学校における働き方改革は可能か⑧~平成21年度予算~

学校の職員と子供たち メリハリのある給与体系
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はじめに

前回「学校における働き方改革は可能か⑦~平成21年度概算要求~」では、平成21年度文部科学省概算要求で、文部科学省が、教職員定数や、教員の給与に対して、かなり消極的な案を提出したことを書きました。

今回は、その後平成21年度予算がどのように成立したかを、教員定数の改善、給料の調整額の縮減、教職調整額の見直し、義務教育等教員特別手当の縮減を中心に書いていきたいと思います。

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平成21年度予算

義務教育費国庫負担金

義務教育費国庫負担金による教員定数の改善のための予算は、概算要求に対して合計で、500人減の1,000増という結果でした。

概算要求予算
主幹教諭+896人+448人▲448人
事務職員+73人+73人+-0人
通級指導の教諭+352人+300人▲52人
特別支援学校のセンター的機能のための教諭+35人+35人+-0人
養護教諭+47人+47人+-0人
合計+1,500人+1000人▲500人
平成21年度 教職員定数の概算要求と予算の差

予算による非常勤講師

予算による非常勤講師の活用では、授業時数増等への対応、習熟度別少人数指導、小学校高学年の専科指導等すべてで、退職教員や社会人等外部人材を活用する形となりました。

概算要求で合計22,000人だったのに対し、8,000人減の14,000人という結果でした。

概算要求予算
授業時数増等への増への対応(非常勤講師)(週40時間換算)11,500人サポート先生で、10,000人▲1,500人
退職教員等外部人材(サポート先生)(習熟度別少人数指導、小学校高学年の専科指導、小1プロブレム・不登校等)(週12時間換算)10,500人4,000人▲6,500人
合計22,000人合計14,000人▲8,000人
平成21年度予算による非常勤講師概算要求と予算の差

学校支援地域本部

「学校支援地域本部」とは、地域の人々が学校教育を支援する体制です。地域全体で子供たちを育む環境を整備するために作られました。

学校教育の充実・多様化、教員の負担軽減、生涯学習の成果を生かす場づくりや、地域の教育力の向上を目指します。

部活動指導員、学習支援員などの学校支援ボランティアを集める活動等をします。

平成20年度は、1800箇所作られました。

平成21年度は、要求が、全市町村対象の3,600箇所だったのに対し、予算は、200箇所減の、3,400箇所でした。

概算要求予算
学校地域支援本部3,600箇所(全市町村対象)3,400箇所▲200箇所
平成21年度学校地域支援本部の概算要求と予算の差

平成21年度予算教員が子ども一人一人に向き合う環境づくり
「平成21年度予算(案)主要事項/大臣官房会計課」より一部抜粋/掲載元/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)
平成21年度予算初等中等教育の充実
「平成21年度予算(案)主要事項/大臣官房会計課」より一部抜粋/掲載元/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)
平成21年度教員が子どもと向き合う環境づくりと新学習指導要領の円滑な実施のための指導体制整備(案)
平成21年度予算(案)主要事項説明資料より一部抜粋/掲載元/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)
平成21年度予算(案)社会全体での教育向上への取組み
「平成21年度予算(案)主要事項/大臣官房会計課」より一部抜粋/掲載元/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)
学校支援地域本部事業
平成21年度予算(案)主要事項説明資料より一部抜粋/掲載元/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)

教員給与

教員給与は、概算要求では、管理職手当の増額を要求していましたが、予算案には通りませんでした。

また、給料の調整額は、4億円の減(調整額2→1.5:本給の6%程度→4.5%程度)(平成22年1月~)の要求が通りました。

基本方針2006に基づく人材確保法による教員給与の優遇措置(2.76%)の縮減(平成22年1月~)も、要求どおりとなりました。

概算要求予算
管理職手当(平成22年1月~)+5億円(副校長15%→16.25%など)0円▲5億円
給料の調整額(平成22年1月~)▲4億円(調整額2→1.5:本給の6%程度→4.5%程度)▲4億円(調整額2→1.5:本給の6%程度→4.5%程度)+-0円
基本方針2006に基づく人材確保法による教員給与の優遇措置(2.76%)の縮減(平成22年1月~)▲19億円(本給の3.0%→2.2%)(平成20年度に着手した本給の3.8%→3.0%の平年度化分▲56億円もあり)▲19億円(本給の3.0%→2.2%)(平成20年度に着手した本給の3.8%→3.0%の平年度化分▲56億円もあり)+-0円
合計▲18億円▲23億円(▲75億円)▲5億円
平成21年度教員給与の見直し(案)
平成21年度予算(案)主要事項説明資料より一部抜粋/掲載元/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)

教職調整額の見直し

教職調整額の見直しについては、平成18年「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(行革推進法)」で、

検討を重ねて「20年度までに結論を出すこと

とされていました。

しかしながら、平成20年度予算までには結論が出ず、

教員の勤務の在り方と時間外勤務の評価等の在り方について引き続き全体的に検討を行い、平成21年度以降に実施すること

とされていました。

結局、今回の平成21年度予算でも、教職調整額の見直しが先送りとなり、

現状維持の4%のまま

という結果となりました。

記載には、「総人件費改革を堅持するために、財源については、平成23年度までに給与の見直しで捻出すると共に、今後、具体的内容を検討とあります。


新学習指導要領への対応等(基礎学力の向上)平成21年度予算政府案
平成21年度文教・科学技術予算のポイント(政府案)/平成20年12月/可部主計局/より一部抜粋/掲載元/国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)
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まとめ

教職調整額の見直しは、教員の勤務の在り方と時間外勤務の評価等の在り方について結論を出すことが難しく、再び結論が先送りとなりました。

平成20年度には、超過勤務の多さから、教職調整額を増やすように概算要求していたのですが、先送りされ、平成21年度も、先送りで、教職調整額を減らすことは免れました。

そして、給料の調整額は概算要求どおりの縮減でした。

さらに、義務教育等教員特別手当も、本給の2.76%の減にするため、予定どおり更に減額されました。

そして、教職員定数は、主幹教諭等で1,000人増のみでした。

また、新学習指導要領で授業時間数が増加する分は、12,000人(週12時間換算)の退職教員等外部人材の非常勤講師でまかなう、という予算措置となりました。

行革推進法で、教職員数の削減や人件費の削減を迫られる中で、「教員が子どもと向き合う環境づくり」を推進するための苦肉の策が、「サポート先生」や、「学校地域支援本部」等の地域の人の活用だったのでしょう。

次回「学校における働き方改革は可能か⑨~教職調整額の見直し、平成21年世界同時不況、政権交代~」では、平成21年度以降の「学校における働き方改革」について調べ、お知らせしていきます。

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