
        3. 抽出・毎年
        4. 抽出・隔年
    5. 学校に置かれる委員会等の組織・担当者があまり減らない理由「学校教育の内容を大幅に変えない以上は、今後も、委員会や担当者を大幅に減らすことはできない」
  5. 学校における働き方改革が進まない原因④~部活動~/「業務の適正化・役割分担に関する具体的な論点(部活動)」(学校における働き方改革特別部会(第8回)(平成29年11月28日/文部科学省)
    1. 業務の適正化・役割分担等に関する具体的な論点(部活動の適正化について)
      1. 背景
        1. 法的根拠…部活動の実施を義務付けるものは特段無し
        2. 関係通知等
          1. 中学校及び高等学校における運動部活動について(通知)(平成10年1月)
        3. 諸外国の状況
        4. 最近の動向
    2. 公立高等学校入学者選抜における調査書の記載内容
      1. 学校内外のスポーツ活動、文化活動、社会活動、ボランティア活動等に関する記録(平成29年度文部科学省調査)
        1. 記載すべきことになっている学校内外の各活動(部活動を含む)
        2. 調査票に部活動に係る記載がある場合の評価
    3. 業務の適正化・役割分担等に関する具体的な論点(部活動の適正化について)まとめ「今から20年以上前から言われていること!」
  6. 学校における働き方改革が進まない原因⑤~行政事業レビューシートから見える文部科学省のやる気のなさ~
    1. 教育政策の効果分析強化プラン(教育政策に関する基本的な政策の推進等/平成29年度の事業に係るレビューシート/平成30年度行政事業レビューより)
      1. 事業の目的
      2. 事業概要
      3. 予算額・執行額
      4. 成果目標及び成果実績(アウトカム)
        1. 定量的な成果目標
        2. 成果指標
        3. 目標値
      5. 成果目標及び成果実績(アウトカム)
        1. 定量的な成果目標
        2. 成果指標
        3. 成果実績
      6. 政策評価・新経済財政再生計画との関係
        1. 政策評価
          1. 本事業の成果と上位施策・測定指標との関係
      7. 事業の有効性
        1. 成果実績は成果目標に見合ったものとなっているか。
        2. 事業実施に当たって他の手段・方法等が考えられる場合、それと比較してより効果的あるいは低コストで実施できているか。
        3. 活動実績は見込みに見合ったものであるか。
        4. 整備された施設や成果物は十分に活用されているか。
      8. 点検・改善結果
        1. 点検結果
        2. 改善の方向性
      9. 外部有識者の所見
      10. 教育政策の効果分析強化プランのレビューシートを見て思うこと
    2. 教育改革の総合的な推進に係る調査研究(教育分野に関する客観的根拠に基づく政策立案の推進/平成30年度の事業に係る行政事業レビューシート/令和元年度行政事業レビューより)
      1. 事業の目的
      2. 事業概要
      3. 予算額・執行額
        1. 当初予算、執行額(執行率)
      4. 事業の有効性
        1. 成果実績は成果目標に見合ったものとなっているか。
        2. 事業実績に当たって他の手段・方法等が考えられる場合、それと比較してより効果的あるいは低コストで実施できているか。
        3. 活動実績は見込みに見合ったものであるか。
        4. 整備された施設や成果物は十分に活用されているか。
      5. 点検・改善結果
        1. 点検結果
        2. 改善の方向性
      6. 外部有識者の所見
      7. 教育改革の総合的推進に関する調査研究のレビューシートを見て思うこと
    3. 運動部活動改革プラン(平成30年度から開始された事業に係る行政事業レビューシート/平成30年度行政事業レビューより)
      1. 事業の目的
      2. 事業概要
        1. 運動部活動の在り方に関するアドバイザリーボード会議の開催等
        2. 「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を踏まえた運動部活動に関する実践・調査・実証研究
      3. 予算額・執行額
      4. 成果目標及び成果実績(アウトカム)
        1. 定量的な成果目標
        2. 成果指標
        3. 目標値
      5. 成果目標及び成果実績(アウトカム)
        1. 定量的な成果目標
        2. 成果指標
        3. 目標値
      6. 活動指標及び活動実績(アウトプット)
        1. 活動指標
        2. 当初見込み
      7. 活動指標及び活動実績
        1. 活動指標
        2. 当初見込み
      8. 行政事業レビューシートがどうであれ、「運動部活動改革プラン」は、効果を発揮できていない!「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を守っていない部活動の顧問から、現状を変えることのできない不満の声!
  7. 学校における働き方改革が進まない理由⑥~文部科学省VS自治体・教育委員会・学校長の構図~
    1. #教師のバトンで文部科学省から部活動についてのメッセージが出て再び炎上!文部科学省VS自治体・教育委員会・学校長の構図も浮かび上がる!
  8. 学校における働き方改革は可能か㉟~学校における働き方改革が進まない原因と#教師のバトンと文科省VS自治体・教委・校長~まとめ

学校における働き方改革は可能か㉟~学校における働き方改革が進まない原因と#教師のバトンと文科省VS自治体・教委・校長~はじめに

#教師のバトンプロジェクトにすごい勢いでツイートが集まる!!

令和3年3月26日、Twitterを利用している教員の間に大きな衝撃が走りました。

なんと、文部科学省が、教師を目指す人に向けたメッセージをTwitter上でつぶやくことを求めた「#教師のバトン」プロジェクトを始めたのです。

その狙いは、教員志望の人を増やすため、現場の教師から教師の魅力を広く発信してもらうことにありました。

これまで、教師たちは、TwitterなどのSNSを使用することを、教育委員会から厳しく禁止されていました。

(ただし、身元がばれないように発信している教師は大勢いました。)

それが、「#教師のバトン」では、大手を振って発信できる、しかも、文部科学省に自分たちの声が届くとあって、教師たちは大喜びです。

そこで、「#教師のバトン」には、すごい勢いで投稿が集まり始めました。

現在(令和3年4月23日)も毎日、「#教師のバトン」のタグを付けた投稿が山のようにツイートされる状況が続いています。

しかし、残念なことに、文部科学省の狙いに反して、集まった声のほとんどが、現場の教師から、教師の勤務条件の厳しさを訴えるものになってしまっています。

そして、その声からは、働き方改革がほとんど進んでいない現場の実態が明らかになってしまいました。

そこで、今回の記事では、このように、「学校における働き方改革が進まない原因」について、主に平成29年度から令和元年度までに文部科学省等から出された資料を基に考えていきたいと思います。

教育政策に「エビデンス」や「PDCAサイクル」はそぐわないし、教師の多忙化に拍車をかける!

皆さんは、「教育政策のエビデンスを重視」、「教育政策において、エビデンスに基づく予算の効率化やエビデンスに基づくPDCAサイクルの徹底」という言葉を聞いて、どう思われますか?

「学校における働き方改革は可能か㉘」で書いたように、私は、学校の教育に「エビデンス」や「PDCAサイクル」はそぐわないと思います。

しかし、「予算の効率化を図る」という理由で、平成28年度以来、教育政策において、この「エビデンスに基づくPDCAサイクルの徹底」が行われてきました。

そして、この「エビデンスに基づくPDCAサイクルの徹底」を追求することが、教師の多忙に拍車をかけることになりました。

今回の記事では、まず、この「エビデンスに基づく教育政策」の内容、成果や課題と、教師の多忙化の原因になっていることが分かる資料として、平成29年度「エビデンスに基づく教育政策の在り方に関する調査研究報告書」をお見せします。

学校における働き方改革が進まない理由「文部科学省VS地方自治体・教育委員会・学校長の構図」と文部科学省の進めている解決策を知ろう!

続いて、その他の学校における働き方改革が進まない理由と文部科学省が進めているその解決策についても探っていきます。

まず、その数の多さが教師の多忙に結びついていると言われる、学校に置かれる委員会や校務分掌に関連する資料と、文部科学省で話し合った解決策の内容をお知らせします。

さらに、こちらも、教師の多忙を招く原因の一つとされる、学校への調査文書や報告書などの依頼の種類や数と、その問題に対して文部科学省や都道府県や教育委員会が行った措置について、資料を基に説明します。

そして、その後、中・高教員にとって一番関心の高い問題であろう、部活動の適正化公立高等学校入学者選抜における部活動の実績の扱いについての資料の内容をお伝えします。

続いて、文部科学省がどれぐらい本気で教育政策改革に取り組んできたのかを知るため、平成30年度行政事業レビューより、「平成29年度教育政策の効果分析強化プラン」のレビューシートと、令和元年度行政事業レビューより、「平成30年度教育改革の総合的な推進に係る調査研究」のレビューシート、平成30年度行政事業レビューより、「平成30年度運動部活動改革プラン」のレビューシートをお見せします。

最後に、文部科学省の#教師のバトンプロジェクトの、文部科学省からのメッセージを通して、「文部科学省VS地方自治体・教育委員会・学校長の構図」が見える話をしたいと思います。

実は、この構図こそが、学校における働き方改革が進まない理由の最たるものではないか、という内容です。

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学校における働き方改革が進まない原因①~エビデンスに基づく教育政策~/平成29年度文部科学省委託調査「教育改革の総合的推進に関する調査研究/エビデンスに基づく教育政策の在り方に関する調査研究報告書(平成30年3月/株式会社三菱総合研究所)」

平成28年度に「教職員定数の中期見通しの提示に向けた教育政策に関する実証研究」が行われた理由「教育におけるPDCAサイクルを確立する」

「学校における働き方改革は可能か㉘」で、平成28年度予算で「教職員定数の中期見通しの提示に向けた教育政策に関する実証研究」が開始されたことについて書きました。

どうして「教職員定数の中期見通しの提示に向けた教育政策に関する実証研究」が行われることになったかの理由については、その記事中に書きました。

理由の一つには、平成28年度「経済・財政再生計画 改革工程表(文章編)」の、「少子化の進展を踏まえた教職員定数の見通しなど予算の効率化及びエビデンスに基づくPDCAサイクルの徹底」という章の中に、「教育政策のエビデンスを重視」との記載があったことがあげられます。

それだけでなく、平成28年度「経済・財政再生計画 改革工程表(文章編)」の中には、「データや教育政策の成果及び費用、背景にある環境要因を総合的に考慮して予算要求を行い、教育におけるPDCAサイクルを確立する。」との記載もあります。

平成29年度に「少子化の進展や学校の諸課題に関する実証研究等を踏まえた教職員定数の中期見通しの策定に向けた教育政策に関する実証研究」が行われた理由「財務省の建議」

そして、「学校における働き方改革は可能か㉘」では、引き続き、平成29年度予算で、「少子化の進展や学校の諸課題に関する実証研究等を踏まえた教職員定数の中期見通しの策定に向けた教育政策に関する実証研究」が行われたことについて触れました。

なぜ「少子化の進展や学校の諸課題に関する実証研究等を踏まえた教職員定数の中期見通しの策定に向けた教育政策に関する実証研究」が求められたかというと、その理由は、平成29年度文部科学省概算要求に対する「財務省の建議」の中にあります。

「財務省の建議」の中に、「教育政策について、真に効率的・効果的な『投資』とするため、確かなエビデンスに基づく議論を積み重ね、PDCAサイクルを確立していくことが必要」との指摘があったからです。

そこで、平成29年度に事業化されたのが、「教育改革の総合的推進に関する調査研究」(平成30年度概算要求額明細表P148 :平成29年9月19日/文部科学省:国立国会図書館インターネット資料収集保存事業より)と「教育政策の効果分析強化プラン」(平成30年度概算要求額明細表P151 :平成29年9月19日/文部科学省:国立国会図書館インターネット資料収集保存事業より)でした。

次の項でこのうち、「教育改革の総合的推進に関する調査研究」の結果を紹介します。

平成29年度「教育改革の総合的推進に関する調査研究」の結果~「エビデンスに基づく教育政策の在り方に関する調査研究報告書(平成29年3月/株式会社三菱総合研究所)」~

調査研究の目的と概要/調査研究の目的

  • 現在、教育政策の推進において、より効果的・効率的に企画・立案等を進める観点や、国民・地域住民への説明責任を果たす観点から、可能な限り、客観的な根拠を重視し、エビデンスに基づくことに配慮して取組を進めていくことの必要性が指摘されている。
  • 本調査研究においてはこうした状況を踏まえエビデンスに基づく教育政策の企画立案等の考え方や、取組の普及に向けて、先進的な取組を進める地方公共団体における現状や成果、課題等について調査研究を行うものである。
  • エビデンスに基づく教育政策の企画立案等に当たっては、教育政策の特性に配慮することも重要である。
  • このことについて、「第3期教育振興基本計画について(答申)」(平成30年3月8日中央教育審議会)においては、教育政策を進めるに当たっての留意事項として以下の点を掲げている。
  • 教育政策は、幼児、児童、生徒及び学生の成長や可能性の伸長等を目指して行われるものであり、一人一人の様々な教育ニーズを踏まえて、教育活動が行われる。このため、成果は多様であり、その評価は多角的な分析に基づくべきものであること。
  • 他の政策分野と比較して、成果が判明するまで長い時間を要するものが多いこと。
  • 成果に対して家庭環境など他の要因が強く影響している場合が多く、政策と成果との因果関係の証明が難しいものが多いこと。
  • 研究者や大学、研究機関など、多様な主体と連携・協力しながら、数値化できるデータ・調査結果のみならず、数値化の難しい側面(幼児、児童、生徒及び学生等の課題、保護者・地域の意向、事例分析、過去の実績等)についても可能な限り情報を収集・分析し、あるべき教育政策を総合的に判断して取り組むことが求められること。

これらの点に留意して、エビデンスに基づく教育政策を進めていく必要がある。

なお、エビデンスに基づく政策の企画立案等の考え方は教育行政においてのみならず、EBPM(Evidence-Based Policy Making)として、政府全体としてもその推進が進められている。

出典:エビデンスに基づく教育政策の在り方に関する調査研究報告書P1(平成29年3月/株式会社三菱総合研究所)/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業WARP

調査結果:大阪府箕面市

掲載されている多くの調査結果の中から、大阪府箕面市の資料についてお伝えします。

出典:エビデンスに基づく教育政策の在り方に関する調査研究報告書P19~24(平成29年3月/株式会社三菱総合研究所)/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業WARP

大阪府箕面市の基本データ

人口

13万7,995人(平成30年2月1日現在)

市立小学校・中学校数

小学校14校、中学校8校(平成30年3月1日現在)

市立小学校・中学校児童生徒数

1万1,966人(平成30年3月1日現在)

エビデンスの重要性に着目した経緯「貧困リスクを抱える子供を発見するシステム(子ども成長見守りシステム)を構築」

  • 従来、箕面市では、小学校から中学校まで毎年、子供一人一人の各学年における学力等の進捗状況を追跡し、その成果や課題を、各学年の指導・授業内容に反映させる取組を進めたいと考えていた。
  • しかし、国の全国学力・学習状況調査は調査対象学年が小学校6年生、中学校3年生のみとなっており、同一集団を追跡して成果や課題等を経年で把握することができない。
  • そのため、毎年、学力、体力、生活の状況を把握し、9年間を通して子供の学力等の状況を把握することができるよう、「箕面子どもステップアップ調査」として、学力調査、体力調査、生活状況調査を毎年度、実施し、従来より検討してきた上記の課題意識に対応していくこととした。
  • また、国が「子どもの貧困対策推進法」(平成26年)を制定するなど、省庁を超えた貧困対策を提唱する中、市の従来の貧困対策においては、行政の各部局間の連携が少なく、貧困の諸問題に対して、各部局が相互に連携や情報共有がないままに対応していることや、世代間の貧困の連鎖を断ち切るための根本的な施策を打ち出せていないことが課題となっていた。
  • こうした課題を解決するため、市の貧困対策を各部局間で連携して取り扱い、総合的に貧困の諸課題の解決に向けた対策を講じることを目指すための組織再編を行った。
  • 具体的には、貧困対策の従来の担当であった福祉施策担当部局のみではなく、教育施策担当部局も、積極的に関わって取り組んでいくことを目指して、教育と子育てに係る部局を教育委員会内に一元化して、総合的な貧困対策を担当する部局(子ども成長見守り室)を創設した。
  • さらには、子供の生活状態の困窮を示すデータと、「箕面子どもステップアップ調査」の学力調査、生活状況調査のデータ等をクロス集計することで、貧困リスクを抱える子供を発見するシステム(子ども成長見守りシステム)を構築し、そのシステムを子ども成長見守り室で運用することとした。

箕面市における取組例/小中9年間の成長を追跡する調査体制の構築

  • 箕面市では、子どもの小学校・中学校9年間を通じた学力の状況等を測定するため、力、体力、生活状況等の複数種類の調査を組み合わせ、毎年5~6月、10月、12月(全国学力・学習状況調査は4月)に調査を実施している(箕面子どもステップアップ調査)。
  • この調査では、児童生徒一人一人にIDを割り振り、システム上で各調査の成績を個人に紐付けて管理しているため、各調査のデータを結合して個人を追跡することが可能である。
  • この調査結果は各学校にフィードバックし、各校で児童生徒の成果や課題等を分析するとともに、学校はそれを踏まえて、年間の教育指導計画を策定する。
  • 例えば、体力調査でソフトボール投げの結果が悪い小学校の場合は、児童一人一人にボールを持たせ、休み時間等でボールを使った遊びや活動に親しませる取組を実施している。
  • 市教育委員会では、5月と11月の年2回、指導主事が各学校を訪問し、各校における調査結果を踏まえた教育指導計画のヒアリングを行う。
  • 5月の段階では、調査結果に基づいた計画策定になっているかについて助言し、11月の段階では計画の進捗状況を確認する。
  • また、調査結果は、個々の教員の指導でも活用されている。
  • 例えば、生活状況調査の中にはいじめの状況調査がある、。
  • いじめについては、国の調査等では児童生徒に直接質問をする項目がないが、箕面市の調査では児童生徒に直接質問する問いが設けられている。
  • この問いに対して「いまだにいじめが続いている」と回答した児童生徒に対しては、担任の教員が特別に配慮するなどの取組を行うことが可能となっている。

貧困リスクを早期発見するためのシステムの構築

  • 貧困リスクを抱える子供について、そのリスクが顕在化する前の段階で、早期発見・早期対策をするため、箕面市では、前述のとおり、「子ども成長見守りシステム」を開発した。
  • このシステムは、児童生徒の社会経済的な状況や学力・非認知能力等の状況、学校と家庭との関係の状況についてデータを集め、それぞれの結果をクロス集計して分析することで、各児童生徒の成長や課題の状況を総合的に把握するものである。
  • このシステムでは貧困リスクの発見のため、生活保護受給世帯か否か、虐待相談等の要保護児童等か否かだけでなく、「箕面子どもステップアップ調査」の学力調査における成績や自制心等の非認知能力の数値について、点数が急落するなどの兆候がみられないか、生活状況調査において、家庭や学校との信頼関係を示す数値が悪化していないか等の複数の調査結果をクロス分析する。
  • 例えば、以前から学力調査で90点取ることができていた子供が70点に成績が落ちたとしても、70点という成績自体は特段悪いものではないため注目を集めない可能性もあるが、この成績急落の背景には家庭環境の変化や友人関係の変化等の別の要因がある可能性がある。
  • このような子供を「見守りが必要な子供」と位置づけ、本システムで早期発見し、必要に応じて早期対応をすることとしている。

「エビデンスに基づく教育政策の在り方に関する調査報告書」の箕面市の実践から、客観的な根拠を重視し、教育活動を行うことの難しさ、大変さについて考える

「エビデンスに基づく教育政策の在り方に関する調査報告書」の、大阪府箕面市の実践から、私が感じたことを以下にまとめました。

簡単に言うと、客観的な根拠を重視して教育活動を行うことは、現場にも子供にも負担が増えるし、難しいことだ、ということです。

  • 「箕面子どもステップアップ調査」により、小学校から中学校まで毎年度子供の学力調査、体力調査、生活状況調査を実施することで、子供、教師への負担が増える。
  • 調査結果を各学校にフィードバックし、各校で児童生徒の成果や課題等を分析し、それを踏まえて学校の年間の指導計画を策定することは、難しいこと。
  • 教育委員会により、学校に対して調査結果を踏まえた指導計画の進捗状況のチェックがある。進捗状況が明らかになるように成果や課題をまとめる必要が出るので、現場の負担になる。
  • 各教員も調査結果を指導に活用する必要がある。調査結果が細かく出る分、結果に応じて一人一人の児童生徒にきめ細かく対応する必要が生じ、教師の負担が増える。
  • 「子ども成長見守りシステム」で、児童生徒の社会経済的な状況と学力・非認知能力等の状況などをクロス集計して分析する。成績急落の背景にある、家庭環境の変化や友人関係の変化等の要因を、早期発見するシステムということだが、見付けるのが難しそうだし、早期対応といっても、各家庭の経済的な状況に学校が立ち入ることはできない。こちらは全て行政に任せたい。
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学校における働き方改革が進まない原因②~学校に置かれる委員会等の組織・担当者~/「学校に置かれる委員会等の組織・担当者について」平成30年5月18日学校における働き方改革特別部会(第13回)資料

学校に置かれる委員会や担当する分掌の多さが教師の業務の多忙化の一因となっている

教員の業務が多忙化している原因の一つが、学校に置かれる委員会や担当する分掌の多さです。

各学校の職員組織には、「学校保健委員会」や「生徒指導委員会」などの数々の委員会があります。

委員会に所属する職員により、指導方法、各種行事などについて話し合ったり、方針を決定したり、問題に対処したりします。

また、「学校安全担当」、「給食主任」などの多くの校務分掌もあります。

そちらも、それぞれの仕事に担当者が割り振られ、計画を立てたり、行事を実施したり、事務処理を行ったりします。

なぜ、このように多くの委員会が設置されたり、校務分掌それぞれに担当者が置かれたりするのでしょうか。

それは、国から出されている法令、通知、答申、報告書等のうちいずれかに、根拠となる内容が記載されているからです。

それぞれの担当者や委員会がどの文書を根拠としているか、以下に示していきます。

学校に置かれる委員会等の組織・担当者の多くは、教育基本法の改正以降、通知や答申、報告書等を根拠として設置された

実は、「学校に置かれる委員会等の組織」も「学校に置かれる担当者」も「法令において設置の必要性があるとされているもの」は、少ないのです。

そして、設置の必要性があるものは、ほとんどが、昭和22年から昭和28年までに法律で定められたことが分かります。

一方、「学校に置かれる担当者」と、「学校に置かれる委員会等の組織」のほとんどが、通知や答申、報告書等を根拠にして設置されていることが分かります。

それだけではなく、平成18年の「教育基本法の改正」以降に次々と設置の根拠となる文書が出されてきたことも分かります。

つまり、教育基本法の改正により、数多くの校内委員会や校務分掌が設置されるようになった、ということです。

「教育基本法の改正」については、私の別記事の「あなたが考えるいじめや暴力行為対策として有効だった施策は?いじめの認知率を上げること?!」内に詳しく書いてありますので、参考にして下さい。

国、文部科学省や教育委員会などから出される文書には、法令(法律、政令、省令)、通知、答申などの区分によって強制力に違いがある!

公務員は法令等に従う義務がある

地方公務員は、次のように、法令、条例、上司の職務上の命令に従う義務があります。(公務員の法令遵守義務、公務員の職務命令服従義務)

職員は、その職務を遂行するに当たって、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

地方公務員法32条(法令等及び上司の職務状の命令に従う義務)
法律とは?

法令の一種。国会の可決を経て成立・公布される法規

政令とは?

法令の一種。内閣の発する政治上の命令

省令とは?

法令の一種。各省大臣が、その担当する事務について出す命令

告示とは?

国や地方公共団体などの公の機関が必要な事項を広く一般に周知させる行為のうち、法令、条例または規則に基づいて公示するもの。

通知とは?

文部科学省が、教育委員会や学校に特定の事項を知らせる行為を「通知」という。「命令」ではなく、「指導・助言」といった性質のもの。

通達とは?

各大臣、各委員会及び各庁の長官が、その所掌事務に関して所管の諸機関や職員に命令または示達する形式の一種。法令の解釈、運用や行政執行の方針に関するものが多い。

※2000年(平成12年)の地方分権化一括法により、国の機関委任事務に関する地方への指揮監督権がなくなり、国から地方公共団体への示達文書は「通知」となった。

答申とは?

上官の問いに答えを申し述べること

条例とは?

地方公共団体の自治権に基づき、法令の範囲内で議会の議決によって制定する法のこと。

地方公共団体の規則とは?

市長、議会、教育委員会など、地方公共団体の長(法令が認める行政委員会)が法令の範囲内で制定する法形式の名称、地方公共団体の執行機関などが独自に制定する「自治立法」。規則の多くは、条例の委任または実施のための細目に関する事項について定めている。

条例と同じく、「公布」することにより、その効力が発生する。

地方公共団体の規程とは?

法的根拠を有するものと有しないものがある。市長が定める規程は、法規的なものではないが、法形式として組織上の細目や事務処理上必要な事項を定めるものが多い。法規的なものでないとはいえ、職員はその規程に拘束される。

訓令とは?

地方公共団体の長が、地方自治法第154条の規定に基づき、その補助機関である職員に対して、内部的な事務運営等について指揮監督するために発する命令

学校に置かれる担当者と根拠となる文書(一覧)【概要】

出典:学校における働き方改革特別部会資料3-6「学校に置かれる担当者(一覧)【概要】」(第13回/平成30年5月18日/文部科学省):国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

※学校において設置する担当者で、法令、通知、答申、報告書等(国(主に文部科学省)から出されているもの)に根拠があるものが対象

※根拠の区分は、◆:法令、○:通知、□:答申、報告書等

法令において設置の必要性があるとされているもの

学習指導関係
  • 教務主任…◆学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)
  • 学年主任…◆学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)
  • 司書教諭…◆学校図書館法(昭和二十八年法律第百八十五号)
  • 保健主事…◆学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)
  • 道徳教育推進教師…◆小学校・中学校学習指導要領(文部科学省)(平成29年3月)
生徒指導関係
  • 学年主任【再掲】…◆学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)
  • 生徒指導主事…◆学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)
  • 進路指導主事…◆学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)
学校運営関係
  • 司書教諭【再掲】…◆学校図書館法(昭和二十八年法律百八十五号)
  • 保健主事【再掲】…◆学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)
  • 教職員の労働安全衛生管理担当者(衛生管理者・衛生推進者)…◆労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号等)
  • 防火管理者…◆消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)等
  • 研修担当(指導教員のみ法令で必置)…◆教育公務員特例法(昭和二十四年法律第一号)

通知を根拠として設置されるもの

学習指導関係
  • 特別支援教育コーディネーター…○「特別支援教育の推進について(通知)」)(文部科学省初等中等教育局長通知)(平成19年4月1日付)
  • 部活動担当…○「中学校・高等学校における運動部の指導について」(文部省初等中等教育局長通達)(昭和32年5月16日付)
中学校・高等学校における運動部の指導について(文部省昭和32年5月16日初等中等教育局長通達)

1 運動部の活動は、学校教育活動の重要な場であるから、校長は、生徒の自主的活動が健全に行われるよう、運動部長や種目別の各部の担当教員などを監督として、その指導の万全を図ること。

生徒指導関係
  • 教育相談コーディネーター…○「児童生徒の教育相談の充実について(通知)」(文部科学省初等中等教育局長通知)(平成29年2月3日付)
  • 特別支援コーディネーター【再掲】…○「特別支援教育の推進について(通知)」(文部科学省初等中等教育局長通知)(平成19年4月1日付)
学校運営関係
  • 学校給食主任…○学校給食の実施について(文部省管理局通達)(昭和31年6月5日付)
  • 地域連携担当…○「義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律等の施行について(通知)」(文部科学省事務次官通知)(平成29年3月31日付)

答申、報告書等を根拠として設置されるもの

学習指導関係
  • 外国語担当(中核教員)…□「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(中央教育審議会)(平成28年12月21日)
  • 人権教育担当…□人権教育の指導方法等の在り方について[第3次とりまとめ](人権教育の指導方法等に関する調査研究会議)(平成20年3月)
生徒指導関係
  • 不登校担当…□「不登校児童生徒への支援に関する最終報告~一人一人の多様な課題に対応した切れ目のない組織的な支援の推進~」(不登校に関する調査研究協力者会議)(平成28年7月)
  • 人権教育担当【再掲】…□人権教育の指導方法等の在り方について[第3次とりまとめ](人権教育の指導方法等に関する調査研究会議)(平成20年3月)
学校運営関係
  • 学校安全担当…□第2次学校安全の推進に関する計画(平成29年3月24日閣議決定)
  • 教育実習担当…□「今後の教員養成・免許制度の在り方について(答申)」(中央教育審議会)(平成18年7月11日)
  • 学校教育情報セキュリティ・システム担当…□「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」(文部科学省)(平成29年10月18日)
  • 人権教育担当【再掲】…□人権教育の指導方法等の在り方について[第3次とりまとめ](人権教育の指導方法等に関する調査研究会議)(平成20年3月)

学校に置かれる委員会等の組織と根拠となる文書(一覧)【概要】

出典:学校における働き方改革特別部会資料3-5「学校におかれる委員会等の組織(一覧)【概要】」(第13回/平成30年5月18日/文部科学省):国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

※学校において設置する組織で、法令、通知、答申、報告書等(国(主に文部科学省)から出されているもの)に根拠があるものが対象

※根拠の区分は、◆:法令、○:通知、□:答申、報告書等

法令において設置の必要性があるとされるもの

生徒指導関係
  • いじめ防止対策委員会…◆いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)
学校運営関係
  • 衛生委員会…◆労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)

法令を根拠として設置されるもの

学校運営関係
  • 特別支援学校のセンター的機能のための組織(「地域支援部」等)…◆特別支援学校小学部・中学部学習指導要領総則(文部科学省)(平成21年3月告示)等

通知を根拠として設置されるもの

学習指導関係
  • 図書館運営委員会…○「学校図書館の整備充実について(通知)」(文部科学省初等中等教育局長通知)(平成28年11月29日付)
  • 学校保健委員会…○「学校保健法及び同法施行令等の施行にともなう実施基準について」(文部省体育局長通知)(昭和33年6月16日付)
  • 体験活動委員会…○「学校教育及び社会教育における体験活動の促進について(通知)」(文部科学省生涯学習政策局長・初等中等教育局長通知)(平成13年9月14日付)
  • 特別支援教育に関する校内委員会…○「特別支援教育の推進について(通知)」(文部科学省初等中等教育局長通知)(平成19年4月1日付)
生徒指導関係
  • 教育相談委員会…○「児童生徒の教育相談の充実について(通知)」(文部科学省初等中等教育局長通知)(平成29年2月3日付)
  • 特別支援教育に関する校内委員会【再掲】…○「特別支援教育の推進について(通知)」(文部科学省初等中等教育局長通知)(平成19年4月1日付)
学校運営関係
  • 図書館運営委員会【再掲】…○「学校図書館の整備充実について(通知)」(文部科学省初等中等教育局長通知)(平成28年11月29日付)
  • 学校保健委員会【再掲】…○「学校保健法及び同法施行令等の施行に伴う実施基準について」(文部省体育局長通達)(昭和33年6月16日付)

答申、報告書等を根拠として設置されるもの

学習指導関係
  • 食育推進委員会…□食に関する指導の手引(文部科学省)(平成22年3月)
  • キャリア教育推進委員会…□小学校キャリア教育の手引き(文部科学省)(平成22年1月)□中学校キャリア教育の手引き(文部科学省)(平成23年3月)
  • 人権教育推進委員会…□人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ](人権教育の指導方法等に関する調査研究会議)(平成20年3月)
  • 学校安全委員会(防災委員会含む)…□学校安全緊急アピールー子供の安全を守るためー(文部科学省)(平成16年1月20日)等
生徒指導関係
  • 生徒指導委員会…□生徒指導提要(文部科学省)(平成22年3月)
  • 進路指導委員会…□中学校学習指導要領解説 総則編(文部科学省)(平成20年7月)
  • 校内危機管理チーム…□子どもの自殺が起きたときの緊急対応の手引き(文部科学省)(平成22年3月)
  • 不登校対策委員会…□生徒指導提要(文部科学省)(平成22年3月)
  • 人権教育推進委員会【再掲】…□人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ](人権教育の指導方法等に関する調査研究会議)(平成20年3月)
学校運営関係
  • 企画委員会…□「今後の地方教育行政の在り方について(答申)」(中央教育審議会)(平成10年9月21日)
  • 学校評価委員会…□学校評価ガイドライン(文部科学省)(平成28年3月)
  • 研修委員会…□「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について~学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて~(答申)」(中央教育審議会)(平成27年12月21日)
  • 地域学校安全委員会…□「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育(文部科学省)(平成22年3月31日改訂)
  • 食物アレルギー対応委員会…□学校給食における食物アレルギー対応指針(文部科学省)(平成27年3月)
  • 健康課題に関する校内委員会…□現代的健康課題を抱える子どもたちへの支援(文部科学省)(平成29年3月)
  • 学校安全委員会(防災委員会を含む)【再掲】…□学校安全緊急アピールー子どもの安全を守るためにー(文部科学省)(平成16年1月20日)等
  • 人権教育推進委員会【再掲】…□人権教育の指導方法等の在り方について[第3次とりまとめ](人権教育の指導方法等に関する調査研究会議)(平成20年3月)

学校組織図(小学校の事例、中学校の事例)

以下に、小学校と中学校の「学校組織図」の事例を載せます。

いかに多くの委員会や校務分掌があり、一人の教員がどれぐらい多くの仕事を担当しているかが分かりますので、参考にしてください。

見づらい場合は、リンク先から文部科学省の元の資料をご覧下さい。

学校における働き方改革が進まない理由 学校の組織図例
「学校における働き方改革特別部会資料(第13回/平成30年5月18日/文部科学省)」より一部抜粋/掲載元/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業WARP
学校における働き方改革が進まない理由 学校組織図A中学校の事例
「学校における働き方改革特別部会資料(第13回/平成30年5月18日/文部科学省)」より一部抜粋/掲載元/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業WARP

学校に置かれる委員会等の組織・担当者について考えられる対応策(「学校に置かれる委員会等の組織・担当者について」/平成29年11月6日/学校における働き方改革特別部会(第7回)配付資料)

出典:学校における働き方改革特別部会(第7回)資料1-1「学校に置かれる委員会等の組織・担当者について」(平成29年11月6日:文部科学省):国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

学校における働き方改革の観点から、学校に置かれる組織・担当者の多さによる業務の多忙化を解消する方策が、「学校における働き方改革特別部会」で話し合われました。

平成29年11月6日の「学校における働き方改革特別部会(第7回)」では、「学校に置かれる委員会等の組織・担当者について」という議題で話し合いがされ、以下のような意見が出されました。

  • 類似の内容を扱う委員会等については、委員会等の合同設置や構成員の統一など、業務の適正化に向けた運用を進めるべきではないか。
  • 業務を個人単位で割り振るのではなく、包括的なグループに分けることを進めるべきではないか。また、このときの責任者となる主幹教諭等の配置を促進すべきではないか。
  • 管理運営に関する校務分掌の担い手として、事務職員の活用等、体制の整備を促進すべきではないか。
  • 校務分掌について、学校規模や地域との連携状況等に留意しながら、教育委員会が参考とできるような優良事例を収集し、周知すべきではないか。その上で、現場の運用では改善が難しい部分については、さらに検討を進めることが必要ではないか。
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学校における働き方改革が進まない原因③~学校への調査文書等~/「学校への調査文書等に対する事務負担軽減」(新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)【案】参考資料より)(学校における働き方改革特別部会/第9回/平成29年12月12日)

教育委員会から学校に対して行っている調査・報告依頼について

出典:「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)【案】」参考資料集2・P12 /「教育委員会から学校に対して行っている調査・報告依頼について」(学校における働き方改革特別部会/第9回/平成29年12月12日)/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

  • 教育委員会(全課)から学校に対して行っている調査・報告依頼について、平成29年3月の1ヶ月間の概ねの案件数は、「10件以上30件未満」と回答した都道府県は38.3%、政令市は35%、市区町村は53.7%となっている。
  • 調査・報告以来のおよその依頼元としては、「知事部局・教育委員会内の各課・機関等独自によるもの」が都道府県は63.8%、市区町村は59.7%、「市区町村の首長部局・教育委員会内の各課・機関等独自によるもの」が政令市は75%となっている。

学校への調査文書等に関する事務負担軽減の実施について

出典:「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)【案】」参考資料集2・P13 /「学校への調査文書等に関する事務負担軽減の実施について」(学校における働き方改革特別部会/第9回/平成29年12月12日)/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

  • 学校への調査文書等に関する事務負担軽減を実施した都道府県、政令市は100%、市区町村は76.1%となっている。
  • 取組内容としては、「調査の廃止や類似調査の統合により、調査本数を縮減」や「調査項目を精査」、「学校が回答をしやすいよう調査票を工夫」、「余裕を持った調査期間を設定」、「ICTの活用による校務処理を推進」などが挙げられる。

教育委員会から学校宛ての調査・照会(例)

出典:「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)【案】」参考資料集2・P14 /「教育委員会から学校宛ての調査・照会(例)」(学校における働き方改革特別部会/第9回/平成29年12月12日)/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

(※)以下の件数には、指導通知や児童生徒への配布物などは含まない。

【A市】(※)平成26年度、小学校…合計/296件

依頼元:市教育委員会…208件(※1)
主な案件(10件以上のもの)
  • 教育課程関係:65
  • 人事・福利厚生関係:52
  • 生徒指導関係:21
  • 保健安全関係:16
依頼元:県教育委員会…88件(※1)
主な案件(10件以上のもの)
  • 人事・福利厚生関係:34
  • 教育課程関係:13

(※1)当該市教育委員会で把握したものに限る。上記の他、首長局・知事部局からの調査・照会は12件。

(※2)当該年度における文部科学省からの定期的な調査は15件。

【B市(政令市)】(※)平成28年度、小学校・中学校…合計/小307件、中289件

依頼元:市教育委員会…小270件、中253件(※1)
主な案件(10件以上のもの)
  • 人事・福利厚生関係:小97・中90
  • 保健安全関係:小40・中19
  • 教育課程関係:小36・中36
  • 生徒指導関係:小16・中16
  • 施設関係:小11・中13
依頼元:県教育委員会…小37件、中36件(※1)
主な案件(10件以上のもの)
  • 保健安全関係:小11・中7
  • 人事・福利厚生関係:小10・中9

(※1)当該市教育委員会で把握したものに限る。上記の他、首長局・知事部局からの調査・照会は小65・中63件(うち人事・福利厚生関係:小47件・中47件)。

(※2)当該年度における文部科学省からの定期的な調査は15件。

主な課題

  • 教育委員会内で把握している情報があるにも関わらず、同じような調査・照会がくる。
  • 必要性が薄れているにもかかわらず、前年踏襲で行われている。
  • 学期初めや学期末などの繁忙期なのにもかかわらず調査・照会がくる。報告・回答まで期限が短いものが突然くる
  • ウエブ上で回答できるものが少ない

主な取組

  • 調査の重複を減らすため、教育委員会内で関係情報をデータベース化し共有する。
  • 調査の項目・頻度・対象校等を精査する。
  • あらかじめ調査の時期や内容等を学校に提示する。学校の余裕のある時期に調査を行う。
  • 学校が回答しやすいよう、調査票の工夫やICT化を図る。

国(文部科学省)から学校宛ての定期的な調査

出典:「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)【案】」参考資料集2・P15 /「教育委員会から学校宛ての調査・照会(例)」(学校における働き方改革特別部会/第9回/平成29年12月12日)/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

文部科学省が学校を対象として行う定期的な調査の件数

  • 定期的な調査の件数:平成19年度 34件→平成29年度 26件
  • 上記のうち、毎年度実施の悉皆調査の件数:平成19年度 23件→平成29年度 11件

文部科学省が学校を対象として行う定期的な調査(一覧)

※下線は、平成29年度実施の調査

※当面の間実施しないものは除く

悉皆・毎年
  • 地方教育費調査
  • 学校基本調査
  • 学校における教育の情報化の実態等に関する調査
  • 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査
  • 高等学校卒業(予定)者の就職(内定)状況に関する調査
  • 特別支援教育に関する調査
  • 英語教育実施状況調査
  • 体罰の実施把握に係る報告
  • 全国学力・学習状況調査
  • 全国体力・運動能力、運動習慣調査
悉皆・隔年
  • 学校教員統計調査(3年)
  • 余裕教室実態調査(5年)
  • 公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況(2年)
  • 公立高等学校における教育課程の編成・実施状況(2年)
  • 道徳教育実施状況調査(5年)
  • 学校図書館の現状に関する調査(5年)
  • 幼児教育実態調査(2年)
  • 高等学校等における国際交流等の状況調査(2年)
  • 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(2年)
  • 学校評価等実施状況調査(5年)
  • 学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査(2年)
抽出・毎年
  • 学校保健統計調査
  • 学校給食栄養報告
抽出・隔年
  • 子供の学習費調査(2年)

学校に置かれる委員会等の組織・担当者があまり減らない理由「学校教育の内容を大幅に変えない以上は、今後も、委員会や担当者を大幅に減らすことはできない」

平成27年7月27日に「学校現場における業務改善のためのガイドライン~子供と向き合う時間の確保を目指して~」が発表されました。(「学校における働き方改革は可能か㉔」参照)

その中で、「校務分掌の編成に当たっては、学校全体の実態を把握した上で、個々の教職員の状況や今後の育成方針を踏まえながら、業務改善の視点を持った見直しを図り、本来教職員に求められる教育上の役割が果たされるような組織体制を構築することが求められる。」と改善の方向性が明記されました。

そして、平成29年12月22日に「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)」が発表されました。

この中で、今回の記事でも触れたように、学校の組織運営体制のあり方(○○委員会、○○主任等)について、業務の適正化に向けた運用を進めるべき、と提言されました。(「学校における働き方改革は可能か㉜」参照)

しかし、このように文部科学省が何年にもわたって提示してきたのにもかかわらず、皆さんのお勤めの学校でも、学校に置かれる委員会等の組織・担当者があまり減っていないと思います。

この原因として、今回の記事に書いた内容を総合して考えた結果、以下のような結論を出すに至りました。

それは、文部科学省が提案した「業務の適正化に向けた運用方法」を行うことで、委員会の数や担当者の割り振りに多少の変化はあったにせよ、学校教育の内容を大幅に変えない以上は、今後も、委員会や担当者を大幅に減らすことはできない、ということです。

その理由を以下に書きます。

  • 学校に置かれる委員会等の組織や担当者には、法令によって決められているものがある。
  • 学校に置かれる委員会等の組織や担当者には、教育委員会の「規則」となっているものがあり、法的根拠がある。
  • 法令によって決められていない委員会等の組織や担当者であっても、文部科学省や教育委員会から学校宛てに調査・照会があるものに関わる委員会や担当者はなくせない。
  • 学校内の行事や慣習的に行ってきた活動、指導要領の学習領域の数が減らないと、それに関わる委員会や担当者も減らせない。
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学校における働き方改革が進まない原因④~部活動~/「業務の適正化・役割分担に関する具体的な論点(部活動)」(学校における働き方改革特別部会(第8回)(平成29年11月28日/文部科学省)

出典:「業務の適正化・役割分担に関する具体的な論点(部活動)」/学校における働き方改革特別部会(第8回)(平成29年11月28日/文部科学省):国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

業務の適正化・役割分担等に関する具体的な論点(部活動の適正化について)

背景

法的根拠…部活動の実施を義務付けるものは特段無し

中学校学習指導要領(総則)において以下のように規定。

  • 教育課程外の学校教育活動と教育課程の関連が図られるように留意するものとする。
  • 特に、生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等、学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。
  • その際、学校や地域の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行い、持続可能な運営体制が整えられるようにするものとする。
関係通知等
中学校及び高等学校における運動部活動について(通知)(平成10年1月)
  • 運動部活動の意義が十分発揮されるよう、生徒の個性の尊重と柔軟な運営に留意すること。
  • また、運動部活動への参加が強制にわたることのないようにすること。
  • スポーツ障害の予防や生徒のバランスのとれた生活を確保する観点から、学校週5日制の趣旨も踏まえて休養日を適切に設定するとともに、練習時間を適切なものとするよう留意すること。
  • また、学校が必要に応じてスポーツ医・科学等に関する情報を活用することができるよう、情報提供等に努めること。
  • 生徒の多様なスポーツニーズにこたえ、保護者や地域に開かれた運動部活動とする観点から、学校が必要に応じて外部指導者に協力を求めることができるよう所要の条件整備に努めることや、地域の実態に応じて保護者や地域住民との意見交換を行ったり、地域のスポーツクラブ等との交流を図ること等に留意すること。
諸外国の状況
  • 【米】コーチ、コミュニティセンター職員が担当する。学校が管理する部活動については、コーチが担当する場合が多い(特にミドルスクール以上)。ただし、種目によっては教員が担当することもある。
  • 【英】サポートスタッフ及び外部講師が担当する。Extended Servicesやクラブ活動として学校の場で提供される場合でも、学校の教職員ではなく、そのサービス提供が請け負った組織が提供する活動という位置付けである。
  • 【韓】教員(主に中学、高校)と外部講師が担当するが教員は希望者のみ。
  • 【独】教員、教育士、ソーシャルワーカー、フェアアイン等が担当する。教員が担当する場合は、他の職務が軽減されることが多い。
最近の動向

現在、スポーツ庁において、運動部活動の運営の適正化に向けて、練習時間や休養日の設定、指導の充実、部活動指導員等の活用などについて考慮が望まれる基本的な事項、留意点をまとめた「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」※を作成するための検討会議を設置し、検討中

「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」は、平成30年3月29日に策定されました。詳細については、「学校における働き方改革は可能か㉝」をご覧下さい。

公立高等学校入学者選抜における調査書の記載内容

出典:「高等学校入学者選抜における部活動の評価」(平成29年11月28日/学校における働き方改革特別部会(第8回)配付資料2ー別紙2):国立国会図書感インターネット資料収集保存事業

学校内外のスポーツ活動、文化活動、社会活動、ボランティア活動等に関する記録(平成29年度文部科学省調査)

記載すべきことになっている学校内外の各活動(部活動を含む)
  • 東京都、神奈川県では、スポーツ活動、文化活動、社会活動、ボランティア活動すべて、「公立高等学校入学者選抜における調査書に記載すべきこと」になっていない。
  • 熊本県では、スポーツ活動、文化活動、社会活動は、記載すべきことになっていない。
  • 広島県と高知県では、社会活動については、記載すべきことになっていない。
  • 他の道府県では、スポーツ活動、文化活動、社会活動、ボランティア活動すべて記載すべきことになっている。
調査票に部活動に係る記載がある場合の評価
  • 群馬県は、調査票の部活動の評価について、顕著な成績等がある場合、各高等学校で基準を決めて加点している。
  • 埼玉県は、顕著な成績等がある場合は加点する。調査書に特別活動等の記録を記載する欄があり、その記載をどのように評価するかは、各学校が定める選抜基準で定めている。
  • 埼玉県は、特別活動等の記録の得点の上限は選抜基準で示しているが、得点の詳細については公開していない。
  • 群馬県と埼玉県以外の都道府県で、調査票に部活動の記載がある場合の評価は、「記載があれば一律に加点する」という方法でも、「顕著な成績等がある場合は加点」するという方法でもない、別の方法で行っている。

業務の適正化・役割分担等に関する具体的な論点(部活動の適正化について)まとめ「今から20年以上前から言われていること!」

  • 今から20年以上前(平成10年)の時点で、「生徒の個性の尊重と柔軟な運営に留意すること」、「運動部活動への参加が強制にわたることのないようにすること」、「休養日を適切に設定するとともに、練習時間を適切なものとするよう留意すること」、「学校が必要に応じて外部指導者に協力を求める」、「地域のスポーツクラブ等との交流を図る」と文部科学省から通知されている。現在も十分に実現できていない自治体が多い。
  • 諸外国では、部活動には教員はほとんど携わらない。
  • 平成29年度時点で、ほとんどの都道府県で公立高校の入試の調査書に部活動について記載する欄がある。
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学校における働き方改革が進まない原因⑤~行政事業レビューシートから見える文部科学省のやる気のなさ~

教育政策の効果分析強化プラン(教育政策に関する基本的な政策の推進等/平成29年度の事業に係るレビューシート/平成30年度行政事業レビューより)

出典:「0011教育政策の効果分析強化プラン」/「施策名1-1教育改革に関する基本的な政策の推進等」(平成30年度行政事業レビュー/平成29年度の事業に係る行政事業レビューシート/文部科学省):国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

事業の目的

教育施策の効果を専門的・多角的に分析・検証するために必要なデータ・情報の体系的な整備や、実証的な研究の充実も含めた総合的な体制を構築し、より効果的・効率的な教育施策の立案につなげるとともに、教育政策の効果(社会経済的な効果も含む。)を社会に示していく。

事業概要

文部科学省に多様な分野の有識者からなる「教育政策研究タスクフォース」を設置し、教育政策の効果を社会に対して示す取組を推進するため、客観的根拠の活用に在り方等について有識者による検討を行う。

予算額・執行額

  • 平成29年度 当初予算額…200万円、執行額…180万円、執行率…90%
  • 平成30年度 当初予算額…0円
  • 主な増減理由…平成29年度で事業を終了

成果目標及び成果実績(アウトカム)

定量的な成果目標

得られた知見が広く教育施策の企画・立案、教育に関する研究の推進等に活用される

成果指標

教育政策研究タスクフォースのホームページへのアクセス件数※事業開始後、タスクフォースではなく有識者ヒアリングを実施することとしたため、当該ヒアリングの成果が含まれる下記ホームページアクセス件数を成果指標とした。

目標値
  • 平成30年度…5,254件

成果目標及び成果実績(アウトカム)

定量的な成果目標

客観的根拠の活用の在り方等に関する議論の経過・提言について広く認知される。

成果指標

第3期教育振興基本計画について(答申)のホームページへのアクセス件数

成果実績
  • 平成29年度…13,316件

政策評価・新経済財政再生計画との関係

政策評価
本事業の成果と上位施策・測定指標との関係

教育改革を推進する政策の立案には、合理的な意思決定を行うための基盤となる「証拠(エビデンス)」の整備を着実に図り、得られたエビデンスを詳細に分析することが必要不可欠である。

本事業の成果によってエビデンスの整備や分析を行うことにより、教育改革に関する企画立案等の推進に資するものである。

事業の有効性

成果実績は成果目標に見合ったものとなっているか。

なっている。平成29年度のアクセス件数は13,316件となっている。

事業実施に当たって他の手段・方法等が考えられる場合、それと比較してより効果的あるいは低コストで実施できているか。

できている。各所へ訪問し視察・意見交換をすること等も考えられるが、各分野の専門的知見を有する有識者に参集いただきヒアリングを必要回数実施したため、効果的かつ低コストだと考えられる。

活動実績は見込みに見合ったものであるか。

見込みに見合ったものになっている。

整備された施設や成果物は十分に活用されているか。

活用されている。客観的な根拠を重視した教育政策の推進等について記載された「第3期教育振興基本計画について(答申)」をホームページに公表している。

点検・改善結果

点検結果

本事業により、教育政策の効果を専門的・多角的に分析、検証するために必要な視点や留意点、実証的な研究の充実も含めた総合的な体制の在り方等について検討がなされた。

改善の方向性

中央教育審議会「第3期教育振興基本計画について(答申)」(平成30年3月8日)及び第3期の「教育振興基本計画」(平成30年6月15日閣議決定)において、客観的な根拠(エビデンス)を重視した教育政策の推進、及び推進に当たっての重要事項等について示されたため、本事業を終了する。

外部有識者の所見

  • 事業の目的は明確であり事業内容も施策目標の達成手段として適切なものとなっている。
  • 成果指標についても成果を測ることができる適切な指標が設定されているが、成果目標値が水準の妥当性について判断できないため検証が必要であり、成果や課題の検証についても一層の工夫が必要である。
  • 第3期教育振興基本計画について(答申)のホームページのアクセス件数は実績値(13,316件)が記載されているが、目標水準が記載されていない。
  • また、教育政策研究タスクフォースのホームページのアクセス件数については、単年度の目標水準と実績値の記載がない。
  • 2つのアウトカム指標のいずれかの達成状況も明らかにされておらず、達成状況の分析、達成状況を踏まえた課題・改善点の分析の記載もないため、改善が必要。

教育政策の効果分析強化プランのレビューシートを見て思うこと

  • 平成30年度「教育政策タスクフォースのホームページへのアクセス件数」の成果目標値の数字の妥当性が判断できない、成果実績と達成度の記入がない、平成29年度「第3期教育振興基本計画について(答申)のホームページへのアクセス件数」の成果実績値はあるが目標値が記載されていないなど、不備が目立つ。
  • 2つのアウトカム指標のいずれかの達成状況も明らかにされておらず、達成状況の分析、達成状況を踏まえた課題、改善点の分析の記載もない、という状態ではこの事業の妥当性を評価しようがない。

教育改革の総合的な推進に係る調査研究(教育分野に関する客観的根拠に基づく政策立案の推進/平成30年度の事業に係る行政事業レビューシート/令和元年度行政事業レビューより)

出典:「0007教育改革の総合的推進に関する調査研究」(令和元年度(平成31年度)行政事業レビュー/平成30年度の事業に係る行政事業レビューシート/施策名1-1「教育分野に関する客観的根拠に基づく政策立案の推進」)・国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

事業の目的

教育改革に関する様々な施策を推進するために、教育制度の現状等を調査・把握し、基礎資料を得るとともに、教育を取り巻く課題の実態等の把握等を行い、情報を広く提供し、その成果を踏まえて更なる教育改革施策の企画立案・実施を行う。

事業概要

教育改革に関する制度の現状や教育を取り巻く課題の実態等を把握するため、教育振興基本計画や、教育再生実行会議をはじめとする政府等の会議において指摘されている事項などを踏まえたテーマを設定し、研究機関や民間企業等に調査研究を委託するものである。

また、調査研究の成果は、文部科学省における教育政策の企画立案において活用するとともに、関係機関における教育改革の推進に当たって活用できるよう情報提供を図ることとする。

予算額・執行額

当初予算、執行額(執行率)
  • 平成28年度…1,720万円、1,330万円(77%)
  • 平成29年度…1,630万円、1,500万円(92%)
  • 平成30年度…2,760万円、1,990万円(72%)
  • 平成31年度…0円
  • 主な増減理由…平成30年度限りの事業

事業の有効性

成果実績は成果目標に見合ったものとなっているか。

なっていない。30年度のアクセス件数については、目標の4,000件に対し、1,825件となっている。また、今年度事業の成果については、今後の中央教育審議会での審議の際の参考資料として活用される見込みとなっている。

事業実績に当たって他の手段・方法等が考えられる場合、それと比較してより効果的あるいは低コストで実施できているか。

できている。重要性の高い必要なテーマ設定の下で事業を実施しており、効率的かつ実効性の高い運用を図っている。

活動実績は見込みに見合ったものであるか。

見合ったものである。当初の予定どおり2件の調査研究報告書を作成、公表した。

整備された施設や成果物は十分に活用されているか。

されている。当調査研究で得られた成果については、今後の中央教育審議会での審議の際の参考資料として活用される見込みとなっている。また、教育関係機関をはじめ広く一般にも利用できるよう、ホームページに掲載し活用の促進を図っている。

点検・改善結果

点検結果

各年度、重要性の高い必要なテーマを設定するとともに、適正な委託費執行管理や定期的な調査進捗確認を通じて、教育改革の総合的推進に必要なエビデンス収集を行うことができている。

なお本事業の実施にあたっては、一般競争入札(総合評価落札方式)を採用し競争性を担保しているものの、平成30年度調査研究ではいずれのテーマにおいても一者応札となっており、事業実施機関を十分確保できるよう早期の入札公告など計画的な事業実施に努める必要がある。

一者応札とは公共契約の締結の課程で競争入札(募集)を行った際に、応札者(応募者)が1者しかいないケースを指す。応募者は複数いたが札入れの時点で辞退が相次ぎ、結果一社になる場合もあれば、応募の時点ですでに一者の場合もある。

改善の方向性

本事業は平成30年度で終了するが、令和元年度以降は「EBPMをはじめとした統計改革を推進するための調査研究」において教育分野におけるEBPMに資する調査研究を実施し、必要なエビデンス収集を進めることとしている。

当該事業において委託により調査研究を実施する際は、上記の課題も踏まえて当初からの計画的な事業実施に努めるとともに事業の目的を踏まえ、より適切な成果目標を設定できるよう努める。

外部有識者の所見

  • 成果指標は適切な指標となっており、成果目標値についても適正であると認められるが、事業の成果については、一定の成果はあげているものの十分とは認められない。
  • 事業の成果や課題については、検証が行われているものの、活用方策を明らかにすべきである。
  • 不用については合理的な理由があることから、事業の執行管理については適切に行われていると判断できる。
  • 支出先の選定については、競争性の確保に向け検証等が行われているものの、今後の対策について一層の工夫が必要である。

教育改革の総合的推進に関する調査研究のレビューシートを見て思うこと

  • 成果指標の「調査報告書掲載のホームページへの毎年度のアクセス件数」の目標値が4,000件に対して、平成30年度の成果実績はわずか1,825件と、達成度が低い。
  • 教育政策の効果を広く世間に示そうとする気持ちがないように感じる。
  • 平成30年度調査研究の事業の実施の際の事業者の選定が1者応札となっており、競争性の確保が保たれているのか疑問が生じる。

運動部活動改革プラン(平成30年度から開始された事業に係る行政事業レビューシート/平成30年度行政事業レビューより)

出典:「0014運動部活動改革プラン」(平成30年度行政事業レビュー/平成30年度から開始された事業に係る行政レビューシート/施策名11-1/スポーツを「する」「みる」「ささえる」スポーツ参画人口の拡大と、そのための人材育成・場の充実):国立国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

事業の目的

平成29年度に策定した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」※を踏まえた運動部活動に関する実践・調査研究を行い、各学校において持続可能な運動部活動が行われるよう、研究結果を周知・普及させる。「学校における働き方改革は可能か㉝」参照

事業概要

運動部活動の在り方に関するアドバイザリーボード会議の開催等

外部有識者による会議を設置し、実践・調査状況の把握及び実施結果の周知・普及を行う。

「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を踏まえた運動部活動に関する実践・調査・実証研究

運動部活動のニーズの多様化等に対応するため、以下の実践・調査研究を実施する。

  1. ニーズの多様化に関する調査・実践研究
  2. 地域との協働・融合に関する調査・実践研究
  3. 学校医・産婦人科医等との連携に関する調査・実践研究
  4. 競技大会への参加・運営の在り方に関する調査・実践研究
  5. 企業等との連携に関する調査・実践研究

予算額・執行額

  • 平成30年度当初予算…8,000万円
  • 平成31年度要求…1億600万円
  • 主な増減理由…事業内容の見直しによる事業実施箇所数の増等のため

成果目標及び成果実績(アウトカム)

定量的な成果目標

本事業の研究結果を、教育委員会に周知・普及する。

成果指標

本事業の研究結果を踏まえた運動部活動の適切な在り方を検討する教育委員会の数

目標値
  • 目標最終年度/平成33年度…1,765件

成果目標及び成果実績(アウトカム)

定量的な成果目標

担当する教科が保健体育以外、かつ、競技経験がない運動部活動の顧問を担当する中学校等教諭の割合を減少させる。

成果指標

担当する教科が保健体育以外、かつ、競技経験がない運動部活動の顧問を担当する中学校教諭等の割合

目標値
  • 目標最終年度/平成33年度…0件

活動指標及び活動実績(アウトプット)

活動指標

「運動部活動の在り方に関するアドバイザリー会議の開催等」において開催した会議開催数

当初見込み
  • 平成30年度活動見込み…6件

活動指標及び活動実績

活動指標

「持続可能な運動部活動の体制整備に関する実践・調査研究」で実施した実践・調査研究数

当初見込み
  • 平成30年度活動見込…15件

行政事業レビューシートがどうであれ、「運動部活動改革プラン」は、効果を発揮できていない!「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を守っていない部活動の顧問から、現状を変えることのできない不満の声!

まず、平成30年度行政事業レビューの「平成30年度から開始された事業に係る行政事業レビューシート」として、「運動部活動改革プラン」の行政事業レビューシートを一部示しました。

ここで、「平成33年度(令和3年度)には、担当する教科が保健体育以外、かつ競技経験がない運動部活動の顧問を担当する中学校教諭の割合」を「0%」にする、という成果指標の目標値を設定していました。

しかし、続く平成31年度(令和元年度)行政事業レビューの「平成30年度の事業に係る行政事業レビューシート」で、平成30年度の「運動部活動改革プラン」の成果目標が見直され、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインに基づく運動部活動の方針を策定している市区町村教育委員会の数」に置き換わってしまいました。(下記資料参照)

これは、平成30年度行政事業レビュー作成時に立てた目標が達成できそうにないので、実行できそうな目標に変えた、と捉えることができます。

そもそも、平成30年度行政事業レビュー作成時に、「平成33年度(令和3年度)には、担当する教科が保健体育以外、かつ、競技経験がない運動部活動の顧問を担当する中学校等教諭の割合を0%にする」という目標値を設定したことに対して、私は、強い違和感を覚えます。

文部科学省は、それ程までに、現場の状況や地方自治体のことを分かっていないのか、と思ってしまいます。

令和3年4月現在、文部科学省の「#教師のバトンプロジェクト」に向けて発信している教師たちからは、「担当する教科が保健体育以外、かつ競技経験がない運動部活動顧問を担当する中学校教諭」からの、仕事への不満の声が現在もあがっています。

また、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を守っていない部活動の顧問から、現状を変えることのできない不満の声も多数聞かれます。

ですから、いくら、目標値を変え、調査研究を行い、ガイドラインを策定したとしても、実際は「運動部活動改革プラン」は効果を発揮していません。

それだけでなく、今後効果を発揮できる見込みも今のところないように感じます。

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学校における働き方改革が進まない理由⑥~文部科学省VS自治体・教育委員会・学校長の構図~

#教師のバトンで文部科学省から部活動についてのメッセージが出て再び炎上!文部科学省VS自治体・教育委員会・学校長の構図も浮かび上がる!

奇遇なことに、この記事を書いている最中(4月23日)、再び文部科学省が「note」に新しいメッセージをUPしました。

ご意見の中に、休日の部活動の対応や全員顧問制の廃止など、部活動の負担を訴えるものが多く寄せられました。いただいた投稿を拝見し、文部科学省としても部活動改革にさらに取り組んでいく必要があると思いを新たにしました。

このように、文部科学省では、部活動改革を進めておりますが、教師の皆さんに負担軽減を実感していただくには至っておらず、取組はまだ、十分とは言えません。

引き続き、以下に示した工程で部活動改革を着実に進め、教師の皆さんや子供たちにとって望ましい部活動の実現に向けて取り組んでまいります。

このようなメッセージが、今まで行ってきた文部科学省の部活動改革の取組の内容の詳細とともに、発せられました。

何だか、「文部科学省としては、こんなに一生懸命やっているのに、地方自治体や教育委員会、学校長のために部活動改革が進まないんだよ。」と、責任転嫁をしているように感じます。

そして、このプロジェクトにより、地方自治体や教育委員会、学校長の怠慢さ、無能さを暴露してしまっているようにも見えます。

図らずも、文部科学省VS地方自治体・教育委員会・学校長の構図を明らかにしてしまっています。

そして、文部科学省が今までいろんな政策をしてきたけれど、現場にそれが生かされない、この中央と地方の乖離の構図こそが、学校における働き方改革が進まない理由の最たるものではないか、と私は考えています。

しかし、このプロジェクトは、文部科学省にメッセージを伝える形なので、教師たちの怒りの矛先は、文部科学省に向かいます。

「文科省の今まで取り組んできたことじゃ不足しているんだよ。」、「結局、工程表どおり、あと2年は現状のままってことだよね。」、「私たちは、休日の部活動だけじゃなく、平日の部活動も地域に移行してほしい、って言ってるんだよ。」というような声で、再び盛り上がりを見せているのです。

教師のバトンプロジェクト note文部科学省から4月23日 部活動に関するメッセージ
教師のバトンプロジェクト 「note」文部科学省から4月23日 部活動に関するメッセージ
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学校における働き方改革は可能か㉟~学校における働き方改革が進まない原因と#教師のバトンと文科省VS自治体・教委・校長~まとめ

今回の記事では、学校における働き方改革を阻害している要因として、以下のことに絞ってお伝えしました。

もちろん、その他の要因もたくさんあります。

  • エビデンスに基づく教育政策
  • 法令や地方公共団体の規則で設置することとされている、学校に置かれる委員会や担当者
  • 教育委員会や文部科学省から学校に対して行っている調査・報告依頼
  • 公立高校入試の調査書の記載事項の部活動記入欄
  • 不備があったり、指標が不適切だったりする行政事業レビュー
  • 文科省VS自治体・教委・校長の構図

次回は、令和元年度概算要求について、学校における働き方改革に関連させながら、見ていきたいと思います。

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