- 地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか⑧~「再任用に関する地方公共団体の対応(教職員)」~はじめに
- 地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか⑧~「再任用に関する地方公共団体の対応(教職員)」~比較
- 【高知県】(「令和4年度任用 高知県公立学校再任用職員選考審査案内」より一部抜粋)
- 【青森県】青森県教育委員会「再任用職員の事務手続きについて」(平成27年度/給与等事務研修会資料2)より一部抜粋
- 【徳島県 教諭等】「令和4年度 徳島県公立小・中学校再任用教職員(教諭等)選考審査要項」より一部抜粋
- 【徳島県 校長・副校長・教頭】「令和4年度 徳島県公立小・中学校再任用教職員(校長・副校長・教頭)選考審査要綱」より一部抜粋
- 【福島県】福島県教育委員会「再任用制度について/令和3年度版」より一部抜粋
- 【兵庫県】兵庫県教育委員会「令和3年度定年退職者の再任用制度(概要)」より一部抜粋
- 【山梨県】「令和4年度採用 山梨県再任用県費負担教職員選考等実施要綱」より一部抜粋
- 【島根県】島根県「再任用教職員選考申込書(令和4年度)」より一部抜粋
- 地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか⑧~「再任用に関する地方公共団体の対応(教職員)」~まとめ
地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか⑧~「再任用に関する地方公共団体の対応(教職員)」~はじめに
「地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか④~公務員は定年退職後は必ず再任用されるの?~」では、「公務員は定年退職後、従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により、場合によっては再任用職員として採用される。」という結論に至りました。
しかし、そこで、
「従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考」がどんな内容なのか、
が気になりました。
そして、
「だからといって再任用されない者がでてきてしまってもいいのか。それでは退職後、年金支給開始まで無給期間ができてしまうではないか。」
いう疑問も感じました。
そこで、”地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか⑦~「再任用に関する国の意向」”~では、「国家公務員の雇用と年金の接続について」(平成25年3月26日閣議決定)と「地方公務員の雇用と年金の接続について」(平成25年3月29日総務副大臣通知)を読むことで、
国は、「定年退職した職員を再任用することは義務」とする意向である、
ということが更に分かりました。
つまり、国は「定年退職した職員を再任用することは義務」と考えているのに、法律では、「定年退職した職員を再任用することは義務とはしていない」のです。
次に、このねじれがどこから生まれるか考え、
各省庁や各地方公共団体では、60歳以上の職員を雇用するための制度が十分整っておらず、”すべての定年退職者を「再任用する」という形で受け入れることが不可能であるから。”
だと予想しました。
この記事では、この予想が当たっているか検証するために、令和4年5月現在、各地方公共団体の再任用に関する対応(教職員)を比較していきます。
ちなみに、再任用制度は、平成13年4月1日から導入されています。
そして、来年度、令和5年4月1日には地方公務員法改正法が施行されます。
これにより、公務員の定年が順次65歳まで延長されます。
同時に、現在の再任用制度は廃止され、暫定再任用制度、定年前再任用短時間勤務制、管理監督職勤務上限年齢制(役職定年制)が新たに導入されます。(詳しくは、本記事の同シリーズである、「地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか①~⑥」をご覧下さい。)
これに伴い、本年度中に各地方公共団体は、条例や規則を整備します。
ですので、この記事に書く内容は、あくまで今年度までのものです。
「国家公務員の雇用と年金の接続について」(平成25年3月26日閣議決定)と「地方公務員の雇用と年金の接続について」(平成25年3月29日総務副大臣通知)から、9年たった今現在、退職した教職員に対する再任用についての地方公共団体の対応が、どの程度、国の意向に即した形になっているのかをまとめます。
地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか⑧~「再任用に関する地方公共団体の対応(教職員)」~比較
【高知県】(「令和4年度任用 高知県公立学校再任用職員選考審査案内」より一部抜粋)
受験資格
- 昭和34年4月2日から昭和37年4月1日までに生まれた者で、任期の1年間を継続して勤務することができる次のいずれかに該当する者(受験資格【1】)※雇用と年金の接続に配慮した再任用を行う者
- 令和4年3月31日付けで市町村立(学校組合立を含む。以下同じ。)の小中学校、義務教育学校又は県立学校(高知県立高知特別支援学校及び高知商業高等学校定時制を含む。以下同じ。)を定年退職する者。
- 過去に公立学校の教職員であった者(以下「元教職員」という。)で、令和4年3月31日付けで高知県教育委員会事務局又は教育機関(以下「高知県教育委員会事務局等」という。)を定年退職する者。
- 令和元年度から令和2年度までの各年度末に、公立学校を定年退職した者(市町村が給与を負担していた者を除く。)
- 25年以上勤続して平成29年4月1日以降に、定年を待たずに、公立学校を退職した者(市町村が給与を負担していた者を除く。)
- 元教職員で、令和元年度から令和2年度までの各年度末に、高知県教育委員会事務局等を定年退職した者
- 元教職員で、25年以上勤続して平成29年4月1日以降に、定年を待たずに、高知県教育委員会事務局等を退職した者
- 元教職員で、高知県教育委員会に再任用されたことがある者(現に再任用されている者を含む。)
- 昭和32年4月2日から昭和34年4月1日までに生まれた者で、任期の1年を継続して勤務することができる次のいずれかに該当する者(受験資格【2】)
- 平成29年度から平成30年度までの各年度末に、公立学校を定年退職した者(市町村が給与を負担していた者を除く。)
- 25年以上勤続して平成29年4月1日以降に、定年を待たずに、公立学校を退職した者(市町村が給与を負担していた者を除く。)
- 元教職員で、平成29年度から平成30年度までの各年度末に、高知県教育委員会事務局等を定年退職した者
- 元教職員で、25年以上勤続して平成29年4月1日以降に、定年を待たずに、高知県教育員会事務局等を退職した者
- 元教職員で、高知県教育委員会事務局等に再任用されたことがある者(現に再任用されている者を含む。)
☆受験資格を満たす者のうち、既に退職している者については、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第16条及び学校教育法(昭和22年法律第26号)第9条に規定する欠格条項のいずれにも該当しないことが必要です。
勤務の職等(※再任用の職については別表参照)
- 配置先(勤務校等)、勤務の職(校長、副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、教諭、養護教諭、栄養教諭、実習助手、寄宿舎指導員、事務長、総括主任、事務職員、高知県教育委員会事務局等職員、その他行政職員、学校栄養職員及び技能職員)等は、高知県教育委員会が選考のうえ決定します。なお、他の任命権者との調整により、高知県教育委員会以外の任命権者によって再任用される場合があります。
- 選考の結果、同職として再任用できない場合、(年金との接続期間は)希望に基づき同職より下位の職のいずれかの職で再任用されることになります。
- 小中学校(県立を含む。)及び義務教育学校の管理職(校長、教頭、事務長、ただし、本務者に限る。)の同職での再任用は、選考のうえ原則として63歳になる年度までとします。
- 県立学校(中学校を除く。)の管理職(校長、副校長、教頭、事務長)の同職での再任用は、選考のうえ原則として61歳になる年度までとします。ただし、本人の希望及び学校等の諸事情により、63歳になる年度まで延長する場合もあります。
☆法改正により令和5年度から、国家公務員の定年延長が段階的に引き上げられることを踏まえ、地方公務員の定年についても国家公務員と同様に段階的に引き上げられることが検討されております。また、役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)についても検討される予定であり、そのことを受けて、現行の再任用制度については、令和5年度再任用対象者から、役職者の年齢条件が下がるなどの変更が予測されております。
勤務形態
- 勤務形態としては、フルタイム勤務と短時間勤務の2つの形態があります。
- フルタイム勤務は、一般の教職員と同様の1日7時間45分、週5日勤務(週38時間45分勤務)とします。ただし、職務の内容により、変則勤務となる場合もあります。また、校長、副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、事務長、総括主任及び土佐海援丸の船員については、フルタイム勤務の職に限定します。
- 短時間勤務の職は、次のとおりです。小中学校と県立学校では、勤務形態、職種及び業務が異なりますのでご留意ください。
小中学校及び義務教育学校
原則としてアに掲げる勤務形態のいずれかにより、イに掲げる職種に限り任用するものとします。
ア 勤務形態
- 週5日 1日6時間勤務(週30時間勤務)
- 週4日 1日6時間勤務(週24時間勤務)
- 週3日 1日6時間勤務(週18時間勤務)
- 週4日 1日7時間45分勤務(週31時間勤務)
- 週3日 1日7時間45分勤務(週23時間15分勤務)
- 週2日 1日7時間45分勤務(週15時間30分勤務)
イ 職種等
教諭、養護教諭、栄養教諭、学校栄養職員及び事務職員
※初任者指導担当教諭を希望する方については、フルタイムでの勤務あるいは短時間勤務の「週3日、1日7時間45分勤務(週23時間15分勤務)」又は「週2日、1日7時間45分勤務(週15時間30分勤務)」のいずれかの場合とします。
さらに短時間勤務の場合は、近隣の複数の学校に配置された6名の初任者を、短時間勤務の2名の初任者指導担当教諭で指導するにあたり、勤務曜日等の調整をする必要があることから、週2日勤務を希望した方には週3日勤務を、週3日勤務を希望した方には週2日勤務への変更を依頼することがあります。
※学校栄養職員及び事務職員の短時間勤務の職については、同一校の同一の職について、週当たり5日の勤務を3日と2日で分担することになりますので、
- 週3日、1日7時間45分勤務(週23時間15分勤務)
- 週2日、1日7時間45分勤務(週15時間20分勤務)
の2つの勤務形態の組み合わせを原則とした任用となります。
県立学校
ウの1は定時制(昼間部を除く。)の教諭に限り希望ができ、2又は3の2つの勤務形態の組み合わせのいずれかができる場合でのエの職種等に限り任用するものとします。
ウ 勤務形態
- 週5日 1日5時間勤務(週25時間勤務)
- 週5日 1日4時間勤務(週20時間勤務)、週5日 1日3時間45分勤務(週18時間45分勤務)
- 週3日 1日7時間45分勤務(週23時間15分勤務)、週2日 1日7時間45分勤務(週15時間30分勤務)
エ 職種等
養護教諭(定時制に限る。)、事務職員、実習助手、寄宿舎指導員、技能職員(土佐海援丸の船員を除く。)
勤務条件等(給与・服務等)
- 「令和3年度における再任用職員の勤務条件等」のとおりです。
- 勤務条件等については、令和3年4月1日現在の条例・規則等に基づくものであり、今後、条例・規則等が改正されれば、改正後のものによります。
選考審査の方法
面接又は申込書や確認票、健康診断の結果及び勤務実績を総合的に判断します。
1 面接
- 管理職(校長・副校長・教頭・事務長)として任用を希望する者…面接を実施し、希望する職種、勤務形態、勤務地等について、確認します。なお、面接においては、申込書の「希望の校種等」欄に記入されていない職に任用される場合の意向についても伺います。
- その他の者…原則として面接審査は行わず、提出書類並びに勤務実績によって総合的に判断します。なお、確認したい事項等がある場合には、必要に応じて個別に面接審査を実施します。
2 健康診断
1年間継続する職務遂行に必要な健康を有するかどうかについて、健診結果等により判断しますので、1又は2のいずれかの方法によってください。
- 県又は市町村が実施した定期健康診断等の健診結果の写しを提出する場合…県又は市町村が実施した定期健康診断等の健診結果 (令和2年度又は令和3年度のいずれか直近の健診結果)の写しを、申込時に申込書に添付してください。なお、県又は市町村が実施した「定期健康診断等」とは、県、市町村又は公立学校共済組合高知支部が実施した「定期健康診断」又は「人間ドック」のいずれかに該当するものとします。
- 医療機関又は検診期間で受診する場合…健康診断書(様式3)に氏名、性別、住所、生年月日及び職業を記入のうえ持参し、全検査項目について受診してください。健診結果は密封のまま、申込時に申込書に添付してください。なお、この健康診断に係る費用は、自己負担とします。
審査結果の通知
- 令和3年12月下旬(予定)に、文書で受審者全員に通知します。
- 再任用する場合は、その決定に併せて、勤務の職、勤務形態(フルタイム勤務又は短時間勤務)及び勤務地(申込書の「希望勤務地」の地域による。)を通知しますので、その内容(勤務の職等)について同意する場合は同意書を、辞退する場合は辞退届を、決定通知において示す期限(令和4年1月上旬を予定)までに教職員・福利課に提出してください。
- 再任用の決定通知後であっても、令和4年3月31日前に退職した場合や、病気等により任期の1年間を継続して勤務することができなくなったと認められる場合には、再任用の決定を取り消します。
配置先(勤務校等)の決定
- 公務等の事情により、受審者の希望に添えない場合があり、また、退職時と異なる学校に配属する場合があります。
- 配置先(勤務校等)は、令和4年3月下旬の定期人事異動において決定します。
「令和4年度任用 高知県公立学校再任用職員選考審査案内」で気になった点
- 雇用と年金の接続に配慮して優先的に再任用される年齢層がある。
- 「生年月日」と「退職した日」が条件に合えば、勤続年数にかかわらず再任用職員選考審査の受験資格がある。
- 高知県教育委員会以外の任命権者によって再任用される場合がある。
- 校長、副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、事務長、総括主任及び土佐海援丸の船員については、フルタイム勤務の職に限定される。
- 「選考の結果、同職として再任用できない場合は、(年金との接続期間は)希望に基づき同職より下位の職のいずれかの職で再任用されることになります。」とあり、年金受給年齢に達した人は、再任用されない可能性があることを示唆している。
- 小中学校及び義務教育学校の管理職の同職での再任用は、「原則として63歳になる年度まで」となっている。
- 県立学校の管理職の同職での再任用は、「原則として61歳になる年度まで。」、「ただし、本人の希望及び学校等の諸事情により、63歳になる年度まで延長する場合もある。」となっている。
- 令和5年度再任用対象者から、役職者の年齢条件が下がるなどの変更が予測されている。
- 管理職として任用を希望する場合は、面接がある。面接において「希望の校種等」欄に記入されていない職に任用される場合の意向について問われる。
【青森県】青森県教育委員会「再任用職員の事務手続きについて」(平成27年度/給与等事務研修会資料2)より一部抜粋
対象者
定年退職者
任用期間
- 任期は1年以内で、通常の場合は4月1日から翌年3月31日までの1年間。
- 更新直前の任期における勤務実績が良好である場合は、予め職員の同意を得て、1年以内で任用の更新が可能であり、最長65歳まで。
- 任期の末日は、再任用職員が65歳に達する日以降の最初の3月31日。
勤務時間
- フルタイム勤務は、週38時間45分である。なお、平成26年度末定年退職者は原則フルタイム勤務である。
再任用の職種…(関係部分を抜粋)
原則として退職時と同一の職種(教育職、行政職、医療職)に再任用。また、定年前の職位より下位の職に再任用となる。なお、職員番号は現職時のものが引き継がれる。詳細は下表のとおり。
フルタイム勤務職員教育職
- 校長、教頭、教諭⇒教諭
- 養護教諭⇒養護教諭
- 栄養教諭⇒栄養教諭
フルタイム勤務職員行政職
- 統括事務主任、事務主任⇒事務主任
フルタイム医療職
- 主任栄養士⇒主任栄養士
青森県教育委員会「再任用職員の事務手続きについて」(平成27年度/給与等事務研修会資料2)で気になった点
- 再任用の対象者が定年退職者のみとなっている。(例規集の記載内容と違う。)
- 「生年月日」と「退職した日」が条件に合えば、勤続年数にかかわらず再任用職員選考審査の受験資格がある。
- 「更新直前の任期における勤務実績が良好である場合は、予め職員の同意を得て、1年以内で任用の更新が可能であり、最長65歳まで」と明記されている。
- 「平成26年度末定年退職者は原則フルタイム勤務」となっている。
- 校長や教頭は、教諭として再任用される。
【徳島県 教諭等】「令和4年度 徳島県公立小・中学校再任用教職員(教諭等)選考審査要項」より一部抜粋
対象者
次の1、2、3のいずれかの要件を満たす者
- 徳島県公立小中学校の教職員のうち、令和4年3月31日付で定年退職予定の者(生年月日が昭和36年4月2日から昭和37年4月1日までの者)
- 徳島県公立小中学校の教職員であった者(生年月日が昭和36年4月2日から昭和37年4月1日までの者)のうち、25年以上勤続して平成29年4月1日以降に退職した者
- 徳島県公立小中学校の教職員であった者(生年月日が昭和32年4月2日から昭和36年4月1日までの者)のうち、現在再任用中の者、又は、25年以上勤続して平成29年4月1日以降に退職した者
再任用する職
以前就いていた職を考慮し、教諭、養護教諭、栄養教諭、又は主任(事務職員、栄養職員)のいずれかの職に任用する。
勤務時間
令和4年度の再任用教職員については、次のア~カの勤務とする。なお、配置先及び勤務形態は、県教育委員会が決定する。
ア 週23時間15分(週3日)
イ 週19時間10分(週2.5日)
ウ 週19時間10分(週5日)
エ 週15時間30分(週2日)
オ 週28時間45分(週5日)
カ 週38時間45分(週5日)
※主任(事務職員、栄養職員)の勤務形態は、オのみです。
その他の教職員の勤務形態は、ア・イ・ウ・エ・オ・カのいずれかになります。
提出書類
- 令和4年度徳島県公立小中学校再任用教職員選考審査申込書(様式第1号)
- 健康診断書(令和3年度中に行った定期健康診断又は人間ドック等の結果の写し)。なお、健康診断が未実施の場合は、結果が手に入り次第送付すること。
審査方法
- 従前の勤務成績、健康診断、及び面接により総合的に審査する。
- 無年金となる定年退職者を優先的に任用する。
審査結果及び配置について
審査結果については、1月下旬に連絡する。また、配置先については、年度末の人事異動内示の際に連絡する。
「障害者手帳」の公布を受け、その障害の程度が1級から6級までの者については、本人の希望により配置先や通勤距離等について配慮する。
「令和4年度 徳島県公立小・中学校再任用教職員(教諭等)選考審査要項」で気になった点
- 「生年月日」と「退職した日」が条件に合えば、勤続年数にかかわらず再任用教職員選考審査の受験資格がある。
- 勤務時間のバリエーションが多い。
- 主任(事務職員、栄養職員)の勤務形態がフルタイム勤務のみ。
- 障害者手帳の公布を受け、その障害の程度が1級から6級までの者については、本人の希望により配置先や通勤距離等について配慮される。
- 無年金となる定年退職者が優先的に採用される。(年金受給開始年齢に達した者は、再任用されない可能性がある。)
「令和4年度 徳島県公立小中学校再任用教職員(教諭等)選考審査申込書」
記入項目(一部抜粋)
健康状態
- 健康・病弱・療養中 のうちから選択
- 療養中の場合、既往症・持病等病名・療養期間を記入
資格免許(運転免許も記入)
- 取得年月日
- 資格・免許の種類
障害者手帳
- 有・無 から選択
- 有の場合、何級か記入
希望する勤務形態
- フルタイム勤務・短時間勤務(〈例〉週2.5日、週3日、週0.5×5日 等)・どちらでもよい のうちから選択
- ※ただし、勤務形態の決定は県教育委員会が行い、希望に添えない場合がある。
希望市町村
- 第1希望・第2希望・第3希望をすべて記入
希望校
- 第1希望・第2希望・第3希望を記入
その他の希望・意見等
「令和4年度 徳島県公立小中学校再任用教職員(教諭等)選考審査申込書」で気になった点
- 療養中の場合は、既往症・持病等病名・療養期間を記入する必要がある。
- 勤務形態(フルタイム勤務・短時間勤務)の希望に添えない場合がある。
【徳島県 校長・副校長・教頭】「令和4年度 徳島県公立小・中学校再任用教職員(校長・副校長・教頭)選考審査要綱」より一部抜粋
対象者
次の1、2、3のいずれかの要件を満たした者のうち、市町村小中学校退職時の職務が校長・副校長・教頭のいずれかであり、卓越した企画経営力、管理能力、統率力、人材育成力、判断力を有し市町村教育委員会教育長の推薦を受けた者。
- 徳島県公立小中学校教職員のうち、令和4年3月31日付で定年退職予定の者(生年月日が昭和36年4月2日から昭和37年4月1日までの者)。
- 徳島県公立小中学校の教職員であった者(生年月日が昭和36年4月2日から昭和37年4月1日までの者)のうち、25年以上勤続して平成29年4月1日以降に退職した者。
- 徳島県公立小中学校の教職員であった者(生年月日が昭和32年4月2日から昭和36年4月1日までの者)のうち、現在再任用中の者、又は25年以上勤続して平成29年4月1日以降に退職した者。
再任用する職
従前就いていた職を考慮し、校長、副校長、教頭、教諭のいずれかの職に再任用する。
- 従前の職が校長の場合、校長、副校長、教頭、教諭のいずれかの職
- 従前の職が副校長の場合、副校長、教頭、教諭のいずれかの職
- 従前の職が教頭の場合、教頭、教諭のいずれかの職
勤務時間
令和4年度の校長・副校長・教頭として再任用された場合は、週38時間45分(週5日)のみとする。ただし、教諭として再任用された場合は、次のア~カ(オを除く)いずれかの勤務とする。なお、教諭として再任用された場合、配属及び勤務形態は、県教育委員会が決定する。
ア 週23時間15分(週3日)
イ 週19時間10分(週2.5日)
ウ 週19時間10分(週5日)
エ 週15時間30分(週2日)
オ 週28時間45分(週5日 再任用事務・栄養職員のみ)
カ 週38時間45分(週5日)
提出書類
受審者
ア 令和4年度徳島県公立小・中学校再任用教職員(校長・副校長・教頭)選考審査申込書(様式第1号)
イ 健康診断書(令和3年度中に行った定期健康診断又は人間ドック等の写し)※定期健康診断等がまだ済んでいない場合は、結果が届き次第、市町村教育委員会を通じて提出すること。
ウ 小論文…テーマ「管理職としてのこれまでの実績と再任用(校長・副校長・教頭)としてのこれからの取組について」※A4横書き、40文字×35行、1枚に、これまでの学校経営/学校運営等の実践例を具体的に示し、再任用への抱負を記述する。ワープロでの作成も可。
市町村教育委員会
受審者から提出された必要書類(ア・イ・ウ)及び再任用教職員(校長・副校長・教頭)選考審査推薦書
審査内容
現職の管理職登用数も含めた全体の管理職登用数を踏まえ、書類及び面接により、再任用教職員(校長・副校長・教頭)選考審査受審者の中から、高度の知識や経験、卓越した企画経営力、管理能力、人材育成力等に加えて、従前の実績及び今後の近隣校管理職への助言等の支援を観点に選考を行う。(受審者が必ずしも、校長・副校長・教頭として再任用されるわけではありません。)
「令和4年度 徳島県公立小・中学校再任用教職員(校長・副校長・教頭)選考審査要綱」で気になった点
- 卓越した企画経営力、管理能力、統率力、人材育成力、判断力を有し市町村教育委員会教育長の推薦を受けた者しか、校長・副校長・教頭として再任用されない。
- 退職時の職と同位か下位の職に再任用される。
- 校長・副校長・教頭として再任用された場合は、フルタイム勤務のみ。
- 再任用教職員(校長・副校長・教頭)選考審査では、与えられたテーマで小論文を作成して提出する。
「令和4年度 徳島県公立小・中学校再任用教職員(校長・副校長・教頭)選考審査申込書」より一部抜粋
記入項目
再任用時に希望する職
- 校長・副校長・教頭(希望する職すべてを○で囲む。)
健康状態
- 良好・やや不良・病弱 のうちから選択
- 「やや不良」「病弱」に該当する場合は、既往症・持病等病名・療養期間を記入
資格免許(運転免許も記入)
- 取得年月日
- 資格・免許の種類
障害者手帳⇒記入欄なし
教諭としての再任用の希望の有無
- 管理職として任用されない場合、教諭としての再任用を希望する・希望しないのいずれかを選択。
希望する勤務形態
- フルタイム勤務(週5日〈1日7時間45分〉:週当たり38時間45分)・短時間勤務 のうちから選択
- ※ただし、勤務形態の決定は県教育委員会が行い、希望に添えない場合がある。
希望市町村
- 第1希望・第2希望・第3希望をすべて記入
希望校
- 第1希望・第2希望・第3希望を記入
その他の希望・意見等
「令和4年度 徳島県公立小・中学校再任用教職員(校長・副校長・教頭)選考審査申込書」で気になった点
- 再任用教職員(校長・副校長・教頭以外)選考審査申込書には、「療養中」欄があったが、再任用教職員(校長・副校長・教頭)選考審査申込書にはない。「療養中」の者は選考審査受審資格がないということ。
- 再任用教職員(校長・副校長・教頭以外)選考審査申込書には、「障害者手帳」欄があったが、再任用教職員(校長・副校長・教頭)選考審査申込書にはない。「障害者手帳」を持っている者は選考審査受審資格がないということ。
- 「管理職として任用されない場合、教諭としての再任用を希望するかどうか」の記入欄がある。
- 勤務形態の決定は県教育委員会が行い、希望に添えない場合がある。
【福島県】福島県教育委員会「再任用制度について/令和3年度版」より一部抜粋
再任用の対象となるのは、次のいずれかに該当し、かつ再任用を希望する職員です。
- 定年退職者
- 25年以上勤務して定年退職日以前に退職し、その後5年を経過するまでの日にある者(教育庁等事務系職員及び県立学校事務系職員は除きます。)
- 1又は2に該当する者として再任用されたことがある者
希望すれば全員再任用されるのですか?
再任用に際しては、任命権者が従前の勤務実績等に基づく選考を行います。
なお、再任用を行うことができるのは、志願者が退職した地方公共団体の任命権者に限られますが、退職時の任命権者に限られるものではありません。
また、県教育委員会は、県費負担教職員を退職時の市町村とは別の県内市町村の県費負担教職員に再任用することができます。
任期はどれくらいですか?
再任用の任期は、1年を超えない範囲で、4月1日から3月31日までを基本とします。
なお、再任用における勤務実績が良好な場合には、所定の手続により任期の更新ができるものとされており、1年ごとの更新を繰り返した場合、任期は、最長で65歳に達する日以後の最初の3月31日までとなります。
勤務形態はどのようになりますか?
勤務形態は次の2種類となります。
- 常時勤務を要する職(再任用常時勤務職員)…週38時間45分(以下「フルタイム勤務」という。)
- 短時間勤務の職(再任用短時間勤務職員)…4週77時間30分(以下「パートタイム勤務」という。)
※上記勤務形態のほかに、週31時間の勤務形態が令和3年度までの限定的な運用で、業務上必要な場合にのみ実施されております。(教育庁等及び県立学校事務系職員のみ)
福島県教育委員会「再任用制度について/令和3年度版」で気になった点
- 「生年月日」と「退職した日」が条件に合えば、勤続年数にかかわらず再任用教職員選考審査の受験資格がある。
- 県教育委員会は、県費負担教職員を退職時の市町村とは別の県内市町村の県費負担教職員に再任用することができる。
- 「再任用における勤務実績が良好な場合には、所定の手続により任期の更新ができるものとされており、1年ごとの更新を繰り返した場合、任期は、最長で65歳に達する日以後の最初の3月31日まで」と明記されている。
- 短時間勤務の職の勤務形態が2種類のみ。
【兵庫県】兵庫県教育委員会「令和3年度定年退職者の再任用制度(概要)」より一部抜粋
再任用される期間
令和4年4月1日~令和5年3月31日(1年間)
※勤務成績が良好である場合は、1年ごとに令和8年度の末日まで更新することができます。
勤務時間
フルタイム勤務(週38時間45分)または短時間勤務(週23時間15分)の2種類となります。
※希望される勤務時間については、今回の調査や学校における必要時間数を勘案しながら決定しますので、必ずしも希望どおりになるものではありません。
勤務時間の割り振り
フルタイム勤務の場合には、週38時間45分(月曜から金曜まで毎日7時間45分)の勤務をしていただきます。
短時間勤務の場合には、決まった時間数(週23時間15分)を校長が割り振ることとなります。
職務の内容
再任用される場合は、主幹教諭は教諭として、主任実習助手は実習助手、主任寄宿舎指導員は寄宿舎指導員として勤務していただくことを予定しています。
勤務地
勤務地の希望はお聞きしますが、必要見込数等との兼ね合いもあり、必ずしもご希望どおりとなるものではありません。
兵庫県教育委員会「令和3年度定年退職者の再任用制度(概要)」で気になった点
- 「勤務成績が良好である場合は、1年ごとに令和8年度の末日まで更新することができます。」と明記されている。
- 短時間勤務の時間数が1種類のみで、割り振りは校長が行う。「希望される勤務時間は必ずしも希望どおりになるものではない。」とされている。
- 職務の内容は、退職時の職より下位のものになる。
【山梨県】「令和4年度採用 山梨県再任用県費負担教職員選考等実施要綱」より一部抜粋
再任用対象者
ア 令和3年度末において、定年退職する者
イ 令和3年度末において、64歳以下の再任用者(任期更新)
ウ 令和2年度末以前に退職した者のうち、25年以上勤続して退職したものであって、当該退職の日の翌日から起算して5年を経過する日までの間にあり、かつ、令和3年度末において、定年年齢に達している者(再任用対象者イの者を除く。)
再任用職員を充てる職
退職時の職が校長・教頭・主幹教諭・教諭
再任用の職
教諭
勤務形態
常時勤務・短時間勤務
配置所属
公立小中学校
退職時の職が養護教諭
再任用の職
養護教諭
勤務形態
常時勤務
配置所属
公立小中学校
退職時の職が栄養教諭
再任用の職
栄養教諭
勤務形態
常時勤務
配置所属
公立小中学校
退職時の職が学校栄養
再任用の職
主任学校栄養職員
勤務形態
常時勤務
配置所属
公立小中学校
退職時の職が学校事務
再任用の職
事務主任
勤務形態
常時勤務
配置所属
公立小中学校
退職時の職が校長・教頭・主幹教諭・教諭
再任用の職
行政職
勤務形態
常時勤務・短時間勤務
配置所属
委員会事務局・知事部局
※行政ポストについては、今後、組織及び人事の検討により配置が可能となる場合がある。
現状は未定である。
採用
採用は、新規、更新ともに面接・書類による選考とする。
- 勤務形態(常時勤務・短時間勤務)について、希望どおりにならない場合がある。
- 勤務校は現在の勤務校とは限らない。勤務校への配置は一般の教職員と同様に行う。
- 再任用対象者ウについては、再任用の職、採用教科により、採用しない場合がある。
- 当該再任用希望職員の意向に合わず辞退した場合は、採用できない。採用されなかった者の氏名、応募の事実については一切公表しない。
勤務形態
常時勤務
週5日 38時間45分勤務
短時間勤務
教育職
週19時間35分勤務
- 小学校…1日3時間55分×週5日
- 中学校…週の授業時間数等を考慮のうえ、学校が定める。
行政職
週5日30時間または週4日31時間
申込手続き
再任用対象者ア及び再任用対象者ウの提出書類
- 再任用希望申請書(第1号様式)
- 再任用選考推薦書・校長意見書(第2号様式・再任用対象者アのみ)。ただし、再任用を希望する教職員が校長である場合は、校長の意見の記入は必要ない。
- 評価書(写)(再任用対象者ウのみ)。退職校に在職最終年度の人事評価制度による評価書(写)の発行(厳封)を依頼する。
- 健康診断書。内定の通知を受けた者のみ後日、提出する。
再任用対象者イの提出書類
- 再任用の任期更新についての同意書(第3号様式)
- 再任用の任期更新推薦書・校長意見書(第4号様式)
- 健康診断書。内定の通知を受けた者のみ後日、提出する。
選考
- 再任用対象者ア及び再任用対象者イに対する面接は、地区担当管理主事が行う。
- 再任用対象者ウに対する面接は、再任用担当管理主事が行う。
- 再任用を希望する教職員の選考は、教職員としての勤務成績等を基に、当該再任用職に対する意欲、能力等を総合的に判断し行う。
「令和4年度採用 山梨県再任用県費負担教職員選考等実施要綱」で気になった点
- 「生年月日」と「退職した日」が条件に合えば、勤続年数にかかわらず再任用教職員選考審査の受験資格がある。
- 退職時の職が校長・教頭・主幹教諭だった者は教諭か委員会事務局職員か知事部局職員になり、常時勤務か短時間勤務になる。行政ポストについては、今後配置が可能となる場合がある。
- 退職時の職が養護教諭・栄養教諭の場合は、再任用の職も同職となる。勤務形態は常時勤務のみ。
- 退職時の職が学校栄養・学校事務だった場合、再任用の勤務形態は常時勤務のみ。
- 採用は、新規・更新ともに面接がある。
- 勤務形態は希望どおりにならない場合がある。
- 令和2年度末以前に退職した者のうち、25年以上勤続して退職したものであって、当該退職の日の翌日から起算して5年を経過する日までの間にあり、かつ、令和3年度末において、定年年齢に達している者(任期更新者を除く。)については、採用しない場合がある。
- 再任用希望職員の希望に合わず辞退した場合は、採用できない。
- 小学校短時間勤務は一種類のみ。
- 再任用申込手続き書類として、推薦書、校長意見書(「令和2年度末以前に退職した者のうち、25年以上勤続して退職したものであって、当該退職の日の翌日から起算して5年を経過する日までの間にあり、かつ、令和3年度末において、定年年齢に達している者」を除く。)が必要。
- 「令和2年度末以前に退職した者のうち、25年以上勤続して退職したものであって、当該退職の日の翌日から起算して5年を経過する日までの間にあり、かつ、令和3年度末において、定年年齢に達している者」は、退職校に在職最終年度の人事評価制度による評価書(写)の発行(厳封)を依頼する必要がある。
【島根県】島根県「再任用教職員選考申込書(令和4年度)」より一部抜粋
記入項目
勤務についての希望
職務
第1希望の「校種・教科(科目)・理由」と第2希望の「校種・教科(科目)・理由」を記入。
勤務地域
第1希望と第2希望を記入。
勤務形態
「常時勤務」・「どちらでもよい」・「短時間勤務」のうちから希望するものを○で囲む。
行政機関勤務についての希望
- 経験者のみ記入可(社会教育主事は市町村学校退職者のみ)。
- 「希望する」・「希望しない」のどちらかを選択。
- 「希望する」を選んだ場合は、「指導主事」・「社会教育主事」のうち、希望する職を選択。
健康状況(記入必須)
- 「良好」・「やや不良」・「病弱」のうちいずれかを選択。
- 「やや不良」か「病弱」の場合は、「既往症・持病等病名」と「療養期間」を記入。
自己アピール(知識・経験等)
島根県「再任用教職員選考申込書(令和4年度)」で気になる点
- 健康状況が「やや不良」か「病弱」の場合は、「既往症・持病等病名」と「療養期間」を記入する必要がある。
- 「自己アピール(知識・経験等)」欄がある。
- 「指導主事」「社会教育主事」への再任用がある。(経験者のみ)
島根県「再任用教職員に係る意見書(令和4年度)」より一部抜粋
上記の令和4年度再任用教職員選考申込者の勤務状況等については下記のとおり意見を提出します。
記入項目
- 勤務状況
- 活用できる知識・経験等
- 勤労意欲
- 健康状況
- その他
島根県「再任用教職員に係る意見書(令和4年度)」で気になる点
- 退職時の勤務校の校長が、島根県教育委員会教育長宛てに意見書を作成して提出しなければならない。
- 勤務状況、活用できる知識・経験等、勤労意欲、健康状況、その他を文章で記述する必要があり、校長は相当労力を使うと思われる。
- この意見書の内容如何により、再任用されない場合もあるということ。
地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか⑧~「再任用に関する地方公共団体の対応(教職員)」~まとめ
各地方公共団体の再任用に関する地方公共団体の対応(教職員)を比較した結果
- 「生年月日」と「退職した日」が条件に合えば、勤続年数にかかわらず再任用職員選考審査の受験資格がある。(関係資料を掲載した全ての地方公共団体で○:高知、青森、徳島、福島、山梨)
- 「校長・副校長・教頭」の再任用はフルタイム勤務に限られる。(高知○、青森○:全任用者フルタイム、徳島×、福島×、兵庫×、山梨×)
- 「フルタイム勤務のみ」の職種がある。(高知○、徳島○、青森○:全職種フルタイム)
- 年金受給年齢に達した人は、再任用されない可能性があることを示唆している。(高知○、徳島○、福島×、兵庫×、山梨○)
- 短時間勤務のバリエーションが限られる。(青森○:平成26年度末は短時間勤務はなし、福島○、兵庫○、山梨○)
- 健康状態に既往症や持病等病名・療養期間を記入する。(関係資料を掲載した2つの地方公共団体で○:徳島、島根)
- 「再任用における勤務実績が良好な場合には、所定の手続により任期の更新ができ、1年ごとの更新を繰り返した場合、任期は、最長で65歳に達する日以後の最初の3月31日まで」としている。(高知×:記述なし、青森○、徳島×:記述なし、福島○、兵庫○、山梨○)
- 障害者手帳の公布を受け、その障害の程度が1級から6級までの者については、本人の希望により配置先や通勤距離等について配慮される。(徳島県○)
- 退職時と同位の職か下位の職に再任用される。(高知○、青森○、徳島○、兵庫○、山梨○)
- 勤務地は必ずしも希望どおりにならない。(高知○、兵庫○、山梨○)
- 他の任命権者による再任用の可能性がある。(高知○、福島○)
- 管理職だった者の再任用の職種が管理職を含む。(高知○、青森×、徳島○、兵庫△:記述なし、山梨×)
- 管理職だった者の再任用の職種が教諭しかない。(青森○)
- 管理職だった者の再任用の職種に委員会や知事部局の行政職を含む。(山梨○)
- 再任用の職種に管理主事や社会教育主事の行政機関勤務を含む。(経験者のみ)(島根○)
- 管理職以外の者の再任用職員選考審査にも面接がある。(山梨○、徳島○)
- 「再任用教職員選考申込書」に自己アピール欄がある。(島根○)
- 場合によって勤務形態(フルタイム勤務・短時間勤務)の希望に添えない。(山梨○、兵庫○、徳島○)
- 療養中の場合は、管理職としての再任用はしない。(徳島○)
- 障害者手帳を持っている場合には管理職としての再任用はしない。(徳島○)
- 管理職としての再任用職員選考審査で小論文を課す。(徳島○)
- 短時間勤務の職の勤務時間のバリエーションが少ない。(青森○:全職種フルタイム勤務、福島○、兵庫○、山梨○)
- 再任用希望職員の希望に合わず辞退した場合は、採用しない。(山梨○)
- 「管理職として再任用されない場合、教諭としての再任用を希望するかどうか。」の記入欄がある。(高知○、徳島○)
- 「卓越した企画経営力、管理能力、統率力、人材育成力、判断力を有し市町村教育委員会教育長の推薦を受けた者」しか校長・副校長・教頭として再任用されない。(徳島○)
- 管理職の同職での再任用の年齢制限がある。(高知○)
- 退職時の勤務校の校長が、教育委員会教育長宛てに意見書を作成しなければならない場合がある。(徳島県×、山梨県○、島根県○)
各地方公共団体の再任用に関する地方公共団体の対応(教職員)まとめ
この記事では、
国は「定年退職した職員を再任用することは義務」と考えているのに、
法律では「定年退職した職員を再任用することは義務とはしていない」
ことの理由が、
各省庁や各地方公共団体では、60歳以上の職員を再雇用するための制度が十分整っておらず、
”すべての定年職者を「再任用する」という形で受け入れることが不可能であるから。”、
ではないか。
という仮説を立てて、地方公務員の教職員の再任用について検証してきました。
そして、結果として、
”各地方公共団体では、60歳以上の職員を再雇用するための制度が十分整っておらず、すべての定年退職者を「再任用する」という形で受け入れることが不可能であるから”
という仮説が正しかったことが分かりました。
なぜなら、各地方公共団体の再任用教職員の募集要項や選考試験、提出書類の説明を調べると、「希望するすべての教職員」の再任用を妨げる以下のような制度上の問題が浮かび上がってきたからです。
- 定年退職者は勤続年数にかかわらず再任用されるのに、定年前に退職した者は、勤続年数がいくら長くても再任用されない場合がある。
- 再任用教職員の職種によっては、フルタイム勤務のみの場合がある。
- 年金受給年齢に達した者は、再任用されない可能性がある。
- 短時間勤務の勤務時間のバリエーションが限られる場合がある。
- 既往症や持病、療養中かどうかによって再任用されない可能性がある。
- 再任用における勤務実績が良好でない場合には任期の更新ができない。
- 障害がある者は職種により再任用されない可能性がある。
- 勤務地や勤務時間、職種が希望どおりにならない可能性がある。
- 他の任命権者による再任用の可能性がある。
- 記入した自己アピールの内容によっては採用されない場合がある。
- 職種や勤務時間、勤務地が希望に沿わないとして辞退した場合は採用されない。
- 並外れた能力をもつ者しか管理職として再任用されない。
- 面接試験の結果により再任用されない場合がある。
- 退職時の勤務校の校長が作成した意見書の内容によっては再任用されない場合がある。
より優れた人材を再任用したいという意図は分かりますが、仮にも定年年齢に達するまで(又は定年年齢間近まで)教職員として苦労に耐えて勤務してきた貴重な人材です。
60歳(又は定年年齢)に達したからといって、このように「選別」によりふるい落とされたり、職種や勤務形態が希望に沿わず辞退するような状況に追い込まれたりすることは如何なものでしょうか?
それに、希望者には応募書類、校長には意見書を作成させ、教育委員会や教育長がそれを読んで評価したり、希望者一人一人と面接をしたりするために、希望者や関係者が使う労力は相当なものでしょう。
どのみち順次65歳まで定年が延長されることを踏まえれば、一刻も早く選別などなくし、余程のことがなければ、希望者全員を再任用すればよいと考えます。
管理職についても、令和5年度からは役職定年制が導入され、60歳に達したら原則として管理職を離れるのですから、特に選別はいらないように思います。
選別に労力をかけるぐらいなら、60歳を超えて短時間勤務を希望する人や役職定年となった元管理職を受け入れるため、新たな職を多く作って、より多くの教職員を再任用する方向に労力を使う方がよいはずです。
思うに、教員不足が深刻な中、敢えて選別を行うのは、公務員の定年を延長することに対する世間の厳しい目から逃れるためではないでしょうか。
「国や地方公共団体は、再任用を希望する者に対してその意欲や能力を厳しく評価して選んでいますよ。」
ということを世の中にアピールをしているだけ、のようにも思えます。
そして、別の視点から言うと、国家公務員法改正法の「60歳に達した職員の給与に関する検討条項」の、
60歳前後の給与水準が連続的なものとなるよう、国家公務員の給与制度について、人事院において公布後速やかに行われる昇任・昇格の基準、昇給の基準、俸給表などについての検討の状況を踏まえ、定年引上げ完成の前に所要の措置を順次講ずること。
公布後速やかに評語の区分など人事評価について検討を行い、施行日までに所要の措置を講ずること。
に呼応しているようにも捉えられます。(「公立学校教員・公務員の定年延長により2年に1度、教員採用試験と公務員試験の受験倍率が上がる!?(令和3年6月25日修正版)」参照)
つまり、
”60歳を超えた職員の給与がいきなり7割程度になるのは良くないから、人事評価に基づく昇任・昇給によって、徐々に給与が下がるようにしていきましょう。”
というこの検討条項の内容を実現するために、再任用職員に対しても、新たな任用や継続任用に当たっての人事評価を厳しくしていく、ということです。
何はともあれ、令和5年4月1日の地方公務員法改正法施行に向けて、今後、各地方公共団体が再任用に関する条例や規則をどのように変えるのか、注目したいものです。
次回は、”地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか⑧~「再任用に関する地方公共団体の対応(教職員以外)」~”をお届けします。
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