- はじめに
- 文部科学省2019年度(令和元年度)概算要求のポイント
- 文部科学省2019年度(令和元年度)概算要求主要事項(平成30年8月30日)
- 2019年度(令和元年度)文部科学省概算要求(平成30年8月30日)
- 2019年度(令和元年度)概算要求 義務教育費国庫負担金…1兆5,200億円(対前年度予算額▲28億円)
- 新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革のための指導・運営体制の構築(~2026年度までの8ヶ年計画)
- 2019年度(令和元年度)概算要求 学校における業務の適正化
- 専門スタッフ・外部人材の拡充
- 多彩な人材の参画による学校の教育力向上~補習等のための指導員等派遣事業~…61億円(平成30年度概算要求51億円、予算48億円)
- スクールカウンセラーの配置拡充【再掲】
- スクールソーシャルワーカーの配置拡充【再掲】
- いじめ防止等のためのスクールロイヤー活用に関する調査研究【再掲】
- 特別支援教育専門家の配置(切れ目ない支援体制整備事業の内数)【後掲】
- いじめ・不登校対応等の推進…75億2,400万円(平成30年度概算要求72億8,100万円、予算63億9,700万円)
- 切れ目ない支援体制構築に向けた特別支援教育の充実…27億7,700万円(平成30年度概算要求24億3,500万円、予算23億9,800万円)
- 切れ目ない支援体制整備充実事業…19億1,000万円(平成30年度概算要求19億8,800万円、予算16億円)
- 学校における医療的ケア実施体制構築事業…6,100万円(平成30年度概算要求6,300万円、予算5,900万円)、20地域
- 発達障害の可能性のある児童生徒等に対する支援事業…2億3,300万円(平成30年度概算要求2億9,900万円、予算2億8,000万円)
- 学校と福祉機関の連携支援事業…1,100万円【新規】
- 特別支援教育に関する教職員の資質向上事業…5,200万円(平成30年度概算要求1億9,000万円、予算5,000万円)
- 学習指導要領等の改訂及び学習・指導方法の改善・充実…1億4,600万円(平成30年度概算要求1億2,800万円、予算1億400万円)
- 学校における交流及び共同学習を通じた障害者理解(心のバリアフリー)の推進事業…6,900万円(平成30年度概算要求1億円、予算8,600万円)
- 教科書デジタルデータを活用した拡大教科書、音声教材等普及促進…2億1,900万円(平成30年度概算要求1億5,200万円、予算1億4,600万円)
- キャリア教育・職業教育の充実…5億3,800万円(平成30年度概算要求1億8,400万円、予算1億4,200万円)
- 教育分野におけるEBPMの推進…60億2,000万円(平成30年度予算56億1,300万円)
- 情報教育・外国語教育の充実…38億800万円(平成30年度予算22億4,700万円)
- 次世代の教育情報化推進事業…1億2,800万円(平成30年度予算1億800万円)
- 情報モラル教育推進事業…6,300万円(平成30年度概算要求5,300万円、予算2,000万円)
- 統合型校務支援システム導入実証研究事業【再掲】…3億1,100万円(平成30年度概算要求6億700万円/年、予算3億1,100万円)
- 遠隔教育システム導入実証研究事業…5,200万円(平成30年度概算要求2億900万円/年、予算5,200万円)
- 次世代学校支援モデル構築事業…1億1,900万円(平成30年度概算要求1億3,800万円、予算1億1,900万円)
- ICTを活用した教育推進自治体応援事業…7,800万円(平成30年度概算要求7,100万円、予算2,900万円)
- 教育用コンテンツ奨励事業…1,300万円(平成30年度概算要求1,300万円、予算同)
- 学校における未来型教育テクノロジーの効果的な活用に向けた開発・実証研究事業【後掲】…7億円【新規】
- 先端技術を活用した幼児教育分野の実証研究【後掲】…5,000万円【新規】
- デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究…3,600万円(平成30年度概算要求3,600万円、予算1,400万円)
- 小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業等…11億8,500万円(平成30年度概算要求9億6,500万円、予算7億3,700万円)
- スーパーグローバルハイスクール…5億600万円(平成30年度概算要求8億6,900万円、予算8億4,300万円)
- WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業【再掲】…1億6,700万円【新規】
- 地域との協働による高等学校教育改革推進事業【再掲】…4億円【新規】
- 我が国の伝統・文化教育の充実に係る調査研究…廃止
- グローバル社会における児童生徒の学びの機会の確保と充実
- Society5.0に向けた人材育成…13億1,700万円【新規】
- 共生社会の実現及び学校安全の推進
- 女性の活躍推進等のための環境整備
- 学びを通じた地域づくりと学校・家庭・地域の連携・協働
- 要旨
- 内容
- 学校を核とした地域力強化プラン…83億200万円(平成30年度概算要求80億5,500万円、予算64億7,500万円)
- 地域学校協働活動推進事業…77億4,900万円(平成30年度概算要求74億4、300万円、予算60億1,200万円)
- コミュニティ・スクール推進体制構築事業…8,500万円(平成30年度概算要求1億7,800万円、予算9,800万円)
- 地域における家庭教育支援基盤構築事業~家庭教育支援チーム強化促進プラン~…9,100万円(平成30年度概算要求1億1,100万円、予算7,300万円)
- 地域を担う人材育成のためのキャリアプランニング推進事業…1,700万円(平成30年度概算要求800万円、予算800万円)
- 地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業…1億1,900万円(平成30年度概算要求1億1,100万円、予算1億600万円)
- 地域と連携した学校保健推進事業…800万円(平成30年度概算要求同、予算同)
- 健全育成のための体験活動推進事業…1億5,000万円(平成30年度概算要求9,900万円、予算同)
- 子供の読書活動の推進…4,500万円(平成30年度予算2,400万円)
- 学びを通じた社会参画の推進に関する実証研究事業…4,500万円【新規】
- 学校を核とした地域力強化プラン…83億200万円(平成30年度概算要求80億5,500万円、予算64億7,500万円)
- 少子化に対応した活力ある学校教育の推進…24億2,500万円(平成30年度予算24億2,100万円)
- 学校健康教育の推進…2億3,500万円(平成30年度概算要求5億9,700万円、予算2億2,300万円)
- 教育課程の充実…29億1,100万円(平成30年度概算要求33億2,400万円、予算24億6,100万円)
- 学習指導要領等の趣旨徹底等及び新学習指導要領の円滑な実施に向けた取組の推進…2億300万円(平成30年度予算2億5,800万円)
- 基礎学力に課題を抱える児童生徒への支援の充実…3,000万円【新規】
- 次代を見据えた教育課程・指導方法等に関する先導的研究開発…8,400万円(平成30年度概算要求7,300万円、予算6,900万円)
- 理数教育の充実のための総合的な支援等…22億9,100万円(平成30年度概算要求21億6,400万円、予算18億9,100万円 )
- 現代的課題に対応した教育の充実等…1億3,000万円(平成30年度概算要求9,400万円、予算1億1,300万円)
- 特別支援学校学習指導要領等の趣旨徹底等及び学習・指導方法の改善・充実【後掲】…1億4,600万円(平成30年度予算1億400万円)
- 幼稚園教育課程の理解の推進【後掲】…2,600万円(平成30年度予算同)
- 子供の体験活動の推進…1億5,200万円(平成30年度予算1億100万円)
- 道徳教育の充実…42億1,800万円(平成30年度予算35億2,400万円)
- 幼児教育の振興…541億700万円※事項要求含む(平成30年度予算341億6,700万円)
- 2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会、2019年ラグビーW杯等に向けた準備
- スポーツ施策の総合的な推進~経済・地域の活性化~
- スポーツ施策の総合的な推進~スポーツ参画人口の拡大、障害者スポーツの推進、社会貢献~
- 【スポーツ施策の総合的な推進】~学校体育・持続可能な運動部活動の推進~
- まとめ
はじめに
「学校給食費徴収・管理業務の改善・充実」事業はどうなった?
「学校における働き方改革は可能か㉝~「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」と平成30年度予算~」で書いたように、「学校給食費徴収・管理業務の改善・充実」事業は、平成30年度に初めて予算化された事業でした。
教職員の業務負担軽減の観点から、学校給食費の徴収・管理業務について、学校から自治体への移管を促進するため、自治体による徴収・管理の課題の解決方法等の調査研究を行い、学校給食費の徴収・管理業務に関するガイドラインを作成するものでした。
平成30年度予算でガイドラインの作成が終了したため、2019年度(令和元年度)は文部科学省は予算を要求しませんでした。
いわゆる自治体へ「丸投げ」ということでしょう。
では、その後はどうするのか。
文部科学省は平成28年度から行ってきた、「教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査」の内容を改め、令和元年度から「教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査」を始めました。
政府はこのような調査を行い、各自治体の働き方改革の状況を毎年公表しています。
このように各自治体の進捗状況を国民に公表して「見える化」することで、各自治体が学校における働き方改革を進めていない場合は、自治体が国民からの批判を受けることを、自治体へのペナルティとしているのです。
また、学校の働き方改革が進んでいる自治体には教員業務支援員※(スクール・サポート・スタッフのこと:令和3年8月23日「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」施行により新たにその名称と職務内容が規定された。)や部活動指導員を配置する予算を配分するなどの、インセンティブを与えることもあります。(この記事の【4.4.専門スタッフ・外部人材の拡充】「補習等のための指導員等派遣事業」の「スクール・サポート・スタッフの配置」や「中学校における部活動指導員の配置」を参照してください。)
ですので、教育委員会は各学校に向けて教職員の在校等時間を減らすように指示を出し、各学校の管理職はそれを受けて勤務時間の改ざんをせざるを得ないような状況が生まれるわけです。
そして、これが、政府からの資金的な援助はなくても、各自治体で資金を捻出して、学校の働き方改革を進めさせるための手法です。
しかしながら、学校給食費の徴収や管理業務を教育委員会や自治体の職員などが担うには、新たにそのための人材が必要で、自治体が予算を投じなくてはいけません。
そのため、予算の関係等でそれができない自治体は令和元年の調査時はもちろん、令和3年の調査でも、相変わらず学校事務職員や教員などの学校職員が給食費の徴収や管理業務を行っています。
自民党が給食費を無償化する動き(令和4年12月2日追記)
“11月24日、自民党の文部科学部会終了後に、中村裕之部会長が「義務教育は無償という原点に立ち返って、再来年度以降の予算確保につなげる」と語ったという。””部会では「自治体が負担する形で、無償化する動きのある給食費について、『自治体の財政状況によって差が生じるべきではない。食育に絡む給食は教育の一環であり、国が負担して行うべき』という意見がでた」そうだ。”(千葉工業大学准教授 福島尚子先生記事より引用 (「隠れ教育費研究室」に掲載))という記事を見つけました。
来年度以降(令和5年度以降)のどこかのタイミングから、給食費が無償になる可能性が高いと思います。
すると、当然学校が担っている給食費徴収・管理業務もなくなります!!
しかしながら、給食を食べている児童生徒数やアレルギーで特別食となっている児童生徒数、長期欠席などで給食を停止した児童生徒数、給食実施回数などを報告する事務を学校が担うことには変わりはないとは思います。
兎にも角にも、学校が給食費が未納の児童生徒を把握したり、その児童生徒の保護者に支払いを督促したり、就学援助を受けている児童生徒数を役所に報告して就学援助費を請求したり、給食費の合計金額を計算して給食センターや業者などに支払いをしたり、毎月及び年度末に収支報告をしたりといった業務がなくなることになりますので、学校現場の負担は相当減ることになるでしょう。
一刻も早く実現させてほしいものです。
令和3年度学校給食費に係る公会計化等の推進状況調査の結果について(令和4年12月23日)文部科学省1月4日発表(令和5年1月8日追記)
文科省より「令和3年度学校給食費に係る公会計化等の推進状況調査の結果について」という報道発表が令和4年12月23日になされたことが、令和5年1月4日の文部科学省のサイトに掲載されました。
「このたび、令和3年度における学校給食費の公会計化等の推進状況を取りまとめましたのでお知らせします」とあり、令和3年5月1日現在の調査結果を取りまとめた内容を、1年半以上たった今頃になって発表しています。
「今後の対応」として、「既に公会計化等を実現している自治体の事例をまとめ、学校給食費徴収・管理に関するガイドライン(令和2年11月4日一部改正)、学校給食費の公会計化等に関する Q&A(令和4年12月)とともに地方公共団体へ通知済みであり、引き続き、学校給食費の公会計化等の促進を図る」とあります。
私がこの記事を公開したのが令和4年11月10日でした。
文部科学省はその後の令和4年12月に、「令和3年度学校給食費に係る公会計化等の推進状況調査の結果について」と、以前作成した「学校給食費徴収・管理に関するガイドライン」と、今回新たに作成した「学校給食費の公会計化等に関するQ&A」を、地方公共団体に通知したということです。
何だか私のこの記事を見て、学校給食費の公会計化を地方公共団体に改めて促すために、文部科学省が地方公共団体への通知を行い、わざわざ報道発表したように思えてなりませんが、自意識過剰でしょうか?
もし本当に私の記事が文部科学省に影響を及ぼし、給食費の公会計化が推進されるとしたらうれしいことです。
部活動の地域移行について
いよいよ学校部活動が、令和5年度から徐々に地域部活動へと移行されます。
【学校における働き方改革は可能か⑩~「学校における働き方改革推進本部(第4回)」の部活動に関する議事内容(令和2年9月1日)について~】では、令和2年9月1日に開催された「第4回学校における働き方改革推進本部」資料の「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」、「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革のスケジュールについて」について述べました。
これらの資料にあったように、まずは、令和5年度からは休日の部活動が徐々に地域部活動へと移行されていきます。
令和4年10月現在、各自治体で主に中学校の休日の部活動について議論され、早いところでは、すでに休日や平日の部活動の一部が学校以外の地域の担い手によって行われている自治体も出てきています。
ただし、自治体によって取組方法や進捗状況はまちまちで、まだやっと議論が始まったばかりというところもあるようです。
部活動を学校以外の地域の担い手に移行することを議論するとき必ず問題になるのが、部活動の運営費用を誰が負担するのかということです。
今までは、教師のほぼ無償の勤務時間外労働のおかげで、児童生徒は無料で部活動指導を受けることができていたのです。
学校部活動の地域部活動への移行により保護者が費用を負担することになれば、保護者や世間から批判を受けるのは当然です。
スポーツ庁や経済産業省からは、部活動の地域移行の方法に関する様々な提案がされ、実践研究も行われています。
さまざまな自治体で現在、どうやったら保護者の費用負担を少なくしつつ、学校以外の担い手によって部活動を運営することができるのか、知恵を絞っているようです。
私の記事でもいずれ、その当たりのことについて詳しく書くつもりです。
この記事の内容について
このシリーズの直近の記事の公開からだいぶ間隔が開いてしまいました。
そこで、まず、このシリーズの直近の記事である、「学校における働き方改革は可能か㉞~第3期教育振興基本計画、経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太2018)~」の内容のおさらいをします。
その後、2019年度(令和元年度)文部科学省概算要求の内容から、学校における働き方改革に関する施策について詳しく調べてその内容をお伝えしていきます。
大きな特徴としては、2020年度に新学習指導要領が小学校から順次全面実施されることに合わせ、情報教育と外国語教育に関する事業に対する予算要求が増えたことと、第3期教育振興基本計画で教育政策の重点事項に書かれた「Society5.0」に関連する事業が始まったことがあります。
その他の点についても大まかに説明すると、2019年度概算要求に新しく加わった文部科学省の政策のうち、学校における働き方改革に大きく関係するものとして、「次世代のライフプランニング教育推進事業」が9,800万円の予算で新規に要求されたことが挙げられます。
これは、次世代を担う若者が、固定的な性別役割分担意識にとらわれず主体的に多様な進路を選択することができるよう、学校教育段階から男女共同参画意識の醸造を図るため、学校で活用できるライフプランニング教育プログラムや、教員研修プログラムを開発する事業でした。
ほかに、「共生社会の実現に向けた帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援」に関する事業も大幅に増額を要求しました。
また、「学校と福祉機関の連携支援事業」という新たな事業に1,100万円を要求しました。
これは、障害のある子供に対する、一貫した支援の提供に資するため、学校と障害児通所支援事業所(放課後デイサービス事業所等)の効率的かつ効果的な連携の在り方について調査研究を行う事業でした。
成年年齢の引下げを見据え、「若年者の消費者教育の推進に関する集中強化プラン」事業も大幅に増額されました。
そして、幼児教育の無償化の実施のために事項要求を行ったり幼児教育の質の向上のために多くの事業を新規で要求したりとしたことが、2019年度文部科学省概算要求の特徴でした。
さらに、「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」や「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業」を新たに始めるための予算を要求するなど、高等学校が担う役割を増やそうとするのも、2019年度の文部科学省の政策の特徴でした。
「全国的な学力調査の実施」事業では、中学校第3学年の英語の悉皆調査で「聞くこと」、「読むこと」、「書くこと」、「話すこと」の4技能を測るための予算を初めて要求しました。
直近の記事の概要
「学校における働き方改革は可能か㉞~第3期教育振興基本計画、経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太2018)」の記事の中で、平成30年2月9日に、「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に関する取組の徹底について」が、文部科学省から通知されたことを書きました。
また、平成31年度(2019年度・令和元年度)の予算編成の方針である「経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太2018)が、平成30年6月15日に閣議決定されたことを書きました。
さらに、平成30年度から平成34年度までの5年間の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るために政府が策定する「第3期教育振興基本計画」が同日に閣議決定されたことも書きました。
しかし、この第3期教育振興基本計画の計画を実行中、平成31年度(2019年度・令和元年度)の終わりの令和2年2月に、新型コロナウイルス感染症対策としての臨時休校などが起こり、第3期教育振興基本計画の順調な遂行が危うい状況に陥ってしまいました。
平成30年2月9日「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理に係る取組の徹底について」
「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に関する取組の徹底について」が、平成30年2月9日に通知されました。 文部科学省として取り組む「学校における働き方改革に関する緊急対策」について周知するとともに、学校における働き方を見直し、限られた時間の中で教師が専門性を生かしつつ、授業や授業準備、研修の時間や、児童生徒と向き合うための時間を十分確保し、教師が自らの人間性を高め、児童生徒に対して効果的な教育活動を行うため、各教育委員会等における取組(中教審「中間まとめ」で取り組むべきとされた方策)の徹底を呼びかけるものでした。
経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太2018)(平成30年6月15日/閣議決定)
「経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太2018)」が平成30年6月15日に閣議決定されました。
第2章の「5.重要課題への取組」の「教育の質の向上等」から、学校における働き方関連の項目を抜粋します。
- 学校現場での教員の勤務実態を改善するため、適正な勤務時間管理の徹底や業務の効率化・精選などの緊急対策を具体的に推進するとともに、学校の指導・事務体制の効率的な強化・充実や学校の実態に応じた教員の勤務時間制度の在り方などの勤務状況を踏まえた勤務環境の見直し、小学校における教育課程の弾力的運用についての検討を進める。
第3章の「4.主要分野ごとの計画の基本方針と重要課題/文教・科学技術等/少子化の進展を踏まえた予算の効率化、教育の質の向上等」から、学校における働き方関連の項目を抜粋します。
- 少子化の進展や厳しい財政状況等の中での教育の質の向上を図るため、教育政策の実証研究を踏まえた予算の裏付けのある公立小中学校の教職員定数の中期見通しを策定するとともに、学校における働き方改革に向け、英語・プログラミング等の分野での特別免許状教員等の外部人材の拡充、部活動における外部人材や民間機関の活用など学校と地域の連携・協働を進める。
- また、学校施設について先進・優良事例の横展開を含め長寿命化に向けた施設計画策定や学校統合、廃校施設の活用促進に一体的に取り組むとともに、学校事務の共同実施、教育の情報化等について、KPI※を掲げ工程化して推進する。※KPIとは…重要業績評価指数
第3期教育振興基本計画(平成30年6月15日/閣議決定)
平成30年6月15日に閣議決定された第3期教育振興基本計画は、平成30年度から平成34年度までの5年間の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るために政府が策定するものでした。
この第2部「今後5年間の教育政策の目標と施策群」の基本的な方針5「教育施策推進のための基盤を整備する」では、⑯として「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導体制の整備等→小中学校の教諭の1週間あたりの学内総勤務時間の短縮」、⑰として「ICT利活用のための基盤の整備→学習者用コンピュータを3クラスに1クラス分程度整備」という目標と測定指標・参考指標(例)が掲げられていました。
文部科学省2019年度(令和元年度)概算要求のポイント
文部科学省の2019年度(令和元年度)概算要求・要望額は5兆9,351億円で対前年度増減率は+11.8%でした。
「人生100年時代」や「Society 5.0」※の到来を見据えながら、日本を誰にでもチャンスがあふれる国へと変えていくため、教育再生、科学技術イノベーション、スポーツ・文化の振興により、「人づくり革命」を断行し、「生産性革命」を実現するものでした。
…
文教関係予算のポイント
文部科学省の2019年度(令和元年度)文教関係予算の概算要求・要望額は、4兆4,103億円で、前年度(平成30年度)予算より3,700億円増でした。
教育政策推進のための基盤の整備
新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革のための指導運営体制を構築し、「チームとしての学校」を実現
- 義務教育費国庫負担金…1兆5,200億円(▲28億円)
- 専門スタッフ・外部人材の拡充…144億円(22億円増)
- 学校現場における業務改善加速化事業…1.2億円(0.2億円増)
大学等の基盤的経費を充実しつつ、評価や客観的指標に基づくメリハリある配分により改革の推進等を図るとともに、高専の高度化・国際化を推進
- 国立大学改革の推進…1兆1,349億円(338億円増)
- 私立大学等の改革の推進…4,773億円(496億円増)
- 国立高等専門学校の高度化・国際化…650億円(25億円増)
児童生徒等の安全と健康を守るため、学校施設の耐震化、ブロック塀等の安全対策、空調整備等の防災機能強化や、教育研究環境の改善等を推進
- 公立学校施設整備…2,432億円(1,750億円増)
- 国立大学等施設整備…823億円(447億円増)
- 私立学校施設整備…533億円(431億円増)
- 認定こども園施設整備…200億円(178億円増)
夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力の育成
地域と学校の連携・協働を推進し地域力を強化するとともに、地域全体で学校安全体制を構築
- 学校を核とした地域力強化プラン…83億円(18億円増)
- 学校安全総合支援事業…2億円(0.2億円増)
英語教育やプログラミング教育、道徳教育など、新しい時代に求められる資質・能力を育成するための支援を充実
- 小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業…12億円(4億円増)
- 次世代の教育情報化推進事業…1.3億円(0.2億円増)
- 道徳教育の抜本的充実・改善…42億円(7億円増)
スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置拡充やSNS等を活用した相談体制構築など、いじめ・不登校対応等を推進
- スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置拡充…69億円(8億円増)
- SNS等を活用した相談事業…4億円(3億円増)
- 夜間中学における就学機会の提供推進…0.7億円(0.3億円増)
変化の激しい時代において、子供たちが新たな価値を創造する力を育成するため、高大接続改革を推進
- 「大学入学共通テスト」準備事業…33億円(19億円増)
- 大学入学者選抜改革推進委託事業…3億円(1億円増)
社会の持続的な発展をけん引するための多様な力の育成
グローバル社会における児童生徒の教育機会を確保・充実
- 在外教育施設の教育機能の強化…182億円(2億円増)
- アジア高校生架け橋プロジェクト…5億円(3億円増)
卓越した博士人材を養成するためのプログラムを拡充
- 卓越大学院プログラム…131億円(75億円増)
生涯学び、活躍できる環境の整備
人生100年時代を見据えて、リカレント教育等社会人が学び直す機会を拡充
- 産学コラボレーション人材育成システム構築事業…19億円(新規)
- 専修学校におけるリカレント教育や学びを通じた社会参画の推進…6億円(新規)
就学前から卒業後まで、特別支援教育の生涯学習化を推進
- 学校卒業後における障害者の学びの支援…1億円(0.2億円増)
- 切れ目ない支援体制構築に向けた特別支援教育の充実…28億円(4億円増)
誰もが社会の担い手になるための学びのセーフティネットの構築
幼児教育の無償化、高校生等への修学支援、大学等奨学金事業の充実など、各教育段階の負担軽減により学びのセーフティネットを構築
- 幼児教育無償化の実施…(事項要求)
- 高校生等への修学支援…3,857億円(15億円増)
- 大学等奨学金事業の充実…1,377億円(216億円増)
外国人受入れ拡大に対応した日本語教育・外国人児童生徒等への教育を充実
- 生活者としての外国人に対する日本語教育の充実…5億円(3億円増)
- 外国人児童生徒等への教育の充実…7億円(4億円増)
Society 5.0に向けた人材育成
公正に個別最適化された学びの実現や、文理分断からの脱却など、Society 5.0に向けた人材を育成
- 学校における未来型教育テクノロジーの効果的な活用に向けた開発・実証推進事業…7億円(新規)
- WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業…2億円(新規)
- 地域との協働による高等学校教育改革推進事業…4億円(新規)
- 数理・データサイエンスの基礎的素養から高度な専門分野までの人材育成…20億円(2億円増)
スポーツ関係予算のポイント
文部科学省の2019年度(令和元年度)スポーツ関係予算の概算要求・要望額は、462億円で、前年度(平成30年度)予算より122億円増でした。
競技力向上事業の充実や、ナショナルトレーニングセンターの拡充整備など、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、2019年ラグビーW杯等に向けた準備を推進
- 競技力向上事業…110億円(14億円増)
- ナショナルトレーニングセンターの拡充整備…86億円(49億円増)
- スポーツ・フォー・トゥモロー等推進プログラム…12億円(1億円増)
- アンチ・ドーピング体制の整備・強化…3億円(0.2億円増)
大学スポーツの振興や、スポーツの成長産業化、障害者スポーツの振興、スポーツ・インテグリティの体制整備など、スポーツ施策を総合的に推進
- 大学スポーツの振興(日本版NCAA(仮称)の充実等)…2億円(0.5億円増)
- スポーツ産業の成長促進事業…3億円(1億円増)
- 障害者スポーツ推進プロジェクト…1億円(0.5億円増)
- スポーツ・インテグリティの体制整備…1億円(0.5億円増)
文化芸術関係予算のポイント
文部科学省の2019年度(令和元年度)文化芸術関係予算の概算要求・要望額は、1,331億円で、前年度(平成30年度)予算より253億円増でした。
文化芸術立国の実現に向けて、文化・芸術創造活動への効果的な支援や、新たな時代に対応した文化芸術人材の育成等を推進
- 我が国の文化芸術の創造力向上と国際的発信…83億円(38億円増)
- 文化芸術による創造性豊かな子供の育成…71億円(5億円増)
文化財を確実に次世代へ継承するため、文化財防衛の推進、文化財を支える技の伝承基盤強化、日本遺産など観光資源としての魅力向上に資する取組を実施
- 適切な修理周期等による文化財防衛の推進…278億円(41億円増)
- 社会情勢に対応した文化財保護への機動的対応…11億円(新規)
文化財活用のためにセンター機能を整備するとともに、国際的な文化芸術の拠点を形成するなど、文化資源の戦略的活用による創造的で活力ある社会づくりを推進
- 文化財活用のためのセンター機能の整備…10億円(2億円増)
- 国際的な文化芸術の拠点形成等…83億円(44億円増)
文部科学省2019年度(令和元年度)概算要求主要事項(平成30年8月30日)
2019年度文部科学関係要求の概要
歳出予算
一般会計の2019年度要求・要望額は、5兆9,351億1,300万円で、前年度比較増減額は6,263億1,000万円(11.8%)の増でした。
「新しい日本のための優先課題推進枠」要望一覧
「新しい日本のための優先課題推進枠」の中で、学校における働き方改革に関連の深い事業にかかる予算として以下のものが要望されました。
- 義務教育費国庫負担金…57億3,700万円
- スクールサポートスタッフの配置…4億9,728万円
- 中学校における部活動指導員の配置…7億9,800万円
- 学校を核とした地域力強化プラン…75億7,955万4,000円
2019年度(令和元年度)文部科学省概算要求(平成30年8月30日)
2019年度(令和元年度)概算要求 義務教育費国庫負担金…1兆5,200億円(対前年度予算額▲28億円)
厳しい財政状況を勘案し、真に必要性の高い事項に限定することにより、国民に追加的な財政負担を求めないように最大限努める。
教職員定数の改善…+2,615人(+56億円)
学校における働き方改革…+2,000人
学校の指導体制の充実ー教員の持ちコマ数削減による教育の質の向上ー
- 小学校専科指導の充実(小学校英語教育の早期化・教科化に伴う、一定の英語力を有し、質の高い英語教育を行う専科指導教員の充実)…+1,000人(平成30年度予算+1,000人、概算要求+2,200人)
- 中学校生徒指導体制の強化…+500人(平成30年度予算+50人、概算要求+500人)
学校の運営体制の強化
- 学校総務・財務業務の軽減のための共同学校事務体制の強化(事務職員)…+400人(平成30年度予算+40人、概算要求+400人)
- 主幹教諭の配置充実による学校マネジメント機能強化…+100人(平成30年度予算+0人、概算要求+100人)
複雑化・困難化する教育課題への対応関連…+1,115人【再掲含む】
- いじめ・不登校等の未然防止・早期対応等の強化…+500人【再掲】(平成30年度予算+50人、概算要求+500人)
- 貧困等に起因する学力課題の解消…+500人(平成30年度予算+50人、概算要求+100人)
- 「チーム学校」の実現に向けた学校の指導体制の基盤整備(養護教諭・栄養教諭等)…+40人(平成30年度予算+20人、概算要求+40人)
- 統合校・小規模校への支援…+75人(平成30年度予算+50人、概算要求+75人)
※上記の他、平成29(2017)年の義務標準法改正に伴う基礎定数化関連の定数増減。
(内訳)
- 通級による指導…+348人(平成30年度予算+505人)
- 日本語指導…+68人(平成30年度予算+58人)
- 初任者指導…+72人(平成30年度予算+63人)
- 自然減等…▲242人(平成30年度予算▲241人)
計+246人(平成30年度予算+385人)
教員給与の見直し+1億円
- 管理職手当の改善(校長・副校長・教頭の支給率改善)
- 部活動手当の支給要件の見直し(土日4時間程度を土日3時間程度に見直し)
教職員の若返り等による給与減▲28億円
新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革のための指導・運営体制の構築(~2026年度までの8ヶ年計画)
教職員定数の改善…+18,910人
学校における働き方改革…+15,975人
学校の指導体制の充実ー教員の持ちコマ数軽減による教育の質の向上ー
- 小学校専科指導の充実…+3,000人(新学習指導要領における小学校外国語教育の授業時間増〈小3~6:週1コマ相当〉に対応し、質の高い英語教育を行うことのできる専科指導教員の確保)
- 中学校生徒指導体制の強化…+4,050人(生徒指導専任の教員を充実し、授業準備等の充実を図る)
学校運営体制の強化
- 学校総務・財務業務の軽減のための共同学校事務体制強化(事務職員)…+8,325人
- 主幹教諭の配置充実による学校マネジメント機能強化…+600人
複雑化・困難化する教育課題への対応【再掲含む】…+6,985人
- いじめ・不登校等の未然防止・早期対応等の強化【再掲】…+4,050人
- 貧困等に起因する学力課題の解消…+750人
- 「チーム学校」の実現に向けた学校の指導体制の基盤整備…+1,310人
- 統合校・小規模校への支援…+875人
今後の教職員定数の見通し
「経済・財政再生計画」を踏まえ、少子化の進展、学校の規模適正化の動向、学校の課題に関する客観的データ、実証研究の進展、地方自治体の政策ニーズ等を踏まえた予算の裏付のある教職員定数の中期見通しを策定。
区分 | 2019~2026 | うち2019 |
---|---|---|
定数改善(a) | 18,910人 | 2,615人 |
基礎化関連当然増(b) | 3,091人 | 246人 |
小計(a+b) | 22,001人 | 2,861人 |
自然減(c) | ▲30,320人 | ▲2,872人 |
差し引き増減(a+b+c) | ▲8,319人 | ▲11人 |
【関連施策】教育政策に関する実証研究…2,800万円(平成30年度概算要求5,700万円、予算3,100万円)
有識者や意欲ある自治体の協力を得つつ、時代の変化に対応した新しい教育への取組、いじめ・不登校、子供の貧困等の学校の課題に関する状況や、それらの課題に対応するための指導体制の在り方など、教育政策の効果を評価する実証研究を実施するための予算です。
2019年度(令和元年度)概算要求 学校における業務の適正化
学校現場における業務改善加速事業…1億2,100万円(平成30年度概算要求2億8,100万円、予算1億400万円)
教員の長時間勤務を見直すことで、教員自らが意欲と能力を最大限発揮できる環境を整備し、ひいては学校教育の質を向上させるため、国・教育委員会(都道府県・市町村)・学校が有機的に連携し、一体的・総合的に業務改善を推進する取組を実施する。
- 業務改善加速のための実証研究…業務改善に集中的に取り組むモデル自治体等において、各学校における勤務時間管理の徹底をはじめ、教員の業務の見直し、意識改革のための研修等、業務改善の取組を強力に推進
- 業務改善アドバイザーの派遣
- 長時間勤務是正に向けた普及・啓発 等
学校給食費徴収・管理業務の改善・充実…廃止(平成30年度概算要求4,700万円、予算1,800万円)
「学校給食費徴収・管理業務の改善・充実」事業は、平成30年度に初めて予算化された事業でした。
教職員の業務負担軽減の観点から、学校給食費の徴収・管理業務について、学校から自治体への移管を促進するため、自治体による徴収・管理の課題の解決方法等の調査研究を行い、学校給食費の徴収・管理業務に関するガイドラインを作成するものでした。
平成30年度予算でガイドラインの作成が終了したため、2019年(令和元年)では予算を要求しませんでした。
「学校給食費等の徴収・管理業務に関するガイドライン」は、このあと、2019年(令和元年)7月31日に「学校給食費等の徴収に関する公会計化等の推進について」という通知とともに文部科学省より発出されました。
しかし、「はじめに」で記述したように、令和3年の調査時も、このガイドラインが守られていない自治体がありました。
地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業【再掲】…1億1,900万円(平成30年度概算要求1億1,100万円、予算1億600万円)
「スクールガード(学校安全ボランティア)」の活用等により、地域ぐるみで子供の安全見守る体制を整備する事業です。平成30年度は、警察官OBや防犯の専門家等を1,539箇所でスクールガード・リーダーとして委嘱しました。
統合型校務支援システム導入実証研究事業…3億1,100万円(平成30年度概算要求6億700万円、予算3億1,100万円)
平成30年度に始まった事業で、教員の業務負担軽減及びそれに通じた教育の質の向上を図る観点から、学校における校務の情報化を効率的に図るため、都道府県単位での統合型校務支援システムの共同調達・運用の促進に係る実証事業を行うものでした。
専門スタッフ・外部人材の拡充
多彩な人材の参画による学校の教育力向上~補習等のための指導員等派遣事業~…61億円(平成30年度概算要求51億円、予算48億円)
多彩な人材の参画による学校の教育力向上~補習等のための指導員等派遣事業~として、2019年度(令和元年度)概算要求で61億円を要求しました。
「チーム学校」の理念を踏まえ、教師と多様な人材の連携により、学校教育活動の充実と「働き方改革」を実現するための事業でした。
多彩な人材がスクールサポートスタッフとして学校の教育活動に参画する取組を支援するため、公立学校の教育活動として実施する取組を行う次のようなサポートスタッフ(非常勤)の配置に要する費用の1/3以内を補助するものでした。
学力向上を目的とした学校教育活動支援…7,700人(31億円)(平成30年度予算7,700人/31億円)/当該分野に知見のある人材(退職教職員や教師志望の大学生など)
児童生徒の学習サポート
- 補習や発展的な学習への対応
- 外国人児童生徒等の学力向上への取組
学校生活適応への支援
- 不登校・中途退学への対応
- いじめへの対応
進路指導・キャリア教育
- キャリア教育支援
- 就職支援
その他(教師の指導力向上等)
- 校長経験者による若手教員への授業指導
- 子供の体験活動の実施への支援
スクール・サポート・スタッフの配置…4,000人(17億円)(平成30年度概算要求3,600人(15億円)、予算3,000人(12億円))
平成30年度から始まった事業です。
2019年度(令和元年度)は、4,000人分(17億円)を要求しました。
教師の負担軽減を図るための事業として実施するものでした。
各自治体において明確な成果目標を設定し、効果の検証を含めて実施するものに対し、補助を行うものでした。
教員サポート【拡充】<3,000人→3,600人>
教師がより児童生徒への指導や教材研究等に注力できる体制を整備し、教師の負担軽減を図るため、学習プリント等の印刷などを教師に代わって行うサポートスタッフの配置を支援するものでした。
主に卒業生の保護者などを想定していました。
副校長・教頭サポート【新規】<400人>
副校長・教頭が学校のマネジメント等に注力できるよう、勤怠管理や調査報告、施設管理、電話・来客対応等の副校長・教頭の業務の一部を補助するサポートスタッフの配置を支援するもので、新規の事業として要求しました。
主に元教職員、行政・企業事務経験者などを想定していました。
中学校における部活動指導員の配置…12,000人(13億円)(平成30年度概算要求7,100人(15億400万人)、予算4,500人(5億円))
平成30年から始まった事業で、適正な練習時間や休養日の設定など部活動の適正化を進めている教育委員会(※1)を対象に部活動指導員(※2)の配置を支援する事業でした。
1,500校を4,000校に拡充するための予算を要望しました。
※1 「運動部の在り方に関する総合的なガイドライン」を遵守するとともに、教師の負担軽減の状況を適切に把握するなど、一定の要件を満たす学校設置者に対して支援を行う。
※2 学校教育法施行規則第78条の2に該当する者
※3 中学校等は、公立の中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程、特別支援学校の中学部
※4 スポーツだけでなく、文化、科学等に関する部活動についても対象
スクールカウンセラーの配置拡充【再掲】
スクールソーシャルワーカーの配置拡充【再掲】
いじめ防止等のためのスクールロイヤー活用に関する調査研究【再掲】
特別支援教育専門家の配置(切れ目ない支援体制整備事業の内数)【後掲】
いじめ・不登校対応等の推進…75億2,400万円(平成30年度概算要求72億8,100万円、予算63億9,700万円)
要旨
- 「ニッポン一億総活躍プラン」、教育再生実行会議、「いじめ防止対策推進法」及び「いじめの防止等のための基本的な方針」を踏まえ、いじめの未然防止、早期発見・早期対応や相談体制の整備及びインターネット及びSNSを通じて行われるいじめへの対応など、地方公共団体にいじめ問題をはじめとする生徒指導上の諸課題への対応等のための支援体制を整備するほか、専門スタッフの配置拡充を図る。
- 平成28年に成立した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」及び同法に基づき策定した基本方針を踏まえ、不登校児童生徒等に対する教育機会の確保の推進のため、教育委員会・学校、関係機関の連携等による不登校児童生徒へのきめ細かな支援体制を整備するとともに、夜間中学の設置促進等を図る。
いじめ対策・不登校支援総合推進事業…74億5,800万円(平成30年度概算要求72億1,000万円、予算63億6,000万円)
外部専門家を活用した教育相談体制の整備・関係機関との連携強化等…72億4,000万円(平成30年度概算要求67億700万円、予算61億4,400万円)
スクールカウンセラーの配置拡充…48億7,300万円(平成30年度概算要求48億600万円、予算45億6,900万円)
- スクールカウンセラーの配置の増…27,500校(平成30年概算要求27,500校、平成30年度予算26,700校)【全公立小中学校へ配置】
- 中学校の通常配置(4,800校)に加え、小中連携型配置の拡充(3,600校→5,000校)による公立小中学校の相談体制の連携促進。
- 生徒指導上、大きな問題を抱える公立中学校等においてスクールカウンセラーによる週5日制相談体制(200校)を実施。
- 小学校の通常配置(7,500校)に加え、小中連携配置の拡充(7,200校→10,000校)による公立小中学校の相談体制の連携促進。
- 貧困・虐待対策のための重点配置…1,500校(平成30年度1,000校)
- 不登校支援のための教育支援センター(適応指導教室)の機能強化…250箇所(平成30年度250箇所)
- 連絡協議会の開催等を通じた質向上の取組の支援
スクールソーシャルワーカーの配置拡充…19億7,800万円(平成30年度概算要求18億4,200万円、予算14億8,400万円)
スクールソーシャルワーカーの配置の増…10,000人(平成30年度概算要求8,047人、予算7,547人)
- 小中学校のための配置…10,000人
- 高等学校のための配置(47人)
- 貧困・虐待対策のための重点加配(1,000人→1,500人)
- スーパーバイザー(47人)の配置 等
24時間子供SOSダイヤル
幅広い外部専門家を活用していじめ問題等の解決に向けて調整、支援する取組の促進等
- 第三者的立場から調整・解決する取組…67地域(平成30年度予算67地域)
- 外部専門家を活用して学校を支援する取組…67地域(平成30年度予算67地域)
- インターネットを通じたいじめ問題等に対応するための学校ネットパトロール等(5地域)への支援(平成30年度予算10地域)
- 重大事態等発生時の指導助言体制の強化(現状把握や現地支援を行うための職員派遣)
SNS等を活用した相談事業
いじめを含め、様々な悩みを抱える児童生徒に対するSNS等を活用した相談体制の構築を図る。
- 相談体制構築のための立ち上げ・準備経費(5地域)
- 相談の実証事業経費【新規】(30地域)
いじめ対策・不登校支援等推進事業…1億9,000万円(平成30年度概算要求4億6,200万円、予算1億9,000万円)
自殺予防に対する効果的な取組に関する調査研究…2箇所
脳科学・精神医学・心理学等に関する研究と学校教育の連携による調査研究…1箇所
学校教育における長期宿泊体験活動の導入促進に関する調査研究…1箇所
いじめ防止等対策のためのスクールロイヤー活用に関する調査研究…3箇所、1,000万円(平成30年度予算同)
スクールカウンセラー及びスクールロイヤーの常勤化に向けた調査研究…1箇所
学校以外の場における教育機会の確保等に関する調査研究…24箇所、1億5,500万円(平成30年度予算同)
夜間中学における就学機会の提供推進…6,600万円(平成30年度概算要求7,900万円、予算3,600万円)
目的・目標
平成28年12月に成立した教育機会確保法及び同法に基づく基本指針等を踏まえ、
- 夜間中学の設置促進
- 既存の夜間中学における教育活動の充実
- 夜間中学における多様な生徒の受け入れ拡大を図ること等により、夜間中学における就学機会の提供を推進する。
ことを目標とした事業でした。
背景説明
- 全国には義務教育未終了が少なくとも約12.8万人いるほか、近年不登校児童生徒が増加している。
- 平成28年12月に、全ての地方公共団体に夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることを義務付ける「教育機会確保法」が成立した。
- 夜間中学は、義務教育を受ける機会を実質的に保障する場として重要な役割を果たしているが、現在は全国8都道府県25市区に31校の設置に止まっている。
成果、事業を実施して期待される効果
義務教育の段階における普通教育に相当する教育を十分に受けていない者の意思を十分に尊重しつつ、その年齢又は国籍その他の置かれている事情にかかわりなく、その能力に応じた教育を受ける機会が確保されるようにするとともに、その者が、その教育を通じて、社会において自立的に生きる基礎を培い、豊かな人生を送ることができる。(教育機会確保法第3条)
切れ目ない支援体制構築に向けた特別支援教育の充実…27億7,700万円(平成30年度概算要求24億3,500万円、予算23億9,800万円)
切れ目ない支援体制整備充実事業…19億1,000万円(平成30年度概算要求19億8,800万円、予算16億円)
平成28年度の障害者差別解消法の施行、発達障害者支援法の改正等を踏まえ、自治体の切れ目ない支援体制整備に向けた取組に対して経費の一部を補助する事業です。
特別な支援を必要とする子供の就学前から学齢期、社会参加まで切れ目ない支援体制整備
- 特別な支援を必要とする子供について、就学前から卒業後にわたる切れ目ない支援体制の整備を促すため教育部局と福祉・保険・医療・労働等の部局が連携し一貫した支援体制を構築する地域を支援する。
特別支援教育専門家配置
- 医療的ケアのための看護師…1,500人→1,800人
- 外部専門家(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等)…348人
学校における医療的ケア実施体制構築事業…6,100万円(平成30年度概算要求6,300万円、予算5,900万円)、20地域
発達障害の可能性のある児童生徒等に対する支援事業…2億3,300万円(平成30年度概算要求2億9,900万円、予算2億8,000万円)
発達障害に関する通級による指導担当教員等専門性充実事業…20箇所(平成30年度概算要求17箇所、予算17箇所)
小・中・高等学校等における発達障害を含む障害のある児童生徒に対する特別支援教育の体制充実のための通級による指導の担当教員に対する研修体制を構築し必要な指導方法の調査研究等を行う事業です。
発達障害の可能性のある児童生徒の多様な特性に応じた合理的配慮研究事業…10箇所(平成30年度概算要求10箇所、予算10箇所)
学校と福祉機関の連携支援事業…1,100万円【新規】
障害のある子供に対する、一貫した支援の提供に資するため、学校と障害児通所支援事業所の効率的かつ効果的な連携の在り方について調査研究を行う事業のための予算を新規で要求しました。
背景説明
発達障害をはじめ障害のある子供たちへの支援にあたっては、行政分野を超えた切れ目ない連携が不可欠である。文部科学省と厚生労働省による、「家庭と教育と福祉の連携『トライアングル』プロジェクト」の検討では、学校と放課後デイサービス事業所等(障害児通所支援事業所)との連携不足が課題として挙げられた。
- 教職員や保護者の障害児通所支援事業所に関する理解不足
- 保護者を含めた関係者間の情報共有や連絡方法が定まっていない
目的・目標
各自治体において、関係部局の連携のもと、学校と障害児通所支援事業所について、現状を把握・分析した上で、広く波及可能な連携の在り方を研究する。
特別支援教育に関する教職員の資質向上事業…5,200万円(平成30年度概算要求1億9,000万円、予算5,000万円)
学習指導要領等の改訂及び学習・指導方法の改善・充実…1億4,600万円(平成30年度概算要求1億2,800万円、予算1億400万円)
学校における交流及び共同学習を通じた障害者理解(心のバリアフリー)の推進事業…6,900万円(平成30年度概算要求1億円、予算8,600万円)
教科書デジタルデータを活用した拡大教科書、音声教材等普及促進…2億1,900万円(平成30年度概算要求1億5,200万円、予算1億4,600万円)
キャリア教育・職業教育の充実…5億3,800万円(平成30年度概算要求1億8,400万円、予算1億4,200万円)
将来の在り方・生き方を主体的に考えられる若者を育むキャリア教育推進事業…2,400万円(平成30年度概算要求3,700万円、予算2,700万円)
小学校における進路指導の在り方に関する調査研究…2地域(平成30年度概算要求4地域、予算2地域)
キャリア・パスポート普及・定着事業…廃止
小・中学校等における起業体験推進事業…11地域(平成30年度概算要求14地域、予算11地域)
キャリア教育推進事業シンポジウムの開催
地域を担う人材育成のためのキャリアプランニング推進事業…1,700万円(平成30年度概算要求800万円、予算800万円)(学校を核とした地域力強化プランの一部)【生涯学習政策局に計上】
「キャリアプランニングスーパーバイザー」を都道府県等に配置し、地元企業等と連携した職場体験やインターンシップ及び地元への愛着を深めるキャリア教育の推進等を通じ、地元に就職し地域を担う人材を育成するというものでした。(30人:平成30年度概算要求15人、予算15人)
スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール…9,700万円(平成30年度概算要求1億9,700万円、予算1億4,900万円)
地域との協働による高等学校教育改革推進事業【再掲】…4億円【新規】
新高等学校学習指導要領を踏まえ、Society5.0を地域から分厚く支える人材の育成に向けた教育改革を推進するため、「経済財政運営と改革の基本方針2018」や「まち・ひと・仕事創生基本方針2018」に基づき、高等学校が自治体、高等教育機関、産業界等と協働してコンソーシアムを構築し、地域課題の解決等の探究的な学びを実現する取組を推進することで、地域振興の核としての高等学校の機能強化を図るという事業のため、新規で4億円を要求しました。
教育分野におけるEBPMの推進…60億2,000万円(平成30年度予算56億1,300万円)
EBPMをはじめとした統計改革を推進するための調査研究…1億2,200万円【新規】
「統計改革推進会議最終とりまとめ」や「第三期教育振興基本計画」に基づき、教育分野におけるEBPMを推進するため、客観的な根拠の開発等に資する取組を通じて、EBPMを推進をはじめとした統計改革の推進を図る事業を新規で行うための予算を要求しました。
目指す成果
- エビデンスに基づくマネジメント改革を通した、全国における教育行政の変革の推進
- あらゆる学校・教育行政関係者が活用可能なエビデンスの創出
- EBPM推進を通した教育振興基本計画が示すPDCAサイクルの確立
全国的な学力調査の実施…47億6,600万円(平成30年度予算46億100万円)【文部科学省分】/5億9,500万円(平成30年度予算6億1,500万円【国立教育政策研究所分】
2019年度学力調査で、中学校英語の「聞くこと」、「読むこと」、「話すこと」、「書くこと」を測る悉皆調査を初めて行うために予算を請求しました。
調査の目的
- 国としては、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析して、教育施策の改善・充実に生かす。
- 教育委員会としては、自治体や学校の学力水準を検証し、教育委員会の施策の改善・充実に生かす。
- 学校としては、個々の児童生徒の学習状況を把握して指導に生かすとともに、学校全体として指導方法の検証・改善につなげる。
以上のような取組を通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。
2019年度調査の実施等…40億1,600万円(文部科学省:37億8,700万円/国立教育政策研究所:2億2,800万円)
本体調査:悉皆調査 調査日
2019年4月18日(木)
本体調査:悉皆調査 調査対象
小学校第6学年・中学校第3学年の全児童生徒
本体調査:悉皆調査 調査内容
- 国語、算数・数学、英語(中学校)
- 併せて、児童生徒・学校に対する質問調査も実施
- 英語については、「聞くこと」、「読むこと」、「書くこと」、「話すこと」の調査を実施。
- 「話すこと」は、音声録音方式により1学級が同時に調査できることを想定。
専門家による追加分析調査
国、教育委員会、学校における教育施策や教育指導の一層の改善を図るため、学力調査を活用し、大学等の研究機関の専門的な知見を活用した高度な分析・検証に関する調査研究を実施。
2020年度調査の準備…13億4,600万円(文部科学省:9億7,900万円/国立教育政策研究所:3億6,700万円)
2020年度調査において、国語、算数・数学を対象教科とした悉皆方式での調査を実施するための準備を行う。
調査対象
小学校第6学年、中学校第3学年の全児童生徒(悉皆調査)
調査内容
- 国語、算数・数学
- 併せて、児童生徒・学校に対する質問紙調査、経年変化分析調査(国語、算数・数学、英語(中学校))、保護者調査を実施。
情報教育・外国語教育の充実…38億800万円(平成30年度予算22億4,700万円)
次世代の教育情報化推進事業…1億2,800万円(平成30年度予算1億800万円)
- 新学習指導要領の趣旨を踏まえ、全ての学習の基礎となる「情報活用能力」の育成に向けた教科等横断的で体系的なカリキュラム・マネジメントやICTの効果的な活用の事例の創出・普及を目指す。
- 必修となった小学校プログラミング教育の円滑な実施に向け、指導事例の創出・普及や教員研修用教材の開発等を実施する。
- 新学習指導要領に対応した高等学校情報科担当教員の研修用教材の開発を行う。
新学習指導要領の趣旨の実現に向けた情報教育及びICT活用の推進に関する調査研究(平成30年度概算要求5,200万円、予算2,400万円)
小学校プログラミング教育支援推進事業(平成30年度概算要求1億800万円、予算7,000万円)
新学習指導要領に対応した高等学校情報科担当教員の指導力向上(平成30年度概算要求1,500万円、予算1,400万円)
情報モラル教育推進事業…6,300万円(平成30年度概算要求5,300万円、予算2,000万円)
情報モラル教育の推進に係る指導資料の改善…2,400万円(平成30年度概算要求2,800万円、予算1,100万円)
平成27年度に作成した指導資料(動画教材を含む。)について、インターネットやスマートフォン利用者の低年齢化、最新のトラブルや被害の状況等を踏まえて、内容の改善・充実を図る。
児童生徒向け啓発資料の作成・配布…3,000万円(平成30年度概算要求1,800万円、予算600万円)
情報モラル教育指導者セミナーの開催…900万円(平成30年度概算要求600万円、予算300万円)
統合型校務支援システム導入実証研究事業【再掲】…3億1,100万円(平成30年度概算要求6億700万円/年、予算3億1,100万円)
遠隔教育システム導入実証研究事業…5,200万円(平成30年度概算要求2億900万円/年、予算5,200万円)
次世代学校支援モデル構築事業…1億1,900万円(平成30年度概算要求1億3,800万円、予算1億1,900万円)
児童生徒が学習用コンピュータ等を活用した際の学習履歴等と、教員が校務事務で入力したデータ等を連携・活用して、学びを可視化することを通じ、教員による学習指導や生徒指導等の質の向上、学級・学校運営の改善等を図ることを目的とした実証研究を行う。(総務省と連携)
ICTを活用した教育推進自治体応援事業…7,800万円(平成30年度概算要求7,100万円、予算2,900万円)
ICT活用教育アドバイザー派遣事業
ICT環境の整備を図ろうとする自治体のニーズに応じて「ICT活用教育アドバイザー」を派遣【30地域:平成30年度同】
教育の情報化の推進に関する調査研究
ICT活用による健康面への影響に関する調査研究
教育用コンテンツ奨励事業…1,300万円(平成30年度概算要求1,300万円、予算同)
学校における未来型教育テクノロジーの効果的な活用に向けた開発・実証研究事業【後掲】…7億円【新規】
背景・課題
- Society5.0の時代において、人間としての強みを発揮していくためには、全ての子供たちが、基礎的読解力や数学的思考力など基礎的な力を確実に習得することが重要。
- その際、学校においてAI等の先端技術を利用した未来型教育テクノロジー(いわゆる「EdTech」を含む)を効果的に活用することにより、全ての子供たちに対し、一人一人の進度や能力、関心に応じて最適化された学び(「公正に個別最適化された学び」)を提供できる可能性。
- しかしながら、学校における「EdTech」等の未来型教育テクノロジーの導入に際しては、教育委員会や学校現場における知見等が十分でなく、期待できる効果や生じる負担が予見できない中、先導して取り組みにくい等の課題がある。
事業概要
事業期間
原則4年
対象校種
小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等
主な経費
- 学校現場と企業等の協働による、学校教育の質の向上に向けた未来型教育テクノロジーの効果的な活用の在り方に係る開発・実証等に要する経費(先端技術自体の開発ではなく、学校における実装に必要な経費を想定)
- 実証に係る先端技術の適用・利用に係る経費
- 実証に必要な追加的なインフラ活用等に要する経費
「戦略的開発・実証領域」(仮)
- 一人一人の能力や適性、学習状況(スタディ・ログ)に応じた学びの個別最適化
- 支援が必要な児童生徒の早期発見、支援の個別最適化
- 教員の指導力の分析による教員の資質能力の向上
- 児童生徒の学習データ等の蓄積・活用による、教職員・保護者の負担軽減や教育施策の改善・充実
先端技術を活用した幼児教育分野の実証研究【後掲】…5,000万円【新規】
Society5.0時代の先端技術の活用を通じて、園内環境や幼児行動、教師の働きかけ等を総合的・多面的に捕捉・可視化し、幼児の豊かな行動を引き出す環境の構築や教師による適切な指導を支援するための取組を推進する新規の事業でした。
デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究…3,600万円(平成30年度概算要求3,600万円、予算1,400万円)
小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業等…11億8,500万円(平成30年度概算要求9億6,500万円、予算7億3,700万円)
小・中・高等学校を通じた英語教育の強化のため、新学習指導要領の全面実施に向けた教材配布等の条件整備、生徒の発信力強化のための指導力向上事業や民間機関と連携した効果的なICT活用促進事業等を行うものです。
- 新たな外国語教育に対応した条件整備事業
- 中学校・高等学校における英語教育の抜本的改善のための指導方法等に関する実証研究
- 生徒の発信力強化のための英語指導力向上事業
- 小学校外国語教科化に対応した外部人材活用促進等のための講習の実施
- グローバル化に対応した外国語教育推進事業…英語以外の外国語について、新学習指導要領に基づいたカリキュラムや教材の開発等を実施。(英語以外の外国語:中、韓・朝、仏、独、西、露 等)
- 民間機関を活用した小学校英語の効果的な指導法等の開発及び成果普及事業
- 英語4技能育成のためのICT活用普及促進事業【新規】
スーパーグローバルハイスクール…5億600万円(平成30年度概算要求8億6,900万円、予算8億4,300万円)
国際化を進める国内の大学のほか、企業、国際機関等と連携して、グローバルな社会課題を発見・解決し、様々な国際舞台で活躍できる人材の育成に取り組む高等学校等を「スーパーグルーバルハイスクール」に指定し、質の高いカリキュラムを開発・実践する事業でした。
2019年度は、質の高いカリキュラム開発・実践を支援するとともに、引き続き事業検証を実施し、成果の普及を図るという内容でした。
- 指定校数:継続校67校
- 事業検証の実施
取組
- 英語等によるディスカッション、プレゼンテーション、論文作成、探究型学習、成果発表会等の実施
- 企業や海外の高校・大学等と連携した国内外研修
- 英語等で指導する帰国・外国人教員等の派遣や外国人留学生による英語等によるサポート
WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業【再掲】…1億6,700万円【新規】
これまでのスーパーグローバルハイスクール(SGH)などの取組の実績を活用し、高等学校等と国内外の大学、企業、国際機関等が共同し、高校生へより高度な学びを提供する仕組みを構築するとともに、テーマ等を通じた高校生国際会議の開催等や高等学校のアドバンスト・ラーニングネットワークの形成により、WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアムにおける拠点校を目指した取組を実施する事業のため、新規で予算を要求しました。(拠点校数:10校程度)
地域との協働による高等学校教育改革推進事業【再掲】…4億円【新規】
我が国の伝統・文化教育の充実に係る調査研究…廃止
グローバル社会における児童生徒の学びの機会の確保と充実
在外教育施設教員派遣事業等及び海外子女教育の推進…182億円(平成30年度概算要求199億500万円、予算179億3,000万円)
社会総がかりで行う高校生国際交流促進事業…1億4,000万円(平成30年度予算1億4,000万円)
アジア高校生架け橋プロジェクト…4億9,000万円(平成30年度予算2億100万円)
Society5.0に向けた人材育成…13億1,700万円【新規】
要旨
「Society5.0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」(平成30年6月5日)において取りまとめた3つの方向性、
- 「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習の機会と場の提供
- 基礎的読解力、数学的思考力などの基礎的な学力や情報活用能力をすべての児童生徒が習得
- 文理分断からの脱却
に基づき、Society5.0という新たな時代に向けた具体的施策を展開する。
内容
学校における未来型教育テクノロジーの効果的な活用に向けた開発・実証…7億円【新規】
先端技術を活用した幼児教育分野の実証研究…5,000万円【新規】
WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業…1億6,700万円【新規】
地域との協働による高等学校教育改革推進事業…4億円【新規】
共生社会の実現及び学校安全の推進
要旨
国籍の違いや障害の有無にかかわらず、安全・安心に暮らせる共生社会の実現を目的として、障害者の学びの支援や外国人児童生徒教育、若年層の消費者教育に関する施策を推進する。また、児童生徒等の安全を確保するとともに自ら安全に行動し、社会の安全に貢献できる資質や能力を育む学校安全の推進を図る。
内容
共生社会の実現に向けた帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援…6億3,500万円(平成30年度予算2億2,900万円)
帰国・外国人児童生徒等に対するきめ細かな支援事業【拡充】
定住外国人の子供の就学促進事業
多言語翻訳システム等ICTを活用した帰国・外国人児童生徒等のための支援事業【新規】
外国人児童生徒や保護者とのスムーズな意思疎通を図り、きめ細かな就学相談や充実した日本語指導を実施するため、多言語翻訳システム等ICTを活用した取組に対する支援を行うための事業の予算を新規で要求しました。
外国人高校生等に対する包括支援環境整備事業【新規】
NPO法人や高校等が、企業やボランティアなどの地域の関係団体等と連携して、外国人高校生等に対してキャリア教育をはじめとした包括的な支援を行う取組に対し支援を行い、モデル化を図り、各地域への普及を図るという新たな事業でした。
外国人児童生徒等教育を担う教員の養成・研修モデルプログラム開発事業
帰国・外国人児童生徒等教育に係る研究協議会等
学校安全推進事業…2億4,200万円(平成30年度概算要求2億8,500万円、予算2億2,500万円)
学校安全総合支援事業…2億1,000万円(平成30年度概算要求2億4,700万円、予算1億9,300万円)
学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業…1億2,700万円(平成30年度予算1億600万円)
若年者の消費者教育の推進に関する集中強化プラン…6,500万円(平成30年度予算1,000万円)
成年年齢の引下げを見据え、特に若年者における消費者教育の更なる強化を図るため、消費者行政部局や教育部局をはじめ、消費生活相談員や弁護士等の専門家の知見等を活用しつつ、実践的な消費者教育の取組が推進されるよう、多様な主体による連携・協働体制づくりを支援する内容です。
成年年齢引下げを見据えた消費者教育の全国的な取組の充実
- 各都道府県における消費者教育推進地域協議会の設置(95.7%→100%)、消費者教育推進計画の策定(93.6%→100%)
- 全都道府県の全高校において「社会への扉」を活用した授業の展開(消費者庁と連携)(現在1か所→全国47か所)
女性の活躍推進等のための環境整備
要旨
女性の活躍推進等を図るため、女性が安心して子供を育て活躍できる環境を整備するとともに、キャリア形成支援により女性の能力を最大限発揮できるよう支援を行う。あわせて、スポーツを通じた女性の活躍推進に取り組む。
内容
男女協働参画推進のための学び・キャリア形成支援事業…6,200万円(平成30年度予算3,700万円)
女性がリカレント教育を利用して復職・再就職しやすい環境整備の在り方や、大学等、地方公共団体、男女共同参画センター等の関係機関が連携し、地域の中で女性の学びとキャリア形成・再就職を一体的に行う仕組みづくりに関するモデル構築や普及啓発のための研究協議会の開催等を実施する事業でした。
次世代のライフプランニング教育推進事業…9,800万円【新規】
次世代を担う若者が、固定的な性別役割分担意識にとらわれず主体的に多様な進路を選択することができるよう、学校教育段階から男女共同参画意識の醸造を図るため、学校で活用できるライフプランニング教育プログラムや、教員研修プログラムを開発する事業のための予算を新規で要望しました。
学びを通じた地域づくりと学校・家庭・地域の連携・協働
要旨
学校を核とした地域力強化のための仕組みづくりなどを地域全体で応援するため、地方の活性化につながる多様な取組を展開することにより、まち全体で地域の将来を担う子供たちの育成、地方創生の実現を図るための文部科学省総合教育政策局(仮称)の施策でした。
内容
学校を核とした地域力強化プラン…83億200万円(平成30年度概算要求80億5,500万円、予算64億7,500万円)
地域学校協働活動推進事業…77億4,900万円(平成30年度概算要求74億4、300万円、予算60億1,200万円)
コミュニティ・スクール推進体制構築事業…8,500万円(平成30年度概算要求1億7,800万円、予算9,800万円)
地域における家庭教育支援基盤構築事業~家庭教育支援チーム強化促進プラン~…9,100万円(平成30年度概算要求1億1,100万円、予算7,300万円)
地域を担う人材育成のためのキャリアプランニング推進事業…1,700万円(平成30年度概算要求800万円、予算800万円)
地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業…1億1,900万円(平成30年度概算要求1億1,100万円、予算1億600万円)
地域と連携した学校保健推進事業…800万円(平成30年度概算要求同、予算同)
健全育成のための体験活動推進事業…1億5,000万円(平成30年度概算要求9,900万円、予算同)
子供の読書活動の推進…4,500万円(平成30年度予算2,400万円)
学びを通じた社会参画の推進に関する実証研究事業…4,500万円【新規】
少子化に対応した活力ある学校教育の推進…24億2,500万円(平成30年度予算24億2,100万円)
少子化・人口減少社会に対応した活力ある学校教育推進事業…3,900万円(平成30年度予算3,500万円)
へき地児童生徒援助費等補助金…23億1,300万円(平成30年度予算同)
高等学校における次世代の学習ニーズを踏まえた指導の充実事業…7,300万円(平成30年度予算7,400万円)
学校健康教育の推進…2億3,500万円(平成30年度概算要求5億9,700万円、予算2億2,300万円)
学校保健推進事業…1億400万円(平成30年度概算要求1億2,000万円、予算9,900万円)
がん教育総合支援事業…3,900万円(平成30年度概算要求3,900万円、予算3,300万円)
学校給食・食育総合推進事業…1億3,100万円(平成30年度概算要求1億9,200万円、予算1億2,400万円)
つながる食育推進事業…6,600万円(平成30年度概算要求6,100万円、予算5,100万円)
教育課程の充実…29億1,100万円(平成30年度概算要求33億2,400万円、予算24億6,100万円)
学習指導要領等の趣旨徹底等及び新学習指導要領の円滑な実施に向けた取組の推進…2億300万円(平成30年度予算2億5,800万円)
教科等の本質的な学びを踏まえた主体的・対話的で深い学びの視点からの学習・指導方法の改善の推進
高等学校における総合的な学習の時間の抜本的改善・充実
基礎学力に課題を抱える児童生徒への支援の充実…3,000万円【新規】
読解力をはじめとする基礎学力をすべての児童生徒が確実に習得できるよう、義務教育段階の早い時期から適切な支援を行うなど、基礎学力に課題を抱える児童生徒に対する効果的な取組等について調査研究を実施するための事業の予算を新規で要求しました。
次代を見据えた教育課程・指導方法等に関する先導的研究開発…8,400万円(平成30年度概算要求7,300万円、予算6,900万円)
理数教育の充実のための総合的な支援等…22億9,100万円(平成30年度概算要求21億6,400万円、予算18億9,100万円 )
現代的課題に対応した教育の充実等…1億3,000万円(平成30年度概算要求9,400万円、予算1億1,300万円)
現代的な課題に対応した資質・能力を子供たちに育むため、環境教育や放射線教育等の充実を図るための取組等を実施する事業でした。
特別支援学校学習指導要領等の趣旨徹底等及び学習・指導方法の改善・充実【後掲】…1億4,600万円(平成30年度予算1億400万円)
幼稚園教育課程の理解の推進【後掲】…2,600万円(平成30年度予算同)
子供の体験活動の推進…1億5,200万円(平成30年度予算1億100万円)
要旨
- 農山漁村等における様々な体験活動を通じ、児童生徒の豊かな人間性や社会性を育み、自己有用感を高め、将来のキャリアへの意欲を喚起する。
- 「子供農山漁村交流プロジェクト」として総務省・文部科学省・農林水産省が連携して事業を実施する。
内容
健全育成のための体験活動推進事業(学校を核とした地域力強化プランの一部)…1億5,000万円(平成30年度予算9,900万円)
宿泊体験事業
- 小学校・中学校・高等学校等における取組(520校)
- 学校教育における農山漁村体験活動の導入のための取組(181地域)
- 教育支援センター(適応指導教室)等における体験活動の取組(134地域)
学校教育における長期宿泊体験活動の導入促進に関する調査研究…300万円(平成30年度予算同)
長期宿泊体験活動の導入促進のため、民間シンクタンク等を活用して、学校の参考となるモデルカリキュラムを開発する。
〈関連施策〉
・補習等のための指導員等派遣事業…公立学校における体験活動の実施に係るサポートスタッフの配置を支援
道徳教育の充実…42億1,800万円(平成30年度予算35億2,400万円)
要旨
2015年3月に、道徳教育に係る学習指導要領等の一部改正を行い、これまでの小・中学校における道徳の時間を教育課程上、「特別の教科 道徳」(以下「道徳科」という。)と新たに位置付けるとともに、いじめの問題への対応の充実や発達の段階をより一層踏まえた体系的なものとする観点からの内容の改善、問題解決的な学習を取り入れるなどの指導方法の工夫を図ることなどを示した。また、高等学校の道徳教育においても、2018年3月に公示した高等学校学習指導要領において充実を図った。
本改正は、道徳教育について「考える道徳」、「議論する道徳」へと質的に転換を図るものであり、これらを踏まえた道徳の指導が着実に実施されるよう、改正学習指導要領の趣旨を生かした効果的な指導や評価、推進体制を構築するため研究協議会の開催等を通じた教員の指導力向上を図る。さらに「親子道徳の日」といった学校・家庭・地域の連携による道徳教育の取組の支援等を行う。
内容
道徳教育の抜本的改善・充実等…42億1,800万円(平成30年度予算35億2,400万円)
道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援
小・中学校における道徳科及び高等学校における道徳教育の効果的な指導方法や、道徳科の評価及び推進体制等に係る指導主事・教員等の研究協議会を開催するとともに、地域教材等の活用による地域の特色を生かした道徳教育の実践・普及、「親子道徳の日」といった家庭・地域との連携を強化する取組などを支援する。
道徳教育アーカイブの整備
道徳科の趣旨やねらいを踏まえた効果的な指導方法や評価方法について、現在、各学校等で取り組まれている好事例や優れた教材を収集・集約・発信するための機能を有した「道徳教育アーカイブ」の充実を図る。
道徳科の教科書の無償給与
小学校及び中学校の道徳科の教科書を無償給与する。
幼児教育の振興…541億700万円※事項要求含む(平成30年度予算341億6,700万円)
幼児期の教育が生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることに鑑み、2019年10月からの幼児教育無償化の実施を目指すとともに、幼児教育の質の向上及び環境整備を促進することにより幼児教育の振興を図ることを要旨として、大幅な増額を要求しました。
幼児教育無償化の実施…300億円+【事項要求】(平成30年度予算300万円)
幼児教育の質の向上…4億8,000万円(平成30年度2億8,000万円)
幼児教育の環境整備の充実…236億円(平成30年度39億円)
2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会、2019年ラグビーW杯等に向けた準備
スポーツ・フォー・トゥモロー等推進プログラム…12億4,195万7,000円(平成30年度概算要求12億3,600万円、予算11億7,137万円)
オリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業
- オリンピック・パラリンピック・ムーブメントを全国に波及させ、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に資するため、オリパラ教育を全国に展開する。また、事業実施に当たっては、先行して取組を行っている東京都や、東京2020大会組織委員会が行う教育プログラム(ようい、ドン!)との連携を密に行う。
- 全国的なコンソーシアムの形成、オリンピアン・パラリンピアンの派遣調整、オリパラ教育全国セミナーの開催等を行う「オリパラ教育全国中核拠点」を設置する。
- 道府県等教育委員会に委託し、オリパラ教育推進校の指定や地域セミナーの開催により、各地域で特色あるオリパラ教育を実施する。また、2019年度から、より多くの生徒が2020年のパラリンピックを競技会場で観戦するよう、パラリンピック競技の観戦・体験事業を重点的に実施する。
2019年ラグビーワールドカップ普及啓発事業…2,808万9,000円(平成30年度概算要求5,100万円、予算2,808万9,000円)
タグラグビーによるラグビー競技の普及
全国で小・中学生年代を対象に、タグラグビーを活用してラグビー競技の普及拡大を図る。
放課後ラグビーによる競技者の拡大
全国で中学生等が平日の放課後もラグビーをできる環境を整備し、競技者の拡大を図る。(新しい学外クラブ創設等)
ラグビーを通じた国際交流
高校生年代におけるラグビーを通じた国際感覚の養成や語学能力の向上を目指し、ラグビー先進国との国際交流(派遣)プログラムを実施する。加えて、太平洋諸島諸国の小・中学生を対象とした国際交流プログラム(受け入れ)も実施する。
スポーツ施策の総合的な推進~経済・地域の活性化~
スポーツ産業の成長促進事業【拡充】…3億1,151万1,000円(平成30年度概算要求3億3,000万円、予算1億8,324万2,000円)
大学スポーツ振興の推進事業【拡充】…2億50万円(平成30年度予算1億5,524万6,000円)
スポーツツーリズム・ムーブメント創出事業【拡充】…3,800万円(平成30年度予算2,603万円)
スポーツツーリズムの需要喚起を図るため、前年度策定した需要拡大戦略に基づき、「アウトドアスポーツ」及び「武道」を重点テーマとして位置づけ、交流人口拡大による地域活性化、幅広い関連産業の活性化のための施策を民間団体等に委託して強力に推進する事業でした。
体育・スポーツ施設整備(学校施設環境改善交付金)【拡充】…54億円(平成30年度予算44億9,000万円)
ストック適正化による持続可能な地域スポーツ環境確保【新規】…7,000万円
スポーツ施設の老朽化や財政難、人口減少等の中でスポーツ参画人口の拡大を支えるには、公的ストックの適正化により持続可能な地域スポーツ環境を確保することが必要。
このため、個別施設計画の策定を通じたスポーツ施設の集約・複合化や、広域連携・官民連携によるスポーツ施設の効率的な整備・管理運営、既存ストックである学校体育施設の有効活用を促進する。
スポーツ施策の総合的な推進~スポーツ参画人口の拡大、障害者スポーツの推進、社会貢献~
スポーツ参画人口拡大プロジェクト【拡充】…4億6,495万7,000円(平成30年度予算3億3,666万5,000円)
スポーツ人口拡大に向けた官民連携プロジェクト【拡充】…1億3,500万円(平成30年度予算9,638万6,000円)
運動・スポーツ習慣化促進事業…1億8,000万円(平成30年度予算同)
子供の運動習慣アップ支援事業…6,400万円(平成30年度予算615万2,000円)
目的
幼児・児童に対して、運動遊びプログラム等を通じて楽しみながら多様な動きを身に付けることができる機会を提供することで、日常的に運動・スポーツを実施する習慣を支援する。
また、幼児の保護者に、この年代に多様な運動をすることの重要性を啓発する。
具体的な事業内容
- 子供の運動習慣アップ支援事業(幼児)【拡充】
- 子供の運動習慣アップ支援事業(小学生)【新規】…2019年度目的:現在の新体力テストに、バランスやリズムといった評価する項目も増やし、子供のたちのスポーツ実施に向けた意欲を向上させる。
- 公共空間を活用した身近なスポーツの場づくり推進実証調査【新規】
障害者スポーツ推進プロジェクト【拡充】…9,300万円(平成30年度概算要求6,000万円、予算4,804万8,000円)
障害者スポーツ用具エコシステム構築推進事業【新規】…3,000万円
Specialプロジェクト2020…5,600万円(平成30年度概算要求7,552万7,000円、予算4,800万円)
スポーツSDGs活動推進事業【新規】…6,500万円
【スポーツ施策の総合的な推進】~学校体育・持続可能な運動部活動の推進~
運動部活動改革プラン…1億600万円(平成30年度概算要求1億2,000万円、予算8,004万8,000円)
平成30年度に新規で事業化されたもので、2019年度のおおまかな内容は平成30年度とほぼ同じです。
「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(2018年3月)を踏まえた運動部活動に関する実践・調査研究を行い、各学校において持続可能な運動部活動が行われるよう、研究結果を周知・普及させるものでした。
武道等指導充実・資質向上支援事業…2億1,300万円(平成30年度概算要求1億9,000万円、予算同)
武道等の安全かつ円滑な実施のため、教員の指導力向上を図ると共に、外部指導者の活用や武道授業における複数種目の実践など、指導の柔軟化の実践研究などを行う。
また、関係団体と連携して外部指導者の資質向上や指導者データベースの整備等を通して支援体制の強化等を図る。
まとめ
「学校給食費徴収・管理業務の改善・充実」事業は、平成30年度に初めて予算化された事業でしたが、平成30年度予算でガイドラインの作成が終了したため、2019年度(令和元年度)は文部科学省は予算を要求しませんでした。
学校給食費の徴収や管理業務を教育委員会や自治体の職員などが担うには、新たにそのための人材が必要で、自治体が予算を投じなくてはいけません。
そのため、予算の関係等でそれができない自治体は令和元年の調査時はもちろん、令和3年の調査でも、相変わらず学校事務職員や教員などの学校職員が給食費の徴収や管理業務を行っています。
文部科学省は平成28年度から行ってきた、「教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査」の内容を改め、令和元年度から「教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査」を始めました。
政府はこのような調査を行い、学校給食費業務のみならず、各自治体の働き方改革の状況や模範となるような取組を毎年公表しています。
このような調査の結果、自治体の学校における働き方改革の取組がある程度は進んでいます。
しかし、調査を行って、結果を公表したり、模範となるような先進的な取組を紹介したり、学校における働き方改革が進んでいる自治体にインセンティブを与えたりという手法だけでは、学校における働き方改革を進めるのには限界があります。
自治体ごとに学校における働き方改革にかけられる予算や集められる人材に違いがあるからです。
やはり、学校における働き方改革に必要なのは、そのための予算でしょう。
今まで調べてきて分かったのは、文部科学省の力だけでは学校における働き方改革のための予算を財務省から勝ち取ることは難しいということです。
予算を勝ち取るためには、学校における働き方改革が国の経済の発展に寄与する取組であることが短期的に示される必要があります。
何と、2018年6月には、経済産業省も学校における働き方改革に深くも関係する「未来の教室」という政策を進めはじめました。
このサイトで、いずれこの経済産業省の政策についても詳しく書きたいと思います。
次回の記事「学校における働き方改革は可能か㊳~学校部活動及び新たな地域クラブの在り方等に関する総合的なガイドライン案~」では、令和4年11月17日に発表された「学校部活動及び新たな地域クラブの在り方等に関する総合的なガイドライン(案)」についてお伝えします。
その後の関連記事「学校における働き方改革は可能か㊴~高等学校の役割増加と幼児教育無償化と2019年度(令和元年度)予算~」では、2019年度(令和元年度)文部科学省予算を調べることで、2019年度は学校における働き方改革関連の施策がどれぐらい進んだのかをお伝えします。
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