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はじめに
公立小中学校教員の皆さん。
あなたのお勤めの学校では、働き方改革のための、業務の見直しや事務作業のIT化等は、順調に進んでいますか?
前回の「学校における働き方改革は可能か①「教諭等(事務職員)の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等の送付について(通知)」」の記事では、令和2年7月17日に文部科学省から出された2つの通知、「教諭等の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等の送付について」と「事務職員の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等の送付について」の内容を説明しました。
この通知以前にも、数年前から私の勤務していた自治体の学校では、「学校における働き方改革」のために、いろいろな形で業務の見直しをしてきました。
ここに、私の勤務していた小学校の例を挙げます。
こうして書き出してみると、たくさんありますね。
確かに、ある程度負担軽減にはなりました。
しかし、33年間公立小中学校の教員の経験のある私でも、これらの業務の削減だけで、昨年度、自分の仕事を勤務時間内に終えることができるようにはなりませんでした。
今年度(令和2年度)はどうでしょう。
平成31年4月1日改正労働基準法施行
平成31年4月1日に改正労働基準法(いわゆる働き方改革関連法案)が施行されました。
それに伴い、各教育委員会規則が改正され、都道府県立や市町村立学校の教師に対しても、時間外在校時間の上限が設定されました。
私の自治体では、今年度、令和2年4月1日より施行されました。
それによると、時間外在校時間の上限は、
とあります。
また、
教育職員が、児童、生徒又は幼児に係る通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い、一時的又は突発的に所定の勤務時間外に業務を行わざるを得ない場合には、
となっています。
コロナ禍による仕事量の増加
現場の様子を知り合いの教諭の方々に伺うと、コロナ禍による休校期間中は、一時的に在校時間が減った方が多かったようです。
しかし、平常通りの授業や部活動が始まった現在、在校時間は、昨年度までとあまり変わりがないようです。
それどころか、休校期間中の遅れを取り戻すため、授業時数が増えたり、土曜授業があったり、消毒作業等に追われたりして、逆に在校時間が増えた方も多くいます。
これでは、今年度の働き方改革は、あまり進まないでしょう。
それでも、今年度の教師の在校時間を無理に減らすとすれば、
ぐらいのことをしないと難しいと思います。
これでは、学校を正常に保つことはできないと思いますけど‥‥。
教師の担う業務の削減、人的支援
教諭が担うべきでない、とされる校務分掌を、相変わらず、教諭が担っている場合も多いようです。
人的支援としての、学習支援員やスクールサポーター、加配教員、部活動指導員なども、配置されていないか、予定数より少ない学校が多いと聞きます。
まとめ
平成31年4月1日に「改正労働基準法」が施行され、令和2年度4月1日からは、地方自治体の規則により、都道府県立や市区町村立学校でも、時間外在校時間の上限が適用されるようになりました。
それにもかかわらず令和2年度は、学校における働き方改革がなかなか進まない現状があるようです。
コロナ禍によるところも大きいと思いますが、平常の状態だったとしても、やはり、全職員が1月当たり45時間という時間外在校時間の上限を守ることは難しいと思います。
なぜ、そう考えるのか。
次回「学校における働き方改革は可能か③~教職員に掛かる人件費の削減~」からは、教職員数の変遷や文部科学省の予算編成を通して、「学校における働き方改革は可能か」について述べていきたいと思います。
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