地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか②~校長・副校長・教頭は、60歳以降、役職定年により、降格?

頑張る高齢者 定年延長
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  1. 地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか②~校長・副校長・教頭は、60歳以降、役職定年により、降格?~はじめに
  2. 役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)
    1. 役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)とは
    2. 役職定年制の特例(国家公務員法第81条の2~第81条の5)
      1. 管理監督職勤務上限年齢による降任等の特例(特例任用)
      2. 特例任用の再延長
  3. 地方公務員の定年引上げの実施に向けた疑問に対する総務省の回答より(「定年引上げの実施に向けた質疑応答(第4版/令和4年2月15日)」より)
    1. 地方公務員に役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)を導入する理由
    2. 管理監督職と再任用職員
      1. 定年前再任用短時間勤務職員の管理監督職への任用
      2. 暫定再任用職員の管理監督職への任用
    3. 管理監督職勤務上限年齢制の例外措置
      1. 「管理監督職勤務上限年齢制の例外措置」の種類
        1. 対象となる職の性質(職務・責任の特殊性や欠員補充の困難性)に対応して特別の定めをするもの
          1. ①管理監督職勤務上限年齢制の適用除外
          2. ②管理監督職勤務上限年齢の例外(60歳を超える管理監督職勤務上限年齢の設定)
        2. 対象となる職員又は職員グループの性質(職務遂行上の事情、職務の特殊性や職員の年齢別構成等による欠員補充の困難性)に対して特別の定めをするもの
          1. ③管理監督職勤務上限年齢による降任等の特例(特例任用)…(【役職定年制の特例】としてこの記事で前述のものの詳細)
  4. 地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか②~校長・副校長・教頭は、60歳以降、役職定年により、降格?~まとめ

地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか②~校長・副校長・教頭は、60歳以降、役職定年により、降格?~はじめに

結論を先に言います。

  • 年齢別構成の偏り等により後任の補充が困難な場合に限り、公立学校の校長・副校長・教頭は、60歳以降引き続き、校長・副校長・教頭として降任又は転任することができ、定年退職日まで最長で5年延長することができる。
  • 年齢別構成の偏り等により後任の補充が困難でない場合は、公立学校の校長・副校長・教頭は、60歳以降、役職定年により降格して、平教員に戻る場合がある。

です。

地方公務員の「役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)導入」について知ったとき、元公立学校教員である私が抱いた最大の疑問は、

公立学校の校長・副校長・教頭は、60歳以降、役職定年により降格して、平(管理職でない立場の)教員に戻るの?

ということでした。

地方公務員法改正案施行前である現時点においては、校長・副校長・教頭の立場で定年退職した後、再任用で再び校長・副校長・教頭に任用されるケースがあります。(自治体によって違います。)

一方、平(管理職でない立場の)教員として再任用され、一般の教員と同じように学校で働いている元校長・副校長・教頭や、再任用短時間勤務職員として学校や学校以外の場所で短時間勤務をしている元校長・副校長・教頭もいます。(自治体によって違います。)

そんな中、元校長・副校長・教頭が学校で平教員として働く場合には、問題もあります。

それは、年下である現役管理職や同僚が元管理職であった人に対して遠慮してしまい、指示や要求を出しにくいことです。

それゆえ、私も「公立学校の校長・副校長・教頭は、60歳以降、役職定年により降格して、平教員に戻るの?」という疑問を抱いたのです。

正直に言うと、「元管理職であった人が、同僚として、又は部下として働くことになるのはちょっと困るなあ。」という感じです。

さて、前回の記事「地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか①~定年前再任用短時間勤務制~」では、令和3年6月4日に成立した「国家公務員法改正案(国家公務員法等の一部を改正する法律)」と「地方公務員法改正案(地方公務員法の一部を改正する法律)」についての説明をしました。

そして、その中でも特に「定年前再任用短時間勤務制」について詳しく書きました。

今回は、まず、前回の記事でも説明した「役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)」について、おさらいします。

その後、役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)についての質問に対する総務省の回答から、「再任用職員の管理監督職への登用」と「管理監督職勤務上限年齢制の例外措置」について、調べていきます。

何と、この「管理監督職勤務上限年齢制の例外措置」について詳しく調べていくと、「公立学校の校長・副校長・教頭は、60歳以降、役職定年により降格し、平教員に戻るのか?」という疑問についての答えが見つかったのです!

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役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)

役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)とは

  • 組織活力を維持するため、管理監督職指定職(※及び俸給の特別調整額(※※適用官職等)の職員は、60歳(事務次官等は62歳)の誕生日から同日以降の最初の4月1日までの間に、管理監督職以外の官職に異動させる。
  • 役職定年による異動により公務の運営に著しい支障が生ずる場合に限り、引き続き管理監督職として勤務させることができる特例を設ける。

(※)指定職とは……一般職の公務員の職種による区分の一。国家公務員では、事務次官、外局の長、試験所・研究所・病院・療養所の長、その他の官職を占める職員。地方公務員では東京都の局長などがこれに該当する。

(※※)俸給の特別調整額とは……管理又は監督の地位にある職員(以下「管理職」という)について、その特殊性に基づいて支給される手当。

役職定年制の特例(国家公務員法第81条の2~第81条の5)

管理監督職勤務上限年齢による降任等の特例(特例任用)

任命権者は、管理監督職を占める職員について、管理監督職勤務上限年齢による降任等(他の官職への異動)により、以下の1~3のいずれかに該当するため、公務の運営に著しい支障が生ずる場合に限り、当該職員を引き続き管理監督職として勤務させることができます。

  1. 職員の職務の遂行上の特別の事情がある場合
  2. 職員の職務の特殊性によりそのポストの欠員の補充が困難となる場合
  3. 当該管理監督職が特定の管理監督職グループ(※)に属しており、当該グループ内の欠員の補充が困難となる場合 (※)職務の内容が相互に類似する複数の管理監督職(指定職を除く。)で、これらの欠員を容易に補充することができない年齢別構成その他の特別の事情がある管理監督職として人事院規則で定めるもの

特例任用の再延長

任命権者は、上記要件が継続している場合には、人事院の承認を得て、1年以内の期間内で再延長ができます。(1と2の要件の場合は最長3年、3の要件の場合は定年退職日まで(最長5年))

役職定年制の特例
「国家公務員法の一部を改正する法律 改正の概要~定年の引上げ等について~令和5年4月1日施行/内閣官房内閣人事局」より一部抜粋
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地方公務員の定年引上げの実施に向けた疑問に対する総務省の回答より(「定年引上げの実施に向けた質疑応答(第4版/令和4年2月15日)」より)

地方公務員に役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)を導入する理由

自治体職員
自治体職員

どうして地方公務員に役職定年制を導入するのですか?

  • 定年の引上げによって職員が公務に従事する期間が長くなる中で、管理職に一度就いた職員がそのまま在職し続けることとなった場合には、若手・中堅職員の昇進機会の減少により、組織の新陳代謝を阻害し、公務の能率的な運営に支障が生じるおそれがある。
  • そのため、国家公務員と同様に、定年を65歳に引き上げる中で、若手・中堅職員の昇進機会を確保し、組織全体としての活力を維持するため、管理職に就く職員を原則60歳で非管理職に異動させる管理監督職勤務上限制を設けることとしたもの。
定年引上げの実施に向けた質疑応答(第4版)
「定年引上げの実施に向けた質疑応答(第4版/総務省/令和4年2月15日)より一部抜粋

管理監督職と再任用職員

定年前再任用短時間勤務職員の管理監督職への任用

自治体職員
自治体職員

定年前再任用短時間勤務職員を管理監督職に就けることはできますか?

  • 定年前再任用短時間勤務職員を任用しようとする管理監督職につき、短時間勤務に適することにより、「常時勤務を要する職」と明確に区別された「短時間勤務の職」として位置づけられているのであれば、その職に定年前再任用短時間勤務職員を任用することは差しつかえない。
  • なお、国においては、指定職俸給表の適用を受ける職員が占める官職等は定年前再任用短時間勤務制の対象となる短時間勤務の官職から除くこととされており、地方公共団体においても、上位の幹部職などこれに相当する職については、その職務と責任及び新陳代謝の必要性などに照らして、短時間勤務の職と位置付けることは想定されないところ。

暫定再任用職員の管理監督職への任用

自治体職員
自治体職員

暫定再任用職員を管理監督職に就けることはできますか?

  • 国においては、指定職俸給表の適用を受ける職員が占める官職等は暫定再任用制度の対象官職から除くこととされており、地方公共団体においても、上位の幹部職などこれに相当する職についてはその職務と責任及び新陳代謝の必要性などに照らして、暫定再任用職員を任用することは想定されないところ。
  • また、以下の理由から、暫定再任用職員を管理監督職に充てることについては慎重に判断する必要がある。
  • 暫定再任用職員の管理職への任用を禁ずる規定はない
  • 各地方公共団体においては、常勤職員の数に比べて常時勤務を要する管理監督職の数が限られる。
  • 今般の法改正で定年引上げを行う一方で組織の新陳代謝を図るため管理監督職勤務上限年齢制が設けられた趣旨を勘案すること。
  • 定年引上げ完了とともに、暫定再任用措置が終了し、常時勤務を要する管理監督職を占める60歳超職員の数は原則0になることを勘案すること。

管理監督職勤務上限年齢制の例外措置

「管理監督職勤務上限年齢制の例外措置」の種類

自治体職員
自治体職員

管理監督職勤務上限年齢制の例外措置にはどのようなものがありますか?

対象となる職の性質(職務・責任の特殊性や欠員補充の困難性)に対応して特別の定めをするもの
①管理監督職勤務上限年齢制の適用除外
  • 現行の65歳特例定年が設定されている職等、職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることなどにより管理監督職勤務上限年齢制を適用することが著しく不適当みられる職
  • 適用除外の職を条例で定めること
  • 各地方公共団体においては国の制度との均衡の原則に則り、<参考>を参照
  • 一部の上級職又は特に確保が困難な専門職など
参考

国において管理監督職勤務上限年齢制の対象となる管理監督職から除かれる官職として予定しているものは以下のとおり。

  1. 特例定年(※)を措置する予定の官職
  2. 病院、療養所、診療所その他の国の部局又は機関に勤務し、医療業務に従事する医師及び歯科医師が占める官職(1の官職を除く。)
  3. 研究所、試験所用の長で人事院が定める官職
  4. 迎賓館長
  5. 宮内庁次長
  6. 金融庁長官
  7. 国税不服審判所長
  8. 海難審判所の審判官及び理事官
  9. 運輸安全委員会事務局の船舶事故及びその兆候に関する調査をその職務の内容とする事故調査官で人事院が定める官職
  10. 地方環境事業所の国立公園調整官
  11. 研究職俸給表の適用を受ける職員でその職務の級が3級であるものの官職
  12. 指定職俸給表の適用を受ける職員が占める官職であって、次に掲げるもの……【人事管理上の必要性に鑑み、当該職員の退職の日に限り臨時的に置かれる官職】、【上記に掲げる官職のうち一部の官職(1.特例定年を措置する予定の官職~7.国税不服審判所長)若しくは管理監督職勤務上限年齢が当該職員の年齢を超える管理監督職への昇任若しくは転任が予定されている職員又は任命権者の要請に応じ特別職に属する国家公務員(※※)となることが予定されている職員引き続き任用するため、人事管理上の必要性に鑑み、14日を超えない期間内(人事管理上特に必要と認める場合は必要と認める期間内)において臨時的に置かれる官職
  13. 上記に掲げる官職のほか、職務と責任の特殊性により法第81条の2の規定(※※※)を適用することが著しく不適当と認められる官職として人事院が認める官職   等

(※)特例定年とは……職務と責任の特殊性・欠員補充の困難性により、定年を60歳とすることが適当でないため、公務員の一部の職種で原則の定年年齢(60歳)とは異なる定年年齢を定めること(国家公務員の例)⇒【病院・療養所・診療所等の医師、歯科医師→65歳】【守衛、用務員等→63歳】【特殊な官職等(事務次官、在外公館に勤務する職員、迎賓館長等)→61歳~65歳】

(※※)特別職に属する国家公務員とは……国家公務員には、一般職と特別職があり、裁判所職員、国会職員、防衛省の職員等(国家公務員法第2条第3項に列挙)は特別職、それ以外の全ての職員は一般職とされている。

(※※※)法(国家公務員法)第81条の2の規定とは……「任命権者は、管理監督職(一般職の職員の給与に関する法律第十条の二第一項に規定する官職及びこれに準ずる官職として人事院規則で定める官職及び指定職(これらの官職のうち、病院、療養所、診療所その他の国の部局又は機関に勤務する医師及び歯科医師が占める官職その他その職務の責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることによりこの条の規定を適用することが著しく不適当と認められる官職として人事院規則で定める官職を除く。)をいう。以下この目及び第八十一条の七において同じ。)を占める職員でその占める管理監督職に係る管理監督職勤務上限年齢に達している職員について、異動期間(当該管理監督職勤務上限年齢に達した日の翌日から同日以降における最初の四月一日までの間をいう。以下この目及び同条において同じ。)に管理監督職以外の官職又は管理監督職勤務上限年齢が当該職員の年齢を超える管理監督職(以下この項及び第三項においてこれらの官職を「他の官職」という。)への降任または転任(俸給を伴う転任に限る。)をするものとする。ただし、異動期間中に、この法律の他の規定により当該職員について他の官職への昇任、降任若しくは転任をした場合又は第八十一条の七第一項の規定により当該職員を管理監督職を占めたまま引き続き勤務させることとした場合は、この限りではない。

②管理監督職勤務上限年齢の例外(60歳を超える管理監督職勤務上限年齢の設定)
  • その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより管理監督職勤務上限年齢を60歳とすることが著しく不適当と認められる管理監督職
  • 管理監督職勤務上限年齢の例外を条例で定めること管理監督職勤務上限年齢を61歳~64歳とすることが可能
  • 各地方公共団体においては国の制度との均衡の原則に則り、<参考>参照
  • 一部の上級職又は特に確保が困難な専門職
参考

国において管理監督職勤務上限年齢62歳とする官職として予定しているものは以下のとおり。

  1. 事務次官(外交領事事務に従事する職員で人事院が定めるものが占める場合を除く。以下同じ。)、会計検査院事務総長、人事院事務総長及び内閣法制次長
  2. 外局(国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第3条第3項の庁に限る。以下同じ。)の長官、警察庁長官及び消費者庁長官
  3. 会計検査院事務総局次長、内閣衛星情報センター所長、内閣審議官のうちその職務と責任が事務次官又は外局の長官に相当するものとして人事院が定める官職内閣府審議官、地方創生推進事務局長、知的財産戦略推進事務局長、科学技術・イノベーション推進事務局長、公正取引委員会事務総長、警察庁次長、警察総監、カジノ管理委員会事務局長、金融国際審議官、デジタル審議官、総務審議官、外務審議官(外交領事事務に従事する職員で人事院で定めるものが占める場合を除く。)、財務官、文部科学審議官、厚生労働審議官、医務技監、農林水産審議官、経済産業審議官、技監、国土交通審議官、地球環境審議官及び原子力規制庁長官
参考

国において管理監督職勤務上限年齢63歳とする官職として予定しているものは以下のとおり。

  1. 研究所、試験所等の副所長(これに相当する官職を含む。)で人事院が定める官職
  2. 宮内庁の内部部局の官職のうち、次に掲げる官職……式部副長及び式部官、首席楽長、楽長及び楽長補、主膳長、主厨長
  3. 在外公館に勤務する職員及び外務省本省に勤務し外交領事事務に従事する職員で人事院が定めるものが占める官職
  4. 海技試験管
対象となる職員又は職員グループの性質(職務遂行上の事情、職務の特殊性や職員の年齢別構成等による欠員補充の困難性)に対して特別の定めをするもの
③管理監督職勤務上限年齢による降任等の特例(特例任用)…(【役職定年制の特例】としてこの記事で前述のものの詳細)

以下のいずれかに該当する管理監督職勤務上限年齢の対象職員については、他の職に異動することで、公務の運営に著しい支障が生ずる場合には、1年を超えない期間内で異動期間を延長し、引き続き管理監督職を占めたまま勤務させることができることとする。

職務の遂行上の特別の事情等がある場合の特例任用……もともと就いていた管理監督職に引き続き留任させることができ、最長で3年まで延長することができる。
  • 職員の職務の遂行上の特別の事情がある場合(特別なプロジェクトの継続の必要がある場合など
  • 職員の職務の特殊性によりそのポストの欠員の補充が困難である場合(特殊な技能が必要な職務、へき地の職務など
特定管理監督職群に属する管理監督職(※)を占める場合……もともと就いていた管理監督職に引き続き留任させるか、同一の管理監督職グループに属する他の管理監督職に降任又は転任することができ、定年退職日まで最長で5年延長することができる。

(※)特定管理監督職群に属する管理監督職とは……職務の内容が相互に類似する複数の管理監督職で職員の年齢構成その他のこれらの欠員を容易に補充することができない特別の事情があるもの

  • 具体的には①及び②において指定した職を除く上級職又は確保困難専門職獣医師の職、技術職等)が従事すべき管理監督職並びに公立学校(幼稚園を含む。)校長・副校長・教頭及び児童相談所長等について、年齢別構成の偏り等により後任の補充が困難な場合が想定される。
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地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか②~校長・副校長・教頭は、60歳以降、役職定年により、降格?~まとめ

今回「管理監督職勤務上限年齢制の例外措置」について調べてみた結果、以下の3種類があることが分かりました。

管理監督職勤務上限年齢制の適用除外

管理監督職勤務上限年齢の例外(60歳を超える管理監督職勤務上限年齢の設定)

管理監督職勤務上限年齢による降任等の特例(特例任用)

そして、③管理監督職勤務上限年齢による降任等の例外(特例任用)は、さらに、以下の3つの種類に分かれることも明らかになりました。

  1. 職員の職務の遂行上の特別の事情がある場合
  2. 職員の職務の特殊性によりそのポストの欠員の補充が困難となる場合
  3. 当該管理監督職が特定の管理監督職グループ(※)に属しており、当該グループ内の欠員の補充が困難となる場合 (※)職務の内容が相互に類似する複数の管理監督職(指定職を除く。)で、これらの欠員を容易に補充することができない年齢別構成その他の特別の事情がある管理監督職として人事院規則で定めるもの

この、3つ目の「当該管理監督職が特定の管理監督職グループ(※)に属しており、当該グループ内の欠員の補充が困難となる場合」の例に、

公立学校(幼稚園を含む。)校長・副校長・教頭及び児童相談所長等について、年齢別構成の偏り等により後任の補充が困難な場合が想定される。

という説明がありました。

したがって、「公立学校の校長・副校長・教頭は、60歳以降、役職定年により降格して、平教員に戻るの?」に対する結論は、

  • 年齢別構成の偏り等により後任の補充が困難な場合に限り、公立学校の校長・副校長・教頭は、60歳以降引き続き、校長・副校長・教頭として降任又は転任することができ、定年退職日まで最長で5年延長することができる。
  • 年齢別構成の偏り等により後任の補充が困難でない場合は、公立学校の校長・副校長・教頭は、60歳以降、役職定年により降格して、平教員に戻る場合がある。

ということになります。

「平教員」といえども、学校内には、校長等の補佐を行う「主幹教諭」、他の教諭等への教育指導の改善及び充実のための指導助言を行う「指導教諭」などの、管理職ではないけれど、マネジメント力や他の教職員への指導力が必要な職があります。

役職定年後の元校長・副校長・教頭が経験を生かしてこれらの職を担う場合があると思います。(各自治体により異なります。)

そして、現在の制度下で再任用される管理職がそうであるように、教育委員会などの関連する施設などに配置される場合もあるでしょう。(各自治体により異なります。)

しかし、今回の法律の改正の内容からして、60歳を超えた元教員が、教育委員会や関連する施設の役職に就くことは、まず考えられません。(各自治体により異なります。)

また、中には、60歳以降の定年前に「定年前再任用短時間勤務制」を利用して、短時間勤務で理科支援員や特別教育支援員、初任者指導教員などの職に従事する人もあると思われます。

このように、法改正により定年が延長されるとともに、法制化される「役職定年制」により、「校長・副校長・教頭だった人が、60歳を超えて再び校長・副校長・教頭になったり、教育委員会などの関連施設で役職に就いたりすることは少なくなり、平教員として現場(学校)で働くことは増えるだろう。」と予想されます。

しかしながら、自治体の条例により、

  • 現在でも、60歳の定年後は、再任用制度により、最長65歳までは勤務が保障されること(注意!!※)
  • 法改正後も定年の段階的な引上げ期間中は、65歳まで暫定再任用制度(※※)」で勤務が保障されること注意!!※)

ということから考えると、校長・副校長・教頭以外の非管理職の職員にとっては、今回の法改正後も現状とあまり変わらないように思えます。(ただし、60歳を超えて常勤の職員として定年まで働く場合は、現行の再任用職員よりも待遇は良くなります。)

注意!!各自治体により実体が異なります!

※※暫定再任用職員とは
  • 旧地方公務員法再任用職員(法改正前の再任用職員)は、法改正後は「暫定再任用職員」として採用されたものと見なす。
  • 任期は1年を超えない範囲内
  • 最長65歳に到達する年度末まで更新可
  • 勤務時間・給与の仕組み等は現行の再任用制度と同様の扱いが基本
  • 定年の引上げにより、現行の再任用制度が廃止されるが、定年の段階的な引上げ期間においては、年金受給開始年齢までの継続的な勤務を可能とするため、現行と同様の暫定的な再任用制度を設けるもの
  • 暫定再任用制度の対象となる職員については、現行制度における再任用制度と同様に、常時勤務を要する職(フルタイムの職)と短時間勤務の職(パートタイムの職)のいずれにも採用可能である。

ただし、この法改正により、60歳を超えても働く教職員が今までより増えることは間違いありません。

そして、今回「定年前再任用短時間勤務制」という新たな制度も法制化されました。

この制度は、フルタイムで働けない事情(家族の介護、体力の衰え、持病)がある人にとっては、定年までの勤務が保障されるありがたい制度地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか①~定年前再任用短時間勤務制~参照)でしょう。(類似した制度に、「高齢者部分休業制度」地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか①~定年前再任用短時間勤務制~参照)というものもあります。)

しかしながら、60歳以降も働き続けることを希望する教職員に、実際に様々な働き方や希望に対応した職種が、その人数分きちんと提供されるのか、不安が募ります。

次回は、「定年による退職の特例」について、まとめていきます。

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