- いつ退職するのがお得か?公立学校教員の退職(定年前早期退職・定年退職等)の種類と手続きの仕方⑤~税金など退職後の手続き一覧~はじめに
- 私と主人の職歴
- 退職後の手続きの流れ一覧
- いつ退職するのがお得か?公立学校教員の退職(定年前早期退職・定年退職等)の種類と手続きの仕方⑤~税金など退職後の手続き一覧~まとめ
いつ退職するのがお得か?公立学校教員の退職(定年前早期退職・定年退職等)の種類と手続きの仕方⑤~税金など退職後の手続き一覧~はじめに
「いつ退職するのがお得か?公立学校教員の退職(定年前早期退職・定年退職)の種類と手続きの仕方①」では、教員の退職前の様々な手続きの時期と方法についてお伝えしました。
今回は、税金の支払いなどの教員が退職後に「しなければいけない」手続き、「しないと損!」する手続き、「知っていると得!」する情報、「超重要」な情報について、私の経験を元に、退職後から時系列でお伝えします。
教員の退職後の手続き、以外とたくさんあって面倒、でもやり忘れちゃいけないんです。
私と主人の職歴
私と主人は、2020年3月末で公立学校教員を同時退職しました。
私は政令市の公立小中学校教諭を33年間務め、55歳で定年前早期退職しました。
主人は同じ政令市の公立小中学校教員を37年間務め、最後は校長として60歳で定年退職しました。
私は管理職の経験はなく、退職後、毎日ブログを書いていて無職です。
主人は退職後、再任用で教育関連施設に短時間勤務しています。
退職後の手続きの流れ一覧
4月にすべき退職関係の手続きと処理
退職教職員互助会(退教互)…「しないと損!」する手続き①
現職中に、「退職教職員互助会(退教互)」に入ってみえた方限定の情報になります。
※以下の情報は、愛知県退職教職員互助会のものです。
正確な情報については、勤務先の各自治体の退職教職員互助会のホームページなどでご確認下さい。
※退職教職員互助会の退職の際の手続きについて、詳しくは、「いつ退職するのがお得か?公立学校教員の退職(定年前早期退職・定年退職等)の種類と手続きの仕方②~「退教互」の「退職会員」はお得か?~」をご覧下さい。
退職会員になる場合(満45歳以上)
夫婦2人同時退職で、自分は退職会員にならず、退職会員の「受給資格配偶者」になる場合(50歳以上)
退職会員にならず、「退職教職員互助会」を退会する場合
教職員共済生活協同組合…「しないと損!」する手続き②
※「教職員共済生活協同組合」に関する以下の情報は、勤務先の自治体の教職員共済生活協同組合事業所により、異なります。
正確な情報は、勤務先の自治体の事業所にお問い合わせ下さい。
健康保険(医療保険)…「知っていると得!」する情報①
※得する情報については、詳しくは、「いつ退職するのがお得か?公立学校教員の退職(定年前早期退職・定年退職等)の種類と手続きの仕方③~任意継続より国民健康保険に加入した方が保険料は安くなる?!~」をご覧下さい。
公立学校共済組合
※以下の公立学校共済組合の情報は、勤務先の自治体により異なります。
正確な情報は、各自治体の公立学校共済組合にお尋ね下さい。
そのまま公立学校共済組合員を続ける
同じ自治体で、再任用フルタイム勤務の教員として働く場合は、一旦保険証を返納する場合もありますが、特に手続きなしでそのまま公立学校共済組合員を続けられます。
※令和4年10月1日より、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」の一部の施行に伴い、国・地方公共団体等の事業所に勤務する短時間勤務職員も共済組合制度の組合員となることになりました。
これに伴い、地方公務員は一定の条件を満たせば、短時間勤務であっても共済組合員になることになりました。
詳しくは、お住まいの自治体の公立学校共済組合や地方公務員共済組合のホームページで確認してください。
任意継続組合員になる
退職後、家族の加入する健康保険(医療保険)の被扶養者になれない人は、「再就職しない場合」と、「再就職先に、健康保険(医療保険)制度がない場合」は、「国民健康保険に入る」か、「公立学校共済組合の任意継続組合員になる」かのどちらかになります。
公立学校共済組合の任意継続組合員になる人は、退職後20日以内に公立学校共済組合の任意継続組合員への加入手続き書類を送付し、保険料を納入することで、公立学校共済組合の任意継続組合員になることができます。(1年分前納するとお得/1年分掛金:約48万円)
新しい勤務先の健康保険(医療保険)に加入する
退職後、新しい勤務先に健康保険(医療保険)制度がある場合は、そちらに加入することになります。保険料は、加入する健康保険(医療保険)や給与により異なります。
我が家の場合、主人が、再就職先の健康保険制度の「全国健康保険協会(協会けんぽ)」に加入しました。
そこで、私は、主人の再就職先の健康保険制度の「全国健康保険協会(協会けんぽ)の「被扶養者」になりました。
国民健康保険に加入する。
※国民健康保険に関する以下の情報はお住まいの市区町村により異なります。
正確な情報は、お住まいの市区町村の役場にお問い合わせ下さい。
退職後、家族の加入する健康保険(医療保険)の被扶養者になれない人は、「再就職しない場合」と、「再就職先に健康保険(医療保険)制度がない場合」は、「国民健康保険に入る」か、「公立学校共済組合の任意継続組合員になる」かのどちらかになります。
一般に、1年目は、公立学校共済組合の任意継続よりも国民健康保険の方が保険料が高くなります。2年目は公立学校共済組合の任意継続の方が国民健康保険よりも高くなります。
国民健康保険に加入する場合は、退職後14日以内にお住まいの市区町村役場の国民保険担当課で手続きをします。
家族が加入する健康保険(医療保険)制度(被用者保険)の被扶養者になる。
保険料を自分で支払う必要がないため、家族が加入する健康保険(医療保険)制度(被用者保険)の被扶養者になれる場合は、この方法が一番お得です。
「退職辞令」、「給与所得の分かるもの」、「戸籍抄本」などが必要になります。(詳しくは、ご家族の勤務する事業所の担当者にお聞き下さい。)
公立学校共済組合友の会…「知っていると得!」する情報②
※以下の「公立学校共済組合友の会」の情報は、お住まいの自治体により、異なります。
正確な情報は、お住まいの自治体の「公立学校共済組合」にお尋ね下さい。
公立学校共済組合の財形貯蓄…「しないといけない手続き」①
公立学校共済組合の財形貯蓄を解約した場合は、4月の決められた日に、指定口座に振り込まれます。
公立学校共済組合の共済貯金(名称は各自治体により異なる)…「しないといけない手続き②」
共済組合の共済貯金(名称は各自治体により異なる。)制度を利用していた人は、共済貯金の解約を、3月の定められた期日までに行います。
3月に解約した貯金は、4月の定められた日に、指定口座に振り込まれます。
5月にすべき退職関係の手続きと処理
退職金…「超重要」な情報①
公立学校教職員が退職後、5月中旬、退職金が指定した口座に振り込まれます。
同時に、「退職手当支給通知書・退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」が郵送されますので、受領します。
※退職金の受取額=退職手当支給額ー所得税(源泉徴収税)ー住民税(市民税+県民税+4.5月分の住民税)
退職金の金額の計算方法や実際の金額については、「いつ退職するのがお得か?公立学校教員の退職(定年前早期退職・定年退職)の種類と手続きの仕方①」をご覧下さい。
教職員共済生活協同組合…「しないと損!」する手続き②の続き
退職前に手続きをした場合、5月下旬に教職員共済生活協同組合から、退職見舞金が指定した口座に振り込まれます。
我が家では主人が加入していたため、手続きしたところ、1983年7月からの出資金(月600円×21年8ヶ月+月400円×15年)全額で、229,000円が指定口座に送金されました。
6月にすべき退職関係の手続きと処理
退職の前年度1月から退職年度12月までの住民税(市民税・県民税)の支払い…「しないといけない手続き」③
教職員が在職中は、1月から12月までの所得から算出した住民税(市民税・県民税)の年税額を、翌年の6月から翌々年の5月まで、毎月の給与の支払いの際に差し引いて納付する「特別徴収」の仕組みがとられます。
しかし、退職後は住民税(市民税・県民税)を給与から差し引くことができなくなります。
そこで、退職者の自宅に、6月初旬、住民税(市民税・県民税)の納税通知書が送付されます。
送付されたら、6月末日までに、納税通知書に記載された年税を、年4回均分納付か一括納付で指定金融機関から納税します。
なお、再就職された場合、再就職先で特別徴収(給与から差し引いて納付)することができる場合もありますので、再就職先の給与担当の方に問い合わせて手続きをしましょう。
ちなみに、我が家の場合、1年分の住民税一括納付で納税しました。
元教員夫婦2人同時退職の我が家の、住民税(市民税・県民税)の退職前年分の納付金額は、主人が61万300円、私が45万8,800円でした。
年金待機者登録通知書…「超重要」な情報②
退職後、再任用フルタイム職員として再就職した人や「任意継続組合員」になった人以外は、公立学校共済組合から、「年金待機者登録通知書」が送付されます。
「年金待機者番号」と、「組合員期間」と「年金受給権発生年月」が記載されています。
年金の受給開始時に必要ですので、それまで大切に保管しておきましょう。
退職した翌年の2月
確定申告…「しないと損!」する手続き③
再就職した人は、退職した年の11月頃に再就職先の担当者から確定申告について指示があります。
再就職しなかった人は、退職した翌年の2月中旬から3月中旬に、お住まいの地区の税務署で、自分で確定申告をします。
再就職しなかった人は、退職した年度の1月から3月までの給与と賞与等分になります。
勤務していた学校から、前もって「1月から3月分の給与所得の源泉徴収票」が郵送されます。
この「1月から3月分の給与所得の源泉徴収票」をなくさないように保管しておいて下さい。
そちらに記載されている給与・賞与等の支払い金額と、源泉徴収税額、社会保険料等の金額や、加入している生命保険などの控除証明書等を基に、確定申告書を作成します。
私の場合、確定申告によって46,203円還付金がありました。
いつ退職するのがお得か?公立学校教員の退職(定年前早期退職・定年退職等)の種類と手続きの仕方⑤~税金など退職後の手続き一覧~まとめ
いかがでしたか?
退職後、意外とたくさんの退職関係の手続きがあることが、お分かりいただけたかと思います。
しかし、こちらに記載した手続きは、全国的に同じものもあれば、各自治体によって異なるものもあります。
そして、ここに記載していませんが、各自治体には、それぞれお得な団体保険がいくつかあると思います。
そちらの手続きも忘れずに行うようにして下さい。
詳しい手続きの仕方やするべき時期については、「公立学校共済組合」の退職者向け説明会などで詳しく説明がありますので、参考にするようにして下さい。
そして、それらの説明会の資料や、給与関係や退職関係、保険関係などの退職前や退職後の手続きに必要になりそうな重要な書類は、他の書類と一緒にうっかり処分してしまわないように、まとめてファイルなどに入れて保管しておきましょう。
退職前の給与額で金額が決まるため、退職した翌年度は、支払わなければならない税金や健康保険(医療保険)の額も大きいのです。
ですから、税金や健康保険(医療保険)の支払い額を見越して、退職金の運用の仕方や住宅ローンの支払いなどを計画されるとよいでしょう。
それでは、これで一旦、「いつ退職するのがお得か?公立学校教員の退職(定年前早期退職・定年退職等)の種類と手続きの仕方」シリーズを終えたいと思います。
次回は、再び、「学校における働き方改革は可能か?」に戻り、平成30年度の文部科学省予算案の内容から、学校における働き方改革がどのように進んできたのかを考察します。
教員や教育関係者、学校教育に興味がある方が知って得する情報が、他の記事にもいろいろありますので、是非お読み下さいね(^^)/
特に、「地方公務員法改正案施行で60歳以降の勤務条件はどう変わるのか①~定年前再任用短時間勤務制~」から始まる定年延長や再任用に関するシリーズはおすすめですよ。
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