はじめに
小学校担任教師は多忙です。
「学校の働き方改革」と言われて久しいです。
少しずつ改善されつつありますが、それでも、まだその多忙さは、「休憩どころか、トイレに行く暇もない。」と言われています。
実際はどうなのか、小学校担任教師の1日を紹介します。
あくまでも、私の経験に基づく一例です。
長年経験した人しか分からない情報が満載です。
始業前
教室解錠
7時30分~8時
- 窓開け
- 授業準備
登校指導
8時~8時15分
- 集団登校の見回り
- 門に立ち、あいさつや服装の乱れの指導
- 不登校の子のお迎え
- 門の施錠など
勤務時間開始/職員打ち合わせ
8時15分~8時30分
- 職員室で打ち合わせ
- 登校時にけがをした子の対応
- 不登校児童の対応
- 朝の支度の指導
- 朝会や集会の移動の指導
授業
業前の活動
8時30分~8時45分
- 朝の支度が終わっていない子の支援
- 朝学習
- 朝会
- 集会
朝の会
8時45分~8時50分
- 体調観察(コロナ禍では検温や検温カードチェックも)
- 連絡事項の伝達
- 配布物配布
- 提出物集め
- 宿題の提出状況のチェック
- 保護者からの連絡帳への記入内容の確認(最近はメール連絡になったところも)
1時間目~4時間目の授業(途中10分~15分の休み時間あり)
8時50分~12時25分
給食の準備
12時25分~12時40分
- 給食の準備の指導
- 白衣の着方の指導
- 運搬の付き添い
- 配膳の指導と手伝い
- 白衣のたたみ方の指導
給食
12時40分~13時
- 食べ残しがないように声をかける
- マナーの指導
- お替わりのルール決め
- こぼした子の処理を手伝う
- 吐いた子がいたら、嘔吐物の処理と汚れた衣服の洗濯をする
- 自分も給食を食べる
給食の片付け
13時~13時10分
- 食器の片付け方の指導
- ゴミの分別の仕方の指導
- 運搬の付き添い
- 調理員さんへのお礼の言葉の指導
清掃の指導
13時10分~13時25分
- 道具の使い方の指導
- 清掃の仕方の指導
- 一緒に清掃をする
昼休み
13時25分~13時40分
- 余裕があれば、子どもと一緒に遊ぶ
5時間目の授業
13時40分~14時25分
休み時間
14時25分~14時35分
- 5時間授業の日は帰りの会・下校
6時間目の授業
14時35分~15時20分
- 低学年は学年下校の指導
- 下校斑ごとに並ばせる
- 人員確認をする
- お迎えの子を保護者に引き渡す
- 下校途中まで付き添い
- 横断歩道の渡り方や歩き方の指導をする
帰りの会・下校指導
15時20分~15時30分
- 帰りの支度
- 持ち帰るものの確認
- 1日の生活の振り返り
- 明日の連絡の確認
授業後
職員会や研修・学年会
15時~16時
- 全学年5時間授業の日
校内の見回り・戸締まり
15時45分~16時
- 職員の中で交代制
部活動
15時30分~(最近は小学校部活動はなくなったり時間や活動日数が減ったり指導員が指導するところも)
- 顧問のみ
勤務時間終了後
部活動
~17時30分(最近は小学校部活動はなくなったり時間や活動日数が減ったり指導員が指導するところも)
- 顧問のみ
保護者への電話連絡
- 怪我、体調不良の場合の報告
- 友達とのトラブルや問題行動の報告
- 提出物の催促
- その他
保護者との面談
- 問題行動
- アレルギー
- その他
学区内で児童の問題行動があった場合の対応
- 交通事故
- 帰宅しない
- 非行
- その他
行事前は、行事の準備
- 運動会
- 作品展
- 学芸会
- その他
校務分掌の仕事
- 行事の担当者
- 授業研究の担当者
- 学校会計の担当者(最近は教師の仕事ではなく事務職員や教育委員会の業務となったところも)
- 給食主任
- 就学援助の担当者(最近は教師の仕事ではなく事務職員や教育委員会の業務となったところも)
- 保健主事
- 校務主任
- その他
学年の仕事
- 会計(最近は教師の仕事ではなく、事務職員や教育委員会の業務となったところも)
- 学年主任
- 授業研究の担当
- 行事の担当
- その他
学級の事務的な仕事
- 集金(最近は自動引落し&教師の仕事でなく事務職員や教育委員会の業務となったところも)
- 健康調査票やアンケートなどの回収とチェック(最近はアンケートはグーグルフォームなどを使って行うところも)
- 学級経営案や指導要録などの作成
- 配慮を要する児童の名簿の作成
- 出席簿の作成
- 進度予定表の作成
- 出席簿の作成
- 問題行動やけがの報告書の作成
- その他
テストの採点や評価
- 評価基準の作成
- テストの作成
- テストの採点
- プリント・ノートの評価
- データ集計
授業研究・準備
- 校内の研究授業の指導案作成・検討・反省
- 普段の授業の進め方についての学年での話し合いや準備
教室環境の整備
- 図工の作品の掲示
- 教室内の机や掲示物の整備
- 壊れた物の修繕
- 生徒用タブレットや教師用タブレット・パソコン等の準備・整備
- 机や椅子の消毒(コロナウイルス対応)(支援員さんの業務になっているところも)
飼っている生き物や栽培している植物の世話
- えさやり
- 水やり
- 畑の土づくり
- 草取り
- その他
組合活動
強制ではありませんが、出世コースの一つでもあります。
研究会活動
強制ではありませんが、出世コースの一つでもあります。
休み時間
保護者への電話連絡(最近はタブレットやメールを活用する場合も)
- 無断欠席
- 体調不良の子
下校方法の学年での情報共有
- 欠席した子
- 授業後学童保育に行く子
- お迎えの子
欠席した児童への連絡
- 連絡帳や配布物を、近所の児童に家まで届けるように手配する(最近はタブレットやメール等を活用する場合も)
連絡帳を書かせる
- 内容をチェックし、押印する(最近はタブレットを活用する場合も)
連絡帳の返事を書く
- 保護者から連絡帳に連絡や相談などの記入があった場合は、その返事を書く(最近はメール等を活用する場合も)
ノートやプリントの点検・評価
学習が遅れている子の指導
けんかやもめ事の仲裁・指導
問題行動があった子の指導
授業の片付け・準備
体育の前後は着替え指導
- 自分も着替える
怪我をした子や体の調子が悪い子への対応・処置
手洗い・トイレ・遊び・廊下の歩き方指導
図書室の本の貸し出しや体育倉庫のボールなどの貸し出しの管理
多人数のもめ事・問題行動の指導
- 他のクラスの子や他の学年の子とのもめ事の指導
- 集団登下校時の問題行動やもめ事の指導
- 地域での遊び方の指導
部活動や委員会の連絡や活動
働き方改革で、軽減された仕事
「働き方改革」の推進で、なくなった仕事は、
- 学級日誌の記入
ぐらいでしょうか。
あと、コンピュータを使うことで、業務の効率化が進みました。
それは、
- 通知表
- 出席簿
- 進度予定表
- 指導要録
のデータが、連携されるようになり、以前より、それらの仕事にかかる時間が削減されたことです。
それでも、まだまだ、やるべき仕事が山のようにあります。
まとめ
いかがでしたか。
意外に多いのが、勤務時間終了後の仕事です。
もちろん、授業の空き時間や、勤務時間終了前に時間が充分あれば、勤務時間後でなくてもできるものが多いです。
しかし、現実にはそうできない場合が多いです。
あと、
担任の教師にとって、大事な仕事が、前述した休み時間の仕事の数々です。
授業中よりも、ミスがあってはいけないのは、むしろそちらの方で、神経を使う繊細な仕事が多いです。
だからといって、授業をいい加減にしていいわけではないので、時間がいくらあっても足りないという感じです。
私は、休み時間、トイレに行くことはできましたが、休憩は全くできませんでした。
給食も、ゆっくり味わって食べることはありませんでした。
それにもかかわらず、小学校の教師を志望する人がいて、教師になった人の多くが仕事を仕事を続けているのは、その大変さ以上のメリットがあるからだと思います。
次回「小学校担任教師の多忙な毎日を、元教師の私が、経験を交えて公開します/学級の仕事以外/学年」以降で、そのあたりも記事にまとめていきます。
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