地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか④~公務員は定年退職後は必ず再任用されるの?~

頑張る高齢者 再任用制度
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  1. 地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか④~公務員は定年退職後は必ず再任用されるの?~はじめに
  2. 地方公務員法改正案施行で【再任用制度】がどう変わるのか(平成11年7月22日当時と令和3年6月4日一部改正後)
    1. 「定年退職者等の再任用」と「暫定再任用」の比較
      1. 「定年退職者等の再任用」地方公務員法第二十八条の四/平成11年7月22日当時
      2. 「定年退職者等の再任用に関する経過措置」【暫定再任用】地方公務員法附則第四条/令和3年6月4日一部改正後
      3. ※暫定再任用の任用に関する条件で、「勤続期間その他の事情を考慮して前各号に掲げる者に準ずる者として条例で定める者」とは
        1. 施行日前退職者
        2. 施行日以後退職者(令和14年3月31日まで)
      4. 「定年退職者等の再任用」と「暫定再任用」の比較まとめ
    2. 「再任用短時間勤務職員の任用」と「定年前再任用短時間勤務職員の任用」と「暫定再任用短時間勤務職員の任用」の比較
      1. 「再任用短時間勤務職員の任用」地方公務員法第二十八条の五/平成11年7月22日当時
      2. 「定年前再任用短時間勤務職員の任用」地方公務員法第二十二条の四/令和3年6月4日一部改正後
      3. 「暫定再任用短時間勤務職員の任用」地方公務員法附則第六条/令和3年6月4日一部改正後
      4. 「再任用短時間勤務」と「定年前再任用短時間勤務」と「暫定再任用短時間勤務」の比較まとめ
    3. 「暫定再任用勤務職員と暫定再任用短時間勤務職員の暫定再任用勤務職員への昇任・降任・転任」と「定年前再任用短時間勤務職員の常時勤務職員への昇任・降任・転任」比較
      1. 「暫定再任用勤務職員と暫定再任用短時間勤務職員の暫定再任用勤務職員への昇任・降任・転任」地方公務員法附則第八条/令和3年6月4日一部改正後
      2. 「定年前再任用短時間勤務職員の常時勤務職員への昇任・降任・転任」地方公務員法第二十二条の四/令和3年6月4日一部改正後
      3. 「暫定再任用勤務職員と暫定再任用短時間勤務職員の暫定再任用勤務職員への昇任・降任・転任」と「定年前再任用短時間勤務職員の常時勤務職員への昇任・降任・転任」比較まとめ
  3. 地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか④~公務員は定年退職後は必ず再任用されるの?~まとめ

地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか④~公務員は定年退職後は必ず再任用されるの?~はじめに

これまでいくつかの記事でもお伝えしてきたように、令和9年度に60歳を迎える昭和42年度生まれの方以降、公務員の定年が65歳となります。(特例定年等の一部の職種の方は除きます。)

そして、昭和42年度以前に生まれた公務員の方は、以前として、定年退職後に、給料も年金ももらえない空白期間ができてしまいます。(昭和35年度生まれの方までは、条件に合えば65歳前に「特別支給の老齢厚生年金」が支給されます。)

定年退職まで働いて、それ以降は再任用職員・再任用短時間勤務職員(令和5年度以降は「暫定再任用職員・暫定再任用短時間勤務職員」)として65歳まで勤務したい。

と考える公務員の方は今までもいました。

そのような方のために、令和13年度に65歳定年が完成形になるまでは、再任用(令和5年度以降は暫定再任用)制度は続きます。

さらに、以前の記事で取り上げたとおり、今回の改正で、60歳以降、定年年齢に達するまで短時間勤務したい方のため、「定年前再任用短時間勤務制」もできました。

ここで、65歳まで働きたい方が気になるのは、

公務員は定年退職後は、必ず再任用されるの?」、

「『定年前再任用短時間勤務制』は必ず利用できるの?

ということではないでしょうか。

結論は、

「公務員は定年退職後、従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により、場合によっては再任用職員として採用される。」

ということです。

また、「定年前再任用短時間勤務職員」についても、

「従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により、場合によっては採用される。」

という結論になります。

この記事では、今回の改正に関連する内容として「平成11年7月22日の地方公務員法一部改正」を比較対象とします。

そして「平成11年7月22日の地方公務員法一部改正当時」と、「令和3年6月4日の国家公務員法及び地方公務員法の一部改正後」を比較していきます。

すると、「地方公務員法施行で【再任用制度がどう変わるのか」が明らかになります。

次に、明らかになった点をもとに、「公務員は定年退職後は必ず再任用されるの?」、「定年前再任用短時間勤務制は必ず利用できるの?」という疑問の答えを見付けていきます。

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地方公務員法改正案施行で【再任用制度】がどう変わるのか(平成11年7月22日当時と令和3年6月4日一部改正後)

「定年退職者等の再任用」と「暫定再任用」の比較

「定年退職者等の再任用」地方公務員法第二十八条の四/平成11年7月22日当時

任命権者は、当該地方公共団体の定年退職者等第二十八条の二第一項の規定(定年による退職)により退職した者若しくは前条の規定により勤務した後退職した者又は定年退職日以前に退職した者のうち勤続期間等を考慮してこれらに準ずるものとして条例で定める者をいう。以下同じ。)を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、常時勤務を要する職に採用することができる。ただし、その者がその者を採用しようとする職に係る定年に達していないときは、この限りでない。(再任用フルタイム勤務)

前項の任期又はこの項の規定により更新された任期は、条例で定めるところにより、一年を超えない範囲内で更新することができる。

前二項の規定による任期については、その末日は、その者が条例で定める年齢に達する日以降における最初の三月三十一日までの間において条例で定める日以前でなければならない。

前項の年齢は、国の職員につき定められている任期の末日に係る年齢を基準として定めるものとする。

第一項の規定による採用については、第二十二条第一項の規定(※)は適用しない。

第二十二条第一項の規定(※)「条件付採用」

職員の採用は、全て条件付のものとし、当該職員がその職において六月を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに正式採用になるものとする。この場合において、人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定めるところにより、条件付採用の期間を一年に至るまで延長することができる。

「定年退職者等の再任用に関する経過措置」【暫定再任用】地方公務員法附則第四条/令和3年6月4日一部改正後

  1. 任命権者は、当該任命権者の属する地方公共団体における次に掲げる者のうち、条例で定める年齢(第四項において「特定年齢」という。)に達する日以降における最初の三月三十一日(以下「特定年齢到達年度の末日」という。)までの間にある者であって、当該者を採用しようとする常時勤務を要する職に係る旧地方公務員法第二十八条の二第二項(国の職員につき定められている定年を基準として条例で定めるもの)及び第三項(条例で別の定めがされたもの)の規定に基づく定年(施行日以降に設置された職その他の条例で定める職にあっては、条例で定める年齢)に達している者を、条例で定めるところにより、従前の勤務実績その他の人事委員会規則(地方公務員法第九条第二項に規定する競争試験等を行う公平委員会(以下この項及び次条第二項において「競争試験等を行う公平委員会」という。)を置く地方公共団体においては公平委員会規則、人事委員会及び競争試験等を行う公平委員会を置かない地方公共団体においては地方公共団体の規則。以下同じ。)で定める情報に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、当該常時勤務を要する職に採用することができる。(暫定再任用フルタイム勤務/施行前定年)

①施行日前に旧地方公務員法第二十八条の二第一項の規定により退職した者(定年による退職/施行前定年)

旧地方公務員法第二十八条の三第一項若しくは第二項(定年による退職の特例/施行前定年)又は前条第五項(再任用短時間勤務/施行前定年)若しくは第六項(再任用フルタイム勤務/施行前定年)の規定により勤務した後退職した者

施行日前に退職した者(前二号に掲げる者を除く。)のうち、勤続期間その他の事情を考慮して前二号に掲げる者に準ずる者として条例で定める者(※)

  1. 令和十四年三月三十一日までの間、任命権者は、当該任命権者の属する地方公共団体における次に掲げる者のうち、特定年齢到達年度の末日までの間にある者であって、当該者を採用しようとする常時勤務を要する職に係る新地方公務員法定年(新地方公務員法第二十八条の六第二項(国の職員につき定められている定年を基準として条例で定めるもの/施行後定年)及び三項条例で別の定めをしたもの/施行後定年の規定に基づく定年をいう。次条第三項及び第四項において同じ。)に達している者を、条例で定めるところにより、従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め当該常時勤務を要する職に採用することができる。(暫定再任用フルタイム勤務/施行後定年)

施行日以後に新地方公務員法第二十八条の六第一項の規定により退職した者(定年による退職/施行後定年)

②施行日以後に新地方公務員法第二十八条の七第一項又は第二項の規定により勤務した後退職した者(定年による退職の特例/施行後定年)

③施行日以後に新地方公務員法第二十二条の四第一項の規定(定年前再任用短時間勤務)により採用された者のうち、同条第三項に規定する任期(定年)が満了したことにより退職した者(定年前再任用短時間勤務/施行後定年)

④施行日以後に新地方公務員法第二十二条の五第一項又は第二項の規定(定年前再任用短時間勤務組合)により採用された者のうち、同条第三項において準用する新地方公務員法第二十二条の四第三項に規定する任期(定年)が満了することにより退職した者(定年前再任用短時間勤務組合/施行後定年)

⑤施行日以後に退職した者(前号各号に掲げる者を除く。)のうち、勤続期間その他の事情を考慮して前各号に掲げる者に準ずる者として条例で定める者(※)

  1. 前二項の任期又はこの項の規定により更新された任期は、条例で定めるところにより、一年を超えない範囲内で更新することができる。ただし、当該任期の末日は、前二項の規定により採用する者又はこの項の規定により任期を更新する者の特定年齢到達年度の末日以前でなければならない。
  2. 特定年齢は、国の職員につき定められている令和三年国家公務員法等改正法附則第四条第一項に規定する年齢を基準として定めるものとする。
  3. 第一項及び第二項の規定による採用については、新地方公務員法第二十二条の規定(条件付採用)は、適用しない。
国家公務員法の一部を改正する法律改正の概要 定年の引上げ等について 再任用
「国家公務員法の一部を改正する法律/改正の概要~定年の引上げ等について~令和5年4月1日施行(内閣官房内閣人事局)」より一部抜粋

※暫定再任用の任用に関する条件で、「勤続期間その他の事情を考慮して前各号に掲げる者に準ずる者として条例で定める者」とは

施行日前退職者
施行日以後退職者(令和14年3月31日まで)
定年引上げに伴う条例例及び規則例等の整備の概要について 再任用
定年引上げに伴う条例例及び規則例等の整備の概要について(令和3年12月28日総務省自治行政局通知/総行公第154号総行給第81号)より一部抜粋

「定年退職者等の再任用」と「暫定再任用」の比較まとめ

  • 令和3年6月4日一部改正で初めて「暫定再任用制度」ができた。
  • 「定年退職等の再任用」では「従前の勤務実績等に基づく選考」だったが、「暫定再任用」では、「従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考と明記された。
  • 常時勤務を要する職に採用することができる。」、「条例で定めるところにより、一年を超えない範囲内で更新することができる。」という文言は、「定年退職者の再任用」(平成11年7月22日当時)と「暫定再任用」(令和3年6月4日一部改正後)ともに同じ。
  • 平成11年7月22日当時「定年退職者の再任用」も、令和3年6月4日一部改正後「暫定再任用」も、条件が合えば必ず採用される訳ではない。
  • 定年前再任用短時間勤務職員として定年まで勤務した者再任用短時間勤務職員として勤務した後退職した者再任用フルタイム勤務職員として勤務した後退職した者常勤職員として勤務した定年退職者勤務延長後退職した者それに準ずる者として条例で定められた条件に該当する者であって、特定年齢到達年度の末日までにあるものは、暫定再任用勤務職員(フルタイムか短時間)として採用することができる。
  • 現行再任用制度で再任用されて施行日を迎えた職員は、施行日において暫定再任用職員として採用されたものとみなされる。(任期は従前の再任用職員としての任期の残任期間と同じ。)定年引上げに伴う条例例及び規則例等の整備の概要について(令和3年12月28日総務省自治行政局通知/総行公第154号総行給第81号)より
  • 定年前再任用短時間勤務職員は、定年まで勤務しないと、暫定再任用勤務職員(フルタイムか短時間)に採用されない。
  • 定年まで勤務した後退職した者に準ずる者として、「25年以上勤続して退職した者であっ退職の日の翌日から起算して5年を経過する日までの間にあるもの」や「25年以上勤続して退職した者であって退職の日の翌日から起算して5年を経過する日までの間に暫定再任用(又は旧法の規定による再任用)をされたことがあるもの」が認められている。

「再任用短時間勤務職員の任用」と「定年前再任用短時間勤務職員の任用」と「暫定再任用短時間勤務職員の任用」の比較

「再任用短時間勤務職員の任用」地方公務員法第二十八条の五/平成11年7月22日当時

  1. 任命権者は、当該地方公共団体の定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、短時間勤務の職(当該職を含める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種のものを占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるものをいう。第三項及び第二項において同じ。)に採用することができる。(再任用短時間勤務/旧)
  2. 前項の規定により採用された職員の任期については、前条第二項から第四項までの規定(任期は一年を超えない範囲で更新可、その者が条例で定める年齢に達する日以後における最初の三月三十一日までの間において条例で定める日以前、国の職員につき定められている年齢を基準として定める)を準用する。
  3. 短時間勤務の職については、定年退職者等のうち第二十八条の二第一項から第三項までの規定職員は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日までの間において、条例で定める日に退職/国の職員につき定められている定年を基準として条例で定める/条例で別の定めをすることができる)の適用があるものとした場合の当該職に係る定年に達した者に限り任用することができるものとする。

「定年前再任用短時間勤務職員の任用」地方公務員法第二十二条の四/令和3年6月4日一部改正後

  1. 任命権者は、当該任命権者の属する地方公共団体の条例年齢以上退職者(条例で定める年齢に達した日以降に退職(臨時的に任用される職員その他の法律により任期を定めて任用される職員及び非常勤職員が退職する場合を除く。)をした者をいう。以下同じ。)を、条例で定めるところにより、従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により、短時間勤務の職(当該職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種の職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間である職をいう。以下同じ。)に採用することができる。ただし、条例年齢以上退職者がその者を採用しようとする短時間勤務の職に係る定年退職日相当日(短時間勤務の職を占める職員が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種の職を占めているものとした場合における第二十八条の六第一項に規定する定年退職日(職員は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日までの間において、条例で定める日に退職する。)をいう。第三項及び第四項において同じ。)を経過した者であるときは、この限りでない。(定年前再任用短時間勤務)
  2. 前項の条例で定める年齢は、国の職員につき定められている国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第六十条の二第一項に規定する年齢を基準として定めるものとする。
  3. 第一項の規定により採用された職員(以下この条及び第二十九条第三項において「定年前再任用短時間勤務職員」という。)の任期は、採用の日から定年退職日相当日までとする。
  4. 任命権者は、条例年齢以上退職者のうちその者を採用しようとする短時間勤務の職に係る定年退職日相当日を経過していない者以外の者を当該短時間勤務の職に採用することができず定年前再任用短時間勤務職員のうち当該定年前再任用短時間勤務職員を昇任し、降任し、又は転任しようとする短時間勤務の職に係る定年退職日相当日を経過していない定年前再任用短時間勤務職員以外の職員を当該短時間勤務の職に昇任し、降任し、又は転任することができない。
  5. 任命権者は、定年前再任用短時間勤務職員を、常時勤務を要する職に昇任し、降任し、又は転任することができない。
  6. 第一項の規定による採用については、二十二条の規定(条件付採用)は、適用しない。
定年前再任用短時間勤務制の導入 国家公務員法の一部を改正する法律 改正の概要 定年の引上げ等について
「国家公務員法の一部を改正する法律/改正の概要~定年の引上げ等について~令和5年4月1日施行(内閣官房内閣人事局)」より一部抜粋

「暫定再任用短時間勤務職員の任用」地方公務員法附則第六条/令和3年6月4日一部改正後

  1. 任命権者は、新地方公務員法第二十二条の四第四項定年退職日相当日を経過していない者以外の者を定年前再任用短時間勤務職員に採用できないし、定年前再任用短時間勤務職員に昇任・降任・転任することもできない。)の規定にかかわらず、当該任命権者の属する地方公共団体における附則第四条第一項各号に掲げる者(※前述)のうち、特定年齢到達年度の末日までの間にある者であって、当該者を採用しようとする短時間勤務の職(新地方公務員法第二十二条の四第一項に規定する短時間勤務の職をいう。附則第八条第二項を除き、以下同じ。)に係る旧地方公務員法定年相当年齢(短時間勤務の職を占めているものとした場合における旧地方公務員法第二十八条の二第二項(国の職員につき定められている定年を基準として条例で定めるもの)及び第三項(条例で別の定めをするもの)の規定に基づく定年(施行日以降に設置された職その他の条例で定める職にあっては、条例で定める年齢)をいう。次条第一項及び第二項において同じ。)に達している者を、条例で定めるところにより、従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、当該短時間勤務の職に採用することができる。(暫定再任用短時間勤務/施行前定年)
  2. 令和十三年三月三十一日までの間、任命権者は、新地方公務員法第二十二条の四第四項(定年退職日相当日を経過していない者以外の者を定年前再任用短時間勤務職員に採用できないし、定年前再任用短時間勤務職員に昇任・降任・転任することもできない。)の規定にかかわらず、当該任命権者の属する地方公共団体における附則第四条第二項各号に掲げる者(※前述のうち、特定年齢到達年度の末日までの間にある者であって、当該者を採用しようとする短時間勤務の職に係る新地方公務員法定年相当年齢(短時間勤務の職を占める職員が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種の職を占めているものとした場合における新地方公務員法第二十八条の六第二項及び第三項の規定に基づく定年をいう。次条第三項及び第四項において同じ。)に達している者(新地方公務員法第二十二条の四第一項の規定(定年前再任用短時間勤務)により当該短時間勤務の職に採用することができる者を除く。)を、条例で定めるところにより、従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、当該短時間勤務の職に採用することができる。(暫定再任用短時間勤務/施行後定年)
  3. 第二項の場合においては、附則第四条第三項及び第五項の規定(※前述)を準用する。

「再任用短時間勤務」と「定年前再任用短時間勤務」と「暫定再任用短時間勤務」の比較まとめ

  • 令和3年6月4日一部改正で、初めて「定年前再任用短時間勤務」と「暫定再任用短時間勤務」の制度ができた。
  • 令和3年6月4日一部改正で、「従前の勤務実績に基づく選考により」が、「従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により」と明記された。
  • ~に採用することができる。」の文言は、平成11年7月22日当時と令和3年6月4日一部改正後ともに同じ。
  • 「再任用短時間勤務職員」も「定年前再任用短時間勤務職員」も「暫定再任用短時間勤務職員」も条件が合えば必ず採用される訳ではない。
  • 短時間勤務の職に係る定年退職日を経過していない定年前再任用短時間勤務職員は、定年前再任用短時間勤務の職に昇任し、降任し、又は転任することができる。
  • 定年前再任用短時間勤務職員を、常時勤務を要する職に昇任し、降任し、又は転任することができない。
  • 定年前再任用短時間勤務職員を新たに常勤職員に採用することは可能。

「暫定再任用勤務職員と暫定再任用短時間勤務職員の暫定再任用勤務職員への昇任・降任・転任」と「定年前再任用短時間勤務職員の常時勤務職員への昇任・降任・転任」比較

「暫定再任用勤務職員と暫定再任用短時間勤務職員の暫定再任用勤務職員への昇任・降任・転任」地方公務員法附則第八条/令和3年6月4日一部改正後

  1. 任命権者は、附則第四条第一項(暫定再任用フル施行前)、第五条第一項(暫定再任用組合フル施行前)若しくは第二項(暫定再任用組合フル施工前)若しくは第六条第一項(暫定再任用短時間施行前)又は前条(第七条?)第一項(暫定再任用組合短時間施行前若しくは第二項(暫定再任用組合短時間施行前?)の規定により採用した職員のうち当該職員を昇任し、降任し、又は転任しようとする常時勤務を要する職に係る旧地方公務員法第二十八条の二第二項国の職員につき定められている定年を基準として条例で定めるもの)及び第三項(その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるため条例で別の定めをしたもの)の規定に基づく定年(施行日以後に設置された職その他の条例で定める職にあっては、条例で定める定年)に達した職員以外の職員及び附則第四条第二項(暫定再任用フル施行後)、第五条第三項(暫定再任用組合フル施行後)若しくは第四項(暫定再任用組合フル施行後)若しくは第六条第二項(暫定再任用短時間施行後)又は前条(第七条?)第三項(暫定再任用組合短時間施行後?)若しくは第四項(暫定再任用組合短時間施行後?)の規定により採用した職員のうち当該職員を昇任し、降任し、又は転任しようとする常時勤務を要する職に係る新地方公務員法第二十八条の六第二項(国の職員につき定められている定年を基準として条例で定めるもの)及び第三項(条例で別の定めをしたもの)の規定に基づく定年に達した職員以外の職員を、当該常時勤務を要する職に昇任し、降任し、又は転任することができない。
地方公務員法の一部を改正する法律について 地方公務員の定年引上げ関係 定年引上げ図 再任用 暫定再任用 定年前再任用短時間勤務
「地方公務員法の一部を改正する法律について(地方公務員の定年引上げ関係)」/令和3年6月25日/総務省公務員部より一部抜粋

「定年前再任用短時間勤務職員の常時勤務職員への昇任・降任・転任」地方公務員法第二十二条の四/令和3年6月4日一部改正後

  1. 任命権者は、条例年齢以上退職者のうちその者を採用しようとする短時間勤務の職に係る定年退職日相当日を経過していない者以外の者を当該短時間勤務の職に採用することができず定年前再任用短時間勤務職員のうち当該定年前再任用短時間勤務職員を昇任し、降任し、又は転任しようとする短時間勤務の職に係る定年退職日相当日を経過していない定年前再任用短時間勤務職員以外の職員を当該短時間勤務の職に昇任し、降任し、又は転任することができない。(定年前再任用短時間勤務)
  2. 任命権者は、定年前再任用短時間勤務職員を、常時勤務を要する職に昇任し、降任し、又は転任することができない。

「暫定再任用勤務職員と暫定再任用短時間勤務職員の暫定再任用勤務職員への昇任・降任・転任」と「定年前再任用短時間勤務職員の常時勤務職員への昇任・降任・転任」比較まとめ

  • 暫定再任用勤務職員と暫定再任用短時間勤務職員の暫定再任用勤務職員への昇任・降任・転任はできる。
  • 定年前再任用短時間勤務職員常勤職員への昇任・降任・転任はできない。
  • 定年前再任用短時間勤務職員を新たに常勤職員に採用することは可能。
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地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか④~公務員は定年退職後は必ず再任用されるの?~まとめ

今回は、「地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか④~公務員は定年退職後は必ず再任用されるの?~」というテーマで調べたことをまとめました。

結論は、

「公務員は定年退職後、従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により、場合によっては再任用職員として採用される。」

ということです。

なぜなら、「従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考」があるからです。

そして、法律の文言も、「採用することができる。」というものにとどまっているからです。

(ただし、現行再任用制度で再任用されて施行日を迎えた職員は、施行日においてそのまま暫定再任用職員として採用されたものとみなされます。

また、「定年前再任用短時間勤務職員」についても、

「従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により、場合によっては採用される。」

という結論になります。

ここで、「従前の勤務実績その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考」がどんな内容なのか気になってきました。

そして、「再任用職員に採用することができる。」という表現が使われていますが、「だからといって再任用されない者がでてきてしまってもいいのか。それでは退職後、年金支給開始まで無給期間ができてしまうではないか。」というところにも、疑問を感じます。

次回以降の記事で、いずれそれらの問題に迫ります。

次回は、「地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか⑤~定年による退職の特例が実際適用される場面は?~」というテーマで書いていきます。

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